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OCS『The Blitzkrieg Legend』:イギリス海外派遣軍(BEF)の配置を調べてみる

 前回の続きで、イギリス海外派遣軍(BEF)の1940年5月10~11日のディールラインにおける配置を調べてました。

前回→OCS『The Blitzkrieg Legend』:フランス軍の第2、第3軽機械化師団の第1ターン先攻の動きを推測 (2019/05/15)

 最初に見たのは『西方電撃戦 フランス侵攻1940』だった(P154)のですが、それはやや曖昧な書き方なので置いといて、それより『Fall Gelb 1940 (2): Airborne Assault on the Low Countries』の地図と『The War in France and Flanders』(→イギリス大陸派遣軍のサイトが消えたぁ…… (2011/05/15))の戦闘序列が詳しかったので、それで。


 ↓『Fall Gelb 1940 (2): Airborne Assault on the Low Countries』のP65の「10-13 May」の地図から

unit00559.jpg

 この地図にはBEFの第4歩兵師団と第48歩兵師団と第1戦車旅団(1ATB:1st Army Tank Brigade)があるものの、『The Blitzkrieg Legend』のセットアップだとそれらの部隊はここにはいません……(ちなみに、第4歩兵師団の下にある「Esc A-B」とか書いてあるのは、下に「BE」とあって、これはベルギー軍のことです)。

unit00560.jpg

 ただ前掲地図は「10-13 May」なわけですから、10~11日ではなくて12~13日(つまり第2ターン)である可能性もあります。

 で、色々調べてましたら……。

 5月13日、我が軍の第48および第4師団が、ディール川沿いの第Ⅰと第Ⅱ軍団の諸師団を支援するために東方へと移動する間、はるか南ではドイツ軍の機甲師団群がミューズ川を渡って西進を始めていたのである。
『The War in France and Flanders』P41



 とありました。ので、第48歩兵師団と第4歩兵師団は13日になって移動を開始した、つまり第1ターンにはディールラインにはいなかった、ということで良さそうです。


 『The War in France and Flanders』は現在、ネット上でも見られます。

CHAPTER III ADVANCE INTO BELGIUM 10th May to 15th May, 1940

 ↑のP41のところの最後の一文です。また、このウェブページの3つ目の画像は5月15日の地図で、前掲地図と良く似た感じになっています。


 ↓『The Blitzkrieg Legend』セットアップにおける、第48、第4歩兵師団の位置。

unit00561.jpg


 さて、もう1個の第1戦車旅団の件です。第1戦車旅団は、『The War in France and Flanders』のP359の、5月10日付けの戦闘序列によると↓となっています(ネット上のものは→APPENDIX I British Forces Engagedの「BRITISH EXPEDITIONARY FORCE (as organised on 10th May, 1940)」の「G.H.Q. Troops」の一番下)。


1st Army Tank Brigade—Brigadier D. H. Pratt
4th and 7th Battalions Royal Tank Regiment
(第4および第7大隊 王立戦車連隊:なんで大隊で連隊なのかというと、名称は王立戦車連隊なのですが、実質的には大隊規模なので、ということではないかと。イギリス軍はこういうやり方なので)

 王立戦車連隊は、略称だと「RTR」で、「4RTR」が先ほどの画像の左側にあるスタックの中身を表示させていた部分の右から2つ目にありました。しかし「7RTR」が地図上に見当たりません。増援表を調べてみると、5月14日に、マップAの任意の港湾に登場することになっていました。

 ですが、『The War in France and Flanders』では10日のBEFに7RTRも入っていますし、『Fall Gelb 1940 (2): Airborne Assault on the Low Countries』の13日までの地図に第1戦車旅団がディールラインにいますし、他にも↓

The History of the 4th and 7th Royal Tank Regiment. revised 20111940 – 1941

 を見ていても、日時は分かりませんが、「旅団が移動した」と書いてあって、「7RTRは遅れて到着した」というようなことは書いてありません。

 ただ、そこらへんまで考えていた後で、そういえば、と『第2次大戦 イギリス機甲部隊』という本を見てみたら……。



第1戦車旅団
1st TANK BRIGADE
 1939年9月3日、第1軍戦車旅団は英本土軍アルダーショット軍管区司令部の指揮下、1938年4月13日付の国防組織3 / 1931 /33A / 2号の軍戦車旅団の編成・装備を準用として創設され、基幹部隊として第4ロイヤル戦車連隊、第7ロイヤル戦車連隊および第8ロイヤル戦車連隊が配属された。
 1940年4月30日~5月14日、第1軍戦車旅団はアルダーショット軍管区から英派遣軍総司令部に配属され、英本土からフランスに移動したが、旅団の基幹戦力は第4ロイヤル戦車連隊と第7ロイヤル戦車連隊のみであった。
 1940年5月14日~5月17日、第1軍戦車旅団は英派遣軍総司令部から第1軍団予備として配属され、ベルギーの首都ブリュッセル付近に配置された。
『第2次大戦 イギリス機甲部隊』P72


 この本によると、4月30日から5月14日にかけてフランスに移動し、そしてまた5月14日から5月17日にかけてブリュッセル付近に移動したかのようです。

 そうすると、『The War in France and Flanders』の戦闘序列には5月10日付けで4RTRも7RTRもBEF内にいることになっていましたがうち7RTRは海上輸送中で(まだ英本土にいたのかもですが)、5月14日(つまり『The Blitzkrieg Legend』における第3ターン)にフランスの港湾に到着し、4RTRはすでにいた内陸から、7RTRは港湾から、それぞれブリュッセルへと移動した……ということであれば辻褄が合いそうです。

 『The War in France and Flanders』の5月15日の地図にはブリュッセル南東に第1戦車旅団がいますが、15日中には少なくとも部隊の内の半分くらいは到着していた? その後完全に揃うのは17日になったとしても……。

 そうだとすると、『Fall Gelb 1940 (2): Airborne Assault on the Low Countries』の「10-13 May」の地図に1ATBがいるのは、フライング……でしょうか?


 まあ分からないですが、解釈が何通りかできる場合は、『The Blitzkrieg Legend』に指示されている通りにする、べきでしょうか。

 それにまた、今回調べたように各部隊がタイムラグを持って移動したのだとすれば、興味深いことですし、それをちゃんと反映している『The Blitzkrieg Legend』は素晴らしいなぁ、と(^^)


 ただまあ、「第1ターン先攻で、移動モードでないと到達し得ない場所にいるユニットは移動モードにする」という件に照らせば、最もベルギー・フランス国境に近い「1ERY」(イーストライディング義勇兵)でも戦闘モードでは届かない場所にいるので、ブリュッセル周辺のBEFはすべて移動モードということになります(します)。:p


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DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! 見学だけ等も大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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