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OCSユニットで見るドイツ空軍のハインケルHe.111

 『ドイツ戦闘機開発者の戦い』という本を読んでいたんですが、その中に、OCSで良く見る爆撃機/輸送機であるハインケルHe.111について書いてあり(当然ですが(^_^;)、ちょっとまとめてみようと思いました。





 まずHe.111の概略を。

ハインケルHe111 / Heinkel He 111
 1937年にドイツ空軍で就役、スペイン内戦においてドイツ中距離爆撃機の名声を大いに高めた。1938年、短いガラス張りの機首を持つHe111Pが導入され、また大量生産されたHe111Hの形も決定した。He111Hは第二次世界大戦時にドイツ空軍の標準型水平爆撃機となった。その時点でこの機はライバルのイギリス空軍機よりわずかではあるが勝っていたが、 もはや最新型のイギリス戦闘機の敵ではなかった。というのは、たった3挺の機銃しかなかったからだ。
 イギリス本土防空戦における甚大な損害は、防御兵器および防護装甲の強化を必要とし、 これは少なくとも1名の乗員増を必要としたため、性能を著しく損なうこととなった。このため1942年には容易な標的となっており、緊急に代替え機種が必要とされた。後継機種の開発は遅れがちであり、このためHe111Hは1942年10月まで生産が継続され、7,000機余りが生産され、 He111H23をもって生産は終了した。あらゆる戦線に投入され、各種ミサイルの親機、対気球航空機、滑空機曳航などの多様な用途に用いられた。
<データ>(He111H3) 型式:4~5人乗りの中距離爆撃機、エンジン:ユンカース・ユモ1,200馬力×2、最大速度:413km/h、上昇限度:7,800m、航続距離:1,200km(完全装備)、武装:7.92ミリ機関銃×6~7、爆弾搭載量:2,000kg。
『第二次世界大戦事典』P419,420



Bundesarchiv Bild 101I-343-0694-21, Belgien-Frankreich, Flugzeug Heinkel He 111

 ↑飛行するHe111(第53爆撃航空団所属機、1943年9月撮影 Wikipediaから)







 He.111はOCSで非常に良く見る機種ですし割と役に立つこともあり、個人的に集めている1/144スケールでの塗装済みHe.111があればなぁと思ってメルカリ等で探してみたことがあるのですが、出品されている写真を見て「あまりかっこよくないなぁ……」と思ってその時は食指が動きませんでした(^_^; 特に、正面から見た時に機首が左右対称でないのが気持ち悪さに一役買っているような気がします(あくまで個人の感想です)。


 次に、OCSユニットでもって、そのゲームに登場するすべてのHe.111ユニットを並べていきます。ただし、『Hube's Pocket』は持ってないのと、『Baltic Gap』はスキャンしてなかったので、BoardGameGeekの画像を借りてきました。

 基本的には(2)-12 1/2T(防御のみの空戦力が2で爆撃力が12、輸送力が1/2T)ですが、ちょっと違った能力のものもありますね。航続距離の差はスケールが違うからという場合もありますが、スケールと関係なく違うものもあるような……?



unit00542.jpg

 ↑『The Blitzkrieg Legend』

 白い×印が付いているのは、常に運用できるわけではないユニットです。『DAK-II』のものも同様。




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 ↑『DAK-II』

 


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 ↑『Smolensk:Barbarossa Derailed』




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 ↑『Guderian's Blitzkrieg II』




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 ↑『Case Blue』

 He111zbV(特殊任務?)というユニットがあって、輸送力が1Tのやつと2Tのやつがあります。特に2Tのやつは、何かを曳航しているようですが……?




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 ↑『Tunisia II』

 グライダーを曳航している1Tバージョンのものがあります。




unit00548.jpg

 ↑『Sicily II』




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 ↑『Hube's Pocket』




unit00550.jpg

 ↑『Baltic Gap』



 『Beyond the Rhine』にはHe.111ユニットは1枚もありませんでした。まあ、『Beyond the Rhine』には戦闘機以外のドイツ空軍機はほとんど出てきませんで、もう防空戦闘以外のことができる状態ではないという感じが強いのでしょうか。



 再度、文献による記述を挙げていきます。

 戦前に民間機としてデビューした双発爆撃機の第3番目のものは、ハインケルHe111であった。これはイギリス本土爆撃に参加したことで広く知られているが、実際にはあまり成功した機体ではなかった。ただし、 1936年に実戦配備となったHe111Bは、有望な爆撃機として期待された。DB600CG液冷950馬力エンジンを装備したHe111Bは細長い機首部、幅の広い主翼を持ち、最大時速は370キロ、最大爆弾搭載量は1.5トンという性能であった。スペイン内戦ではほとんど抵抗を受けなかったせいで、損害も少なく、威力を発揮した。このため、 7.92ミリMG15旋回機銃わずか3丁という貧弱な武装は強化されなかった 1939年以前にD型とE型が作られ、またH型が標準量産型となったが、武装に変化はなかった。ユンカース「ユモ」211 D-2 (1200馬力)エンジンを装備したH型は、機首部が改設計されて気泡型となり、最大時速は405キロ、最大爆弾搭載量は2 トン、航続距離は1200キロに向上した。しかし防御力がきわめて弱いため、1940年のイギリス本土空襲では大きな損失を出した。ハインケル社は機銃の数を増すとともに、運用高度と速度の改善をはかったが、成果はなかった。1942年には、 He111は、脆弱な旧式機となっていた。これの後継機がなかったことは、ドイツ航空工業界の近視眼的ビジョンのあらわれであった。He111は1945年になっても使用されたが、実績はふるわなかった(He111の総生産数は5656機)。
『第2次大戦事典②兵器・人名』P219,220


 それまでのドイツ双発爆撃機はJu 86も含めて「爆弾を搭載して飛行できればよい」のレベルで、発行性能や実戦を考慮した機動性などはまだ問題にもなっていなかったという(低空での機動性に優れ「垣根飛び」と呼ばれたDo 17はHe 111とほぼ同時期の開発)。それがHe 111では速度性能だけでなく、操縦性、運動性などに関してもそれまでの爆撃機の水準を抜きん出たものがあった。開発が先行したHe111商業機型も同時代の双発機、三発機の水準を破る飛行性能を示したので新聞紙上では「戦闘機よりも高性能の旅客機が登場」と報じられて内外の関心を集めた。
 ……
 He111はポーランド侵攻からいわゆる電撃戦、バトル・オブ・ブリテンと主力爆撃機として使用され、この間にドイツ爆撃機が英空軍戦闘機に対して極めて脆弱であることも露呈された。それでもHe111の実用性の高さは卓抜しており、後発のユンカースJu 88とともに主力機の役割を務め続けた。He111にはJu 88ほどの多用途性や機動性はなかったが、雷撃機、偵察機、輸送機としても使用されるようになる。やがては破天荒な改造型(双胴化した五発機のHe111Z)も現われ、飛行爆弾V1号の発射母機としても使用される(He111H-22)。結局、第二次大戦が終わる1945年春まで主力機としての役割を務め続けることになる。
 He111はハインケル社の企業としての拡大、工場の拡張を象徴する機体で、1937年から操業開始されたオラーニエンブルク工場で大部分が製造された。約7000機も製造されて足掛け十年近く使われ続けたのは、やはりギュンター兄弟による基礎設計が優れ、様々な任務に適用できるほど実用性が高かったからであろう。
 だがそうなった理由の一方には、He 111以後の爆撃機に急降下爆撃能力を要求したり、後継機種になるはずのHe 177の開発に失敗したりという、ほかの主要交戦国にはみられないような、ドイツ空軍ならではの混乱ぶりもあった。本機を開発、生産したハインケル社の社主であるエルンスト・ハインケルが「爆撃機など作りたくない。戦闘機を作らせろ、驚くほど高性能なのを作ってみせる」と技術局長のウーデットに楯突いたのも尋常ではないと言える。そういった意味においては、He111は最もナチス・ドイツ的な爆撃機だったということにもなるだろう。
『ドイツ戦闘機開発者の戦い』P107,112,113



 第二次世界大戦の名機ばかりを扱ったような本ではHe.111はほとんど項目立てされていないようなので、どちらかというと「残念」な機種扱いなのかもですが、OCSをプレイしている限りではHe.111の(2)-12 1/2Tというのはおっそろしく便利です。例えばJu.87なら爆撃力17を持っていたり(初期の『The Blitzkrieg Legend』や『Smolensk:Barbarossa Derailed』では12)、Ju.88は爆撃力12、そして輸送機としてはJu.52は1Tの能力を持ちますが、He.111は爆撃が必要なら爆撃機として、輸送が必要なら輸送機として運用でき、その両方の能力がある一定の水準に達しているため、両使いできる融通の利くある程度の有能な航空ユニットとして非常に重宝します。

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DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! 見学だけ等も大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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