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B-17 フライングフォートレスが登場するアニメと、戦略爆撃は是か非か論争(付:OCS『Sicily II』)

 9ヵ月前に発表されていたPVの存在を、今日初めて知りました(^_^;





 キャラクター達が爆撃機の爆弾倉に吊り下げられているようで、その爆撃機が飛んでいるシーンがかっこいいですが、爆撃機の外見について詳しくない私は、ぱっと見では何という機種が分からず。しかし調べてみると、B-17で間違いなさそうでした。


 ↓OCS『Sicily II』のB-17

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 戦略爆撃機として有名なB-17ですが、ヨーロッパへの戦略爆撃がおこなわれていたまさにその時期を扱うOCS『Beyond the Rhine』には登場しません。というか、『Beyond the Rhine』には戦略爆撃機(Sのマークが付く)はまったく登場せず、戦術爆撃機(Tのマークが付く)だけが登場します。これは、『Beyond the Rhine』はドイツへの戦略爆撃を再現するものではなく、戦術爆撃までが再現の対象であるからということなのでしょう。


 そのヨーロッパへの戦略爆撃についてですが、戦後にものすごい論争があったそうです。

 最後に挙げた戦略爆撃機をめぐっては、軍事史という分野ではまれなことだが、学者のあいだで普通の論争の域を越えた反目が起こった。連合国がドイツに対して戦略爆撃キャンペーンを実施したのは正しかったか否か、その便益は費用を上回ったか否かをめぐって、当時軍事史の分野で現役だった最も強力な頭脳が敵味方に分かれ、多大の精力を費やして争ったのである。その激しさと学問的な厳密さは、たとえば同時期に17世紀イギリス経済史専門家のあいだで争われた「ジェントリー勃興・没落論争」に匹敵した。最初論争を始めた学者たちはやがて先祖代々の仇敵同士のようになり、それぞれの陣営に味方を引き入れたので戦場はいよいよ拡大した。ついには、素性の怪しい戦略理論家とか、たまたま戦前戦後の人口変化を調べていた人口学者とか、同じくGNP指標を比べていた軍事に何の関心もない経済学者にいたるまで、通りすがりのあらゆる人々が自分の立場を明らかにするよう迫られたのである。それも、広域爆撃の倫理性とか、生産隘路集中爆撃は実行可能か否か、といった専門的争点について。
 念のために付け加えると、派閥争いの様相を呈したことはたしかに醜態だったが、この論争が起こったこと自体は正当である。問われていた道徳性の問題はいうまでもなく重大だったし、論争の学問的水準もまたきわめて高く、またその参加者が、軍事史ではまれなことだが、他分野の歴史研究者(とりわけ経済史専門家)とのあいだで連絡をとりネットワークを構築して戦った点は注目に値する。
『戦場の素顔』P25



 『大いなる聖戦 下』でもこの論争自体について少し触れられており、戦略爆撃の意義についてはうんとまとめると「地上戦での勝利によって戦略爆撃が成果を挙げられるようになったのであり、逆ではなかった」ということで、「意義がなかったとは言えないが少なかった」という結論のようです(P51の辺り)。

 ですが、連合軍は戦略爆撃を行わない訳にはいかなかった、ということが書かれており、「ううーん、なるほど……」と思いました。

 これに加えて、1940年から43年にかけては、当初は英国が、そして次には米国も、爆撃以外にドイツ本土に戦いを進める手段を有していなかったことであり、英米合同で爆撃作戦を展開することをカサブランカ会議で正式決定したのも、酉側連合国がヨーロッパ北西部に駒を進めることができない当時においては、ソ連を何らかの形で支援するには爆撃によるしかないとの判断に立ったものだったということである。つまり、1944年秋以前に行われた爆撃作戦は、作戦自体で挙がる戦果よりは政治的意味合いの方がはるかに大きく、このことはとりわけ1940年から41年の時期にあてはまる。ドイツが向かうところ敵なしに見えた時期でもヒトラーが戦争に勝ったわけではないことを見せつけるという意味も多少はあったからである。そして、他に何もなくとも、連合軍による爆撃だけがナチスの占領下で圧政に呻吟するヨーロッパの人々にとっては希望の灯となっていたのであり、議論の余地はあるものの、この理由だけでも連合軍の空爆は正当化できるのである。
 ……戦中そして戦後も、戦略爆撃の有効性をめぐる問題は倫理上の問題と不即不離の関係にあり、連合軍が1945年にドレスデンを灰燼状態にしたような事例に照らすと、連合軍側がナチスに対して倫理面で優越した地位を占めているという主張にも違和感を覚えることは否定できない。……【しかし】当時の実情では、連合国が戦略爆撃の倫理的正当性を論じるどころではなかった。戦争の只中にあって、ドイツの戦力と工業生産力を削ぐことによってドイツを自分たちの意思に従わせるための唯一の手段を連合国が自ら放棄するような政治・軍事上の理由や説得力のある倫理上の論理など見当たらなかったのである。仮に自らの行動に制約をかけたとしたならば、それは連合国の戦争目的に悖(もと)り、前線で戦う連合軍将兵への背信行為ともなり、そして恐らく何よりも重要なこととして、ナチス占領下で苦しむヨーロッパ諸国民への裏切り行為となったであろう。英米両国は、ドイツの民間人よりも、連合軍将兵と占領下の諸国民に対してはるかに大きな責務を負っていたのである。……連合国は民間人に被害を与えることなくして爆撃することはできず、ヨーロッパ北西部への上陸作戦を敢行するまでの丸一年の間独軍に対する第二戦線とも言うべき爆撃作戦を控えることなどできない相談であった。
『大いなる聖戦 下』P52~54




 軍人同士ならばともかく、民間人への爆撃を伴っていたものをアニメ上で楽しむのは不謹慎かもしれませんが、歴史を知る一助になれば意義がないとは言えない……でしょうか。


 個人的には、ストライクウィッチーズが放映されていた頃には、出てきた兵器で既知であったのは赤城と零戦くらいしかなく(赤城が出てきたことには大変感動したものでしたが)、それ以外の銃器や輸送機等は出てきても全然知らないものばかりであったのですが、その後OCSやフィギュア等で知識が増えてきて、再度見返してみればかなり色々見所があるのかもしれないです(見返す時間がないですがぁ……)。

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DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! 見学だけ等も大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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