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OCS『Case Blue』と『On a Knife's Edge』で見る第6、第11装甲師団

 『On a Knife's Edge: The Ukraine, November 1942 - March 1943』を買いました (2018/10/26)で書いてました同書を読んでいってまして、冬の嵐作戦が始まるか始まらないかという辺りまで来ました。

 そこで、冬の嵐作戦で活躍した第6装甲師団と、チル川の戦いで活躍した第11装甲師団について割と詳しいことが書いてあって、興味深かったので、そこらへんのことを書いてみたいと思います。


 ↓『Case Blue』の両装甲師団(それぞれの戦いのシナリオ時の編成:第11装甲師団のユニットは他にLehrというオートバイ大隊ユニットも入っているのですが、チル川の戦いシナリオには登場しないようです)

unit00385.jpg

 冬の嵐作戦とチル川の戦いは元々、『Case Blue』の中にシナリオが入っていないのですが、http://ocsgames.org/ocsgames/Case_Blue.htmlからダウンロードできます(Stalingrad Relief Effort.pdfとChir Battles for Case Blue.pdf)。ただ、『Case Blue』のチル川の戦いシナリオはやってみたことがあるのですが、勝利条件設定がうまくないような……?(元々OCSは「長いキャンペーンをプレイするようにプレイせよ」というゲームなので、ミニシナリオの勝利条件は変になってしまうことがあるように思います。ので、ミニシナリオでは勝利条件を満たしさえすれば勝ちとか思わずに、やはり「長いキャンペーンの途中をプレイするようにプレイ」した方が良いのではないかと思っています)


 第6装甲師団については、コマンドマガジン最新号である143号に大木毅さんの「無限の48キロ 「冬の雷雨」作戦と第6装甲師団」という記事があり、第6装甲師団に焦点が当てられて詳説されています。その中でも同師団がコテリニコヴォ(冬の嵐作戦の発起点)に到着するや否やソ連軍の襲撃を受けてそれを撃退しなければならなかった……というくだりが、そこまでとは私は想っていなかったので、印象的でした。『On a Knife's Edge: The Ukraine, November 1942 - March 1943』にも、そこらへんに関するより詳しい記述がありましたが、個人的に面白かったのはそれより前の列車がドイツ国内を通過中の時期には、第6装甲師団の兵士達が大勢で雪合戦に熱中していたという話でした(^_^;(P108)

 さて、同書にあった第6装甲師団の状態についてなのですが、「良い状態にあった」とあって、装備についてもそうなのですが、個人的に興味を持ったのが、各大隊や連隊から打撃力が最大化されるように「機甲戦闘団」を編成しており、その他の部隊がその側面や後方を守備するようにされていたという話。

 それから、各人の関係性や自信も良好であったようで、ある装甲中隊長によれば……。

 早期の戦闘による損害は良好な指揮によって限定されたものであった……(それから我々は今)揺るぎない古くからの戦友達と、中核となる有能な下士官や将校達との間に強い結びつきができていた。多くの作戦を経験を共有してきた我々の雰囲気は良い状態だった……全員が自分達をロシア人達よりも遙かに強いと感じており、自分達の武器や自分達の馴染みの将校達を強く信頼していた。すべての兵士達、とりわけ装甲連隊の中では、戦闘における連携がうまく機能し、相互の信頼感が絶大であった。師団長である(エアハルト)ラウス少将は、師団のすべての連隊長や大隊長同様、この師団の生え抜きであり、師団の全員から大いに信頼されていた。
『On a Knife's Edge: The Ukraine, November 1942 - March 1943』P107,8






 次に第11装甲師団について。師団長はヘルマン・バルク少将で、バルクに関する前半生が語られます(この本、挿入的に指揮官の前半生(時に後半生も)が語られることが多いです)が、戦間期に参謀にならないかと2度提案されたのにそれを蹴ったのは本人は「前線にいたかったから」と言っているが、実は参謀業務で失敗するのが怖かったからではないのかとか、個人的にヒトラーと親しくなったとか、装甲部隊と自動車化部隊を連携して用いることの主唱者の一人であったとか、まあそういうのはいいとしまして。

 個人的により興味深いことがその後に書いてありました。

 バルクはその間の【42年冬までの】数か月を、第11装甲師団が第一級の部隊となるようにした。無慈悲な性格を見せて、彼は自分の要求したやり方に応じられない部下の指揮官達を首にした。その結果として、最も高い力量を持った部下の指揮官達によって構成される師団となったのである。……バルクは紙に書いて伝えるよりも音声でやりとりする方を重視する、独特の指揮伝達システムを構築した。……部下の指揮官達はその優先されるべき意図を充分に認識すること、そして要求されることを実行する能力が求められるのであり、そのためにコミュニケーションこそが最も重要なことであったと、彼は後年説明している。
 ……
 明らかに、このシステムは有能で信頼できる将校団を必要とし、バルクは【それに恵まれた】。……
 バルクの回想録は、多くの人からは不快に思われるであろう、バルクの絶大な自信の強さと自説を曲げない頑固さを明らかにしている。
『On a Knife's Edge: The Ukraine, November 1942 - March 1943』P104,5





 私は単純な事実や、装備に関する話よりも、こういうシステムやキャラクターに関する話が好きなので、そういう記述が多めにあると嬉しいです。今後、冬の嵐作戦やチル川の戦いについての記述も面白い話があるかどうか、楽しみにしてます。


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DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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