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OCSユニットで見るスピットファイア

 多分2012年に新刊で出た時に買って読んだ『アダプト思考 予測不能社会で成功に導くアプローチ』という本を読み返していた時に、その中でスピットファイアの開発について書かれているのに気付きました(当時はOCSもやってなくてスピットファイアに馴染みもなく、読み飛ばしていたのだと思います)。




 ↑今回探してみたら、古本しかなくて最安値が4900円だというのにびっくり。経営戦略本として「何が成功するかは事前には分からず、試行錯誤が大事だと考えるべきなのだ。だから、良さそうなものはとりあえずどんどんやってみて、ダメそうなやつはやめるというようなアプローチを取るべきだ」というような内容なのですが、グーグルなどの超優良IT企業なんかも採用して成功している戦略なので、希少本となったんでしょうか。この本の中の、イラクでラムズフェルド国務長官の一見正しそうにしか見えない戦略がまったく通用せず、現場の下級将校らの試行錯誤によって状況が改善されていくのは圧巻で、そこらへんのことは↓の本でマンガで読めますから、こちらも非常にオススメです。





 さてさて、スピットファイアについてですが、OCS上でメッサーシュミットBf.109やフォッケウルフFw.190とタメをはる(主に)5-1という強さで、連合軍を担当した時にはホントに頼りになります。

 『アダプト思考』で恐ろしく印象的だったスピットファイアに関する記述はここ。

「スピットファイアは完璧な航空機だった」と、あるパイロットは語る。カリフォルニアからイギリスに渡ってイギリスに入隊したパイロットも口をそろえる。「どうしてこんなに飛びやすくて扱いやすいのか、こんなに戦える戦闘機があるのかと驚いたことは、一度や二度ではなかった」。「スピットファイアのすばらしさは言葉では伝えられない。史上最高の航空機だった」。別のパイロットはこう賞賛した。
 スピットファイアを高く評価したのは、同機のパイロットだけではない。ドイツ空軍のトップ・エースパイロット、アドルフ・ガーランドは、ドイツ空軍総司令官のヘルマン・ゲーリングに、イギリスの頑強な抵抗を打ち破るためにはなにが必要かと訊かれて、「スピットファイア部隊を所望します」と即答した。別のドイツ空軍エースパイロットは不満をこぼした。「やつらは悪魔のように急旋回できる。撃ち落とせる可能性なんてありそうにない」
『アダプト思考』P121


 しかし、ハリケーン派についてこのような注釈が付いているのも個人的に非常に好印象でした。

 ハリケーン支持派はいまもスピットファイアばかりが賞賛されすぎていると不満をもっている。ハリケーンは低コストで製造しやすく、空戦性能が高いため、ブリテンの戦いの初期に投入された機数はスピットファイアよりも多かったのだが、絶賛されたのはスピットファイアの設計だった。
『アダプト思考』P123



 なぜ『アダプト思考』でスピットファイアが取り上げられているかというと、スピットファイアが「見込みがない」と思われていた試作機案であったのにある進取の精神に富む将軍が自分の権限で「非常に興味深い実験機」として発注し、その後大成功を収めたということからです。


 で、スピットファイアに興味を持ったので、第二次世界大戦ブックスの『スピットファイア』を購入して読んでみました。




 P33に「スピットファイア」には「がみがみ女、怒った猫、火吹きだるまなどの意味がある」と書かれていましたが、英辞郎で引いてみると「火を吐くもの、かんしゃく持ち、短気者、ガミガミ女」とありました。『第二次世界大戦の「軍用機」がよくわかる本』のP42によると、

Spitfireとは字義通りなら「火を吐くもの」を意味するが、転じて「鉄火女(気性の激しい女性)」を指し、紳士の国イギリスでは品のよい言葉ではない。



 スピットファイアに初めて乗ったパイロットたちの感想が印象的でした。

 はじめて“スピット”(かれらはすぐこの愛称をつかようになった)にのってみて、おおくのものは息もできないくらい興奮した。かつてテスト・パイロットのJ・サマーズは試作機にのって狂喜したが、こんどは空軍のパイロットたちが1型に感激する番だった。それは駄馬にのったあとに、競馬のサラブレッドにのるようなものであった。
 強力な発動機はたのもしく、しかも操縦装置は安定していて、敏感にはたらいた。巡航速度の水平飛行では、手ばなし飛行ができるくらいであった。そして、かりに発動機がとまっても、飛行場のちかくなら滑空でゆうゆうと着陸ができるくらい、機体全体のバランスがよくとれていたのである。
『スピットファイア』P44



 あと、P217にフランスのエースパイロットであるピエール・クロステルマン(『ストライクウィッチーズ』のペリーヌ・クロステルマンのモデル)が、「スピットファイアで飛んだパイロットが他の飛行機に乗り換えると、慣れるのが極めて難しいという印象を与えた」、つまりスピットファイアは非常に乗りやすかったという風に言っていたというのも。


<2019/08/13追記>

 映画『ダンケルク』の考証本である『ダンケルク(DUNKIRK The history behind the major motion picture)』に、スピットフィアの操縦性について非常に詳しく興味深い記述があるのを見つけたので、追記します。

 1938年に導入されたスピットファイアはロールス・ロイス・マーリン・エンジンを搭載した単座単葉戦闘機で、パイロットはその操縦性能の高さとスピードのゆえに、そしてイギリス国民はその特徴的なエンジン音、楕円を描く曲線、それが鼓舞してくれる自信のゆえに、この機を愛した。最初、グラディエイターに乗っていた第54飛行隊のアル・ディア少尉は、スピットファイアの基礎訓練をおこなったときのことをこう回想する。
「コクピットの点検方法を学び、パイロットの手引を読めば、それだけで納得できる。弱そうに見えるが、驚くほどタフな飛行機だった」
 確かにタフだったかもしれないが、同時に敏感でもあった。第19飛行隊の下士官パイロットだったジョージ・アンウィンは、スピットファイアの操縦性があまりに繊細なので、力を込めたり、 無理やり動かそうとしたりする必要はまったくないのだと気づいた。「ただ呼吸していればいい」と彼は言う。「旋回したければ、両手をゆっくりと動かす。それだけで曲がってくれる」第43飛行隊に所属し、その年のうちに飛行任務に出たアメリカ人パイロットのジェイムズ・グッドソンにとって、スピットファイアを操縦することは「きつきつのジーンズを穿くようなものだった」グッドソンはルールに違反してコクピット内でよく葉巻を吸っていたが、ライターを落としても、操縦桿をほんのわずかに傾けるだけで機がロールし、床から逆さまに落ちてきたライターをキャッチできた。
 ……
 スピットファイアが抱えていた問題は、どうやって緊急脱出すればいいかということだった。5月25日、第54飛行隊のジェイムズ・リータルト(学があったので“教授”と呼ばれていた)がグラヴリーヌならびにカレーの上空を飛んでいると、味方のジョニー・アレンが乗っていたスピットファイアが対空砲火の直撃を受けた。「クソ、エンジンがいかれちまった」リータルトは無線越しにアレンがそう言うのを聞いた。その直後、アレンの機は炎に包まれ、またしても彼の声が聞こえてきた。「やった! 下に駆逐艦がいるぞ。緊急脱出しよう。でも、どうやって?」アレンはなんとか機をロールさせ、逆さまになってコクピットから落下した。リータルトによれば、3日後、アレンはぼろぼろの海軍制服を着た姿で第54飛行隊の食堂に姿を現した。
『ダンケルク(DUNKIRK The history behind the major motion picture)』P381~3


<追記ここまで>


 スピットファイアは機体が小柄で翼も非常に薄かったのに丈夫で、胴体着陸しても安全であったらしく、しかしそれにも関わらずどんどん改良していける余地があって、OCSでもユニット化されている主な型としてI型、V型、IX型、XIV型があったようです。

 以下、OCSでスピットファイアが入っているゲームのユニットを挙げていってみます。数値は「空戦力-爆撃力」で、空戦力が括弧付きなのは防御だけはできるが自分から空戦を仕掛けることはできないもの。


 ↓『The Blitzkrieg Legend』のイギリス軍航空ユニット(全部)。

unit00220.jpg

 スピットファイアI型で、この頃は4-1という能力値になってます。左下の赤いユニットはオランダ空軍ユニット。




 ↓『DAK-II』のイギリス空軍ユニットの一部(戦闘機は全部)。

unit00221.jpg

 スピットファイアVb型となっていて、ここから5-1に。「b」が付くのはこのゲームだけです。



<2019/08/21追記>

 ↓『Case Blue』のソ連空軍のレンドリース機等。

unit9950.jpg

 ソ連に送られたスピットファイアユニットが1つだけありました!

<追記ここまで>



 ↓『Tunisia II』のイギリス空軍ユニット(一部)。

unit00222.jpg

 最初からチュニス方面に出てくるのはこれだけです。他に、モントゴメリーの第8軍のイギリス空軍もあり、ユニットの能力値は同じですがこちらのみヒップシュートができるという優秀さ。




 ↓『Tunisia II』のアメリカ空軍(一部)。

unit00223.jpg

 アメリカ空軍にもスピットファイアが供給されている(というか、そもそも様々な国籍の軍隊にスピットファイアは供給されていた)のですが、練度が低いためかこちらは4-1となっています。




 ↓『Sicily II』連合軍航空ユニット(一部)。

unit00224.jpg

 こちらも英米両軍にスピットファイアがいますが、両方とも5-1となっています。アメリカ軍の練度が上がった!?




 ↓『Beyond the Rhine』のイギリス空軍(一部)。

unit00225.jpg

 IX型が5-2で、XIV型が6-2に!

 アメリカ空軍にはスピットファイアはいなくなり、しかしP-47が5-8、P-51が6-4となっています。スピットファイアXIV型は最強マスタングと同じ強さなわけですね。

 ただしドイツ軍側には、7-2のMe.262がおり、Fw-190dの一部(全部ではない)が6-2となっています。





 ↓1/144のスピットファイアXIV型。

unit00226.jpg


 1/144のヨーロッパ戦線の戦闘機を新たに購入しました (2018/04/06)で書いてましたスピットファイアを組み立ててみました。

 本当ならV型が欲しかったところですが、このXIV型しか店に見当たらなかったので。V型がプロペラ羽根が3枚(良く見るやつですね)であるのに対し、XIV型は5枚で、イメージが異なるので違和感はあります(^_^; コクピットとプロペラとの間の部分も長くなっているようです。

 ただ、OCS的にはXIV型は6-2なわけで、スピットファイアの中で最強の型だと思えば、嬉しい感じはしますね~。



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DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! 見学だけ等も大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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