FC2ブログ

イタリア軍歩兵師団が「2単位」編成であること等の合理的な理由、その3

 これまで、

イタリア軍歩兵師団が「2単位」編成であること等の合理的な理由
イタリア軍歩兵師団が「2単位」編成であること等の合理的な理由、その2

 というのを書いていましたが、もう随分前に購入して読んだままになっていた大木毅さんの「ある不幸な軍隊の物語」(私は戦史エッセイ集『明断と誤断』で持っているのですが、一般に手に入る本としては『ドイツ軍事史』に入っていると思います)の中で、この件について触れられているのに気付きました。




 ただその理由は、ある意味では合理的ではあるものの、純軍事的には非合理的だと言えると思いますが……。

 さらに深刻だったのは、王国陸軍の構成が、第一次大戦後の人員削減の結果、「頭でっかち」、将校過剰の逆ピラミッド状態になっていたことだろう。将校は、一部は減員されたものの、なお余っていた。……とはいえ、将校たるもの、単に軍の幹部としてのみならず、社会のエリートとしての体面を保持すべしという王国陸軍の方針からすれば、彼らに、しかるべき役職を見つけてやらなければならない。
 1937年から38年にかけて……王国陸軍は……平時兵力を約40個師団から70個師団余に拡大している。それには……余剰将校のために指揮官ポストをつくってやるという意図も隠されていたのである。……王国陸軍は、第二次世界大戦において、その弊害を、いやというほど味わうことになる。イタリアの「師団」は、後方管理や運用の手間がかかるばかりで、相応の戦力を発揮することはできなかったのである。
『明断と誤断』P46,7



 この部分より前の部分には、「当時のイタリアが脱却できなかった階級社会」の弊害について書かれているのですが、階級社会なのであれば「ポストをつくる」というのもしょうがないですかね~。バキッ!!☆/(x_x)

 ただ、最近「年功序列が奪う日本の未来」というような記事や本を読んだり、読み返したりしているのですが、今の日本が当時のイタリアを笑える状況かどうかは、熟考しなければならないのかもしれません。当時のイタリア陸軍は、無能な貴族階級の上級将校が贅沢をする中で一般兵士らが勇敢に死んでいきましたが、昨今の日本は年功序列を昇ってきた管理職が仕事のない中で、その高給分を稼ぐために若い人達が使い捨てにされている社会である……と、例えば大分前に出版された『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』の中で書かれています。




関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

今までの訪問者数(2011/9/17以降)
プロフィール

DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! 見学だけ等も大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
オススメ本
バナーで応援コーナー
ぜひ見て頂きたいページへのリンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR