第2ニュージーランド師団の虐殺行為はマオリ兵によるもの?

 前回(東部戦線のナチス・ドイツ軍兵士の蛮行や残虐性について (2017/07/17))、東部戦線でのドイツ兵の残虐行為を取り上げた中で、北アフリカにおけるオーストラリア兵、ニュージーランド兵による残虐行為も取り上げていましたが、その後『ドキュメント ロンメル戦記』を読んでいて、第2ニュージーランド師団兵による虐殺行為の話が載っているのを見つけました。


 まずは前回上げた、オーストラリア兵、ニュージーランド兵のもの。

 残念ながら、北アフリカ戦役でも非道な行為が行われている。
 最も残虐であり、しかし歴史の片隅に追いやられている事件は、1940年から41年にかけの、デルナ~ベンガジ突出部の略奪であろう。連合軍が前進し、その後、退却した際に、大規模な略奪が行われたことに、疑問を挟む余地はない。そこで行われたことといえば、ベンガジのイタリア人女性の虐殺(前進してきたドイツ軍が、その証拠を撮影している)、略奪行為(ニュージーランド兵による蛮行がすさまじかったという)、破壊、レイプ、そして殺人。
 前進してきたドイツ軍とイタリア軍は、非道な行いに対し、オーストラリア兵を告発した。略奪行為の一部は、イギリス軍上級司令部が奨励したものもあったという。現在、オーストラリアの公式の見解としては、確かに当時、虐殺は行われたが、それはニュージーランド兵によるものだ、ということになっている。しかし、一部のオーストラリア兵も略奪に関与したという考えは、否定できないであろう。
 もっとも、彼らは退却してきたイタリア軍とアラブ人がデルナとベンガジをさんざん略奪した後で、追い打ちをかけたのではあるが。
 オーストラリア政府はこれまで、1940年と41年にベンガジの市民を処刑したことを示す、文書による証拠の存在を明らかにはしていない。だが、現地のアラブ人がレイプされ、略奪され、殺され、同じようにイタリア人入植者が殺害されたことは間違いないのである。連合軍による略奪行為のうち、オーストラリア兵がどの程度関与していたのか、真相を知ることはできない。
 イタリア軍は、ANZAC(オーストラリア、ニュージーランド軍)の兵士は、投降したり負傷している枢軸軍兵士を処刑している、と主張してきた。第9ベルサグリエーリ連隊に所属していたセルジオ・タミオッツォは、1941年4月30日のトブルク要塞の外郭陣地に対する夜襲の際、オーストラリア軍が反撃に転じた後に捕虜・負傷者を虐殺する光景を目撃している。またメルサ・マトルーでは、ニュージーランド兵が投降を申し出たドイツ兵と負傷者を、銃剣で刺殺した例が報告されている。
『コマンドマガジン日本版Vol.15』P62,63




 『ドキュメント ロンメル戦記』にあったのは以下のようなものです。

 【1942年9月?】われわれは捕虜200名を得たが、その中に第6ニュージーランド旅団長クリフトン准将もいた。
 翌朝、私はクリフトンと会って話した。……
 私は、ニュージーランド部隊が犯した多くの国際法違反行為について彼を詰問した。この師団のために捕虜となったわが軍の将兵、および負傷者がたくさん虐殺されていたからである。それに対し彼は、それはおそらくこの師団にマオリ族の兵がたくさんいるからであろうと答えた。
『ドキュメント ロンメル戦記』P305,6





 ↓OCS『DAK-II』のニュージーランド部隊。

unit00098.jpg

 2NZと4NZのユニットが2つずつあるのは途中で置き換えられるのだと思いますが、4NZの片方がAR1であるのはなにゆえ……? 「RR」とあるのは鉄道工兵部隊で、北アフリカ戦域で唯一の鉄道工兵です。

 第28大隊が通称「マオリ大隊」と呼ばれるマオリ族の部隊で、AR5となっています。


 ↓Wikipedia英語版「Māori Battalion」から、北アフリカで「戦いの前の踊り(ハカ)」を踊るマオリ大隊の兵士たち。

E 003261 E Maoris in North Africa July 1941


 『ドキュメント ロンメル戦記』のクリフトン准将の発言を読んだ時には私は、「白人による有色人種差別ではないのか~」と思ってしまったりしましたが、まあ実際どうだったのかは資料をこれだけしか見つけてない状態では私には全然分からないわけで。ニュージーランドで発行されている本とか資料だったら載っているのでしょうか……。

 Wikipedia日本版「マオリ」には、「2006年8月9日、ニュージーランドの科学者が、マオリは戦闘的な遺伝子を有しており、暴力的で犯罪を犯しやすい傾向にあると発表した。マオリは直ちに抗議するなど、波紋が広がっている[8]。」ということが書かれていましたが、検索してみるとマオリの人々が暴力的な遺伝子を持っているとするのは誤りというページもありました。


 このエントリは残虐行為を糾弾するものではなく、もちろん称揚するものでもなく、ただどんな事実があったかに興味を持っているものですが、遺伝とかの話であればこういう本もあり、個人的にはかなりお勧めです。



 「戦い(ミリタリー)」というものに興味を持ってしまうのも、そういう要因であるとも思います……(尤も、女性にもミリタリー好きな人はおり、男性でミリタリーが嫌いな人もおり、あくまで平均値、最頻値において男性がそちらに寄っているということで)。

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