OCS『DAK-II』の「移動娼館」ユニットと、占領された後のシチリア島の慰安所

 前エントリに関する資料を探していて、「1943年に占領された後のシチリア島で、独伊軍の慰安所を米軍がそのまま運用していた」という話が出てきて、興味を持ちました。

 まだ「砂漠のキツネ」は、それなりには第三帝国の政策を批判している箇所があって、他の戦線にはあったが、アフリカ軍団になかったものとして「保安隊、捕虜の銃殺、政治教育、そして慰安婦である。」(394頁)と書かれている。このうち、慰安婦に関して、14頁にベンガジでイギリス軍の捕虜になった「トラック一台分の若い女」が出てくる。彼女達はイタリア軍の「将校専用」なのだそうだ。ドイツ軍の慰安所はアフリカ軍団にはなかったかもしれないが、「慰安婦と戦場の性」161頁に1943年にシチリア島を占領した米英軍が独伊軍が運用していた慰安所を自分達が利用した事が紹介されているから、ドイツ兵もイタリア軍の慰安所を使っていたのだろう。当方は、この「砂漠のキツネ」の記述を読んでいたから、慰安所が日本軍独特の「性奴隷」云々という言い方が不思議で仕方がなかった。フランス外人部隊に類似の施設があったのは、それなりには知られているはずだし。
「苦労人」の写真を見て、ゾッとした。




 まず『砂漠のキツネ』のトラック一台……の方から取りあげておきますと、私の持っている本ではP10にこうありました。

 「……イタさんの補給はたいていすごい。ぜいたくな恰好で出陣するんだな。ベンガジでトラック一台分の若い女を分捕ったよ。《将校専用》だった」



 OCS『DAK-II』には、イタリア軍の「移動娼館」ユニットが入っています。

unit00078.jpg

 ユニット規模が珍しいことに小隊です(何REなのかが気になります。まさかの1RE?)。あと、ステップロスに充当できるんでしょうか……(おい)。

 『DAK-II』のルールにはこうあります。

6.2s 移動娼館(史実) この第10アルマタ移動娼館(24名の女性達)はベダ・フォムで捕獲された「部隊」でした。このユニットは単に、この戦役当初のイタリア軍将校達が満喫していた贅沢を表すためのものです。お好きなルールを作って用いて下さい。:-)



 『イタリア軍入門』には以下のようにあります。

 さらに前線では、軍が衛生面で管理した兵/将校用の慰問所も存在した。北アフリカではいくつかの移動慰問所が稼働しており、1941年にはシディ・バラーニに本部が置かれ多くのイタリア女性や現地女性が雇われていた。その後戦局の変化により移動式の慰問所は廃止されたが、トリポリやベンガジには残されたのだった。
『イタリア軍入門』P261,2





 シチリア島の方の話ですが、『慰安婦と戦場の性』というのは↓ですね。全然知りませんでした……。




 検索してみると、他にもこの本を基にして書かれたらしいページがあって、内容についてもうちょい知ることができました。

 例えば、ドイツ軍はソ連に侵攻した時にソ連では公娼が禁止されていたため、慰安所を設置しました。またイタリアシシリー島にはドイツ・イタリア軍供用の慰安所がありました。

 アメリカ軍はどうかというと、表向きは慰安所を作らないということになっていましたが、1943年にアメリカ軍がシシリー島を占領した時に、先ほどのドイツ・イタリア軍供用の慰安所をアメリカ軍がシステムと人員ぐるみでこれを引き継ぎ、軍医とMPが管理しました。
南朝鮮では慰安婦について本当のことを言うと名誉毀損になるのか!! その2




 最初の引用で、「フランス外人部隊に類似の施設があった」というのは、私が知っている例としては以下のものがあります。1941年のフランス外人部隊である多分第13外人准旅団がアフリカ東岸のマッサワを占領した後の話として、当時それに付いていっていた女性であるスーザン・トラヴァースの話です。

 いっしょにいた男たちの中には、度を超してうるさくつきまとってくる者はいなかった。ありがたいことにそのころにはモンクラール【外人部隊の指揮官】が外人部隊用の娼館を作っていた。戦時移動娼館(ボルデル・モビル・ド・カンパーニュ)、略してBMCと呼ばれ、現地の少女たちや、兵士たちのお金目当てに進んで居残った二人の白人女性が働いていた。イギリス人たちはBMCが作られたことに烈火のごとく怒り、存在を是とせず、やめさせようと手を尽くした。が、モンクラールはまるで頓着せず、これがなかったら、兵士たちは禁止されている地元の娼館へ押し寄せることになり、そうなれば暴力沙汰にもなりかねないと言い張った。
 とはいえ、当然ながら兵士たちは禁止されている地元の娼館にも出かけた。……
『外人部隊の女』P86



 出典は↓です。






 ノルマンディー以後?における米軍兵士の性に関しては、こういう本も出ています(原書とその日本語版)。



 ただ、原書や日本語版の書評を流し読みしていると、著者は「米兵によってひどいことが行われた」という「前提・思い込み」で書いている面があって、実際には行われていないようなことまで「あった」と主張しているんじゃないかという批判が、レビュアーからあるようです。

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