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シチリア島のイタリア軍沿岸防衛師団について(付:OCS『Sicily II』)

 シチリア戦のイタリア軍について。

 今回は沿岸防衛師団についてです。師団でない、独立部隊もあります。



CIMG3944.jpg

 ↑『Sicily II』の沿岸防衛ユニット。帯が付けられているのは師団で、兵科マークの右側の数字が師団名です。兵科マークが青色で波のマークになっていないものは沿岸防衛部隊のカテゴリではないものです。

 沿岸防衛師団は、全て海岸線に沿って配置された。2線級の部隊であり、いずれの師団も定員を大幅に割り、士気は驚くほど低かった。また、敵の上陸に備えて適当な防御拠点を準備している部隊は、数えるほどしかいなかった。
 ……
 シチリア沿岸防衛隊は、この悪天候の中、敵が上陸する筈はないとタカをくくっており、空挺部隊や上陸部隊が深刻な状況に追い込まれることはなかった。
コマンドマガジン別冊 第7号『シチリア撤退作戦』P4~5


 1943年までに総計で25個の沿岸防衛師団が編成され、そのうち5個師団と2個旅団がシチリア島に配置された。
 この沿岸防衛師団は、シチリア島における最も弱体なイタリア軍部隊であった。これらの部隊はわずかな正規兵を含めただけでほとんど地元からの兵で構成されており、訓練は乏しく、装備は貧弱で、機動性もなかった。武器のほとんどは、フランス、ユーゴスラビア、ギリシアからの戦利品であった。海岸線に沿って薄く広げて配置された状態で、平均で1kmにつき26troops【中隊? 人?】、対戦車砲は8kmに一門しか配備されていなかった。彼らの主要な役割はコマンド部隊の上陸に対処することであって、本格的な上陸作戦に対してではなかったのだ。
『Sicily 1943』P18


 沿岸防衛師団は二線級の師団であり、労役や第二線の任務のために集められた40代や50代の男達で多くが編成されていた。地元で徴兵された彼は多くの場合、退役から再呼集された将校によって指揮されていた。彼らの装備もまた二流のものであり、ムッソリーニは解体されたヴィシー・フランス軍から大量の武器装備が得られるものと期待していたが、それらの多くはわざと破壊されていたり、弾薬がないまま到着していたりした。
Wikipedia:206th Coastal Division (Italy)



 40代、50代というと、我々日本のウォーゲーマーくらいですよね~。前線の兵士としては全く役に立たない体力しかないと思います。

 何かの資料で、「地元民の方が地元のためにより戦うであろうから」ということで徴兵されていたのだけども……というのを読んだ気がするのですが、むしろ地元民だと土地勘があるとか故郷が近いからという理由で逃げ出す率が高くなりますよね。実際、『Sicily and the Surrender of Italy』を読んでいるとどんどん降伏してましたし。

 『Sicily II』では3分の1の確率でしか戦わず、枢軸軍プレイヤーにとっては泣ける話ですが、しかしもし自分がこれらの部隊に配属された身だとすれば「戦うなんてやってられるかー!」という話で泣けますよね……(T_T)



<以下、別エントリにしていたものをこちらに統合しました>

 イタリア軍の総兵力はおよそ20万。しかし、そのうち3分の2を占める沿岸防衛師団は、戦力としてはほとんんどあてにならなかった。この師団は2~3個の歩兵連隊と砲兵大隊で編成されていたが、その砲は沿岸防御用の固定砲台で移動できない。歩兵連隊も重装備や補給を輸送する車両をまったく持っていないので、機動力は皆無。
 おまけにその兵員の大多数を占めるシチリア人徴集兵はドイツ人嫌いなうえ、敗北の決まった戦争で故郷が破壊されることを望んでいなかった。イタリア軍は、シチリア人なら自分の家を必死で守るだろうと彼らを配備したのだが、これはまったくの裏目に出た。
『歴史群像 54号(2002年8月号)』P39



 ドイツ人嫌いだったのですね……。それは士気が高いわけなし……(シチリア人に限らず、イタリア人の中にドイツ好きな人がそれほどいたわけではない印象はありましたけども)。

 また、抵抗すれば故郷がそれだけ破壊されるのだからというのもなるほどでした。

 それにまた、同ページには、

 イタリア軍はすでに戦争は負けだと諦め、その士気は最低である。

とも……。


 『Sicily and the Surrender of Italy』にはこうありました(23%の辺り)。

 沿岸防衛部隊は特に、装備が時代遅れで不充分であり、事実上輸送手段を持たず、多くの場合統制もまずく、シチリア人の占める割合が75%に達する部隊もあったが、シチリア島住民全体の低い士気の影響を受けていた。



 シチリア島住民自体が非常に厭戦的であったと……。

<統合ここまで>

<2021/08/23追記>


 S&T誌146号のシチリア戦の記事をDeepL翻訳で読みまして、沿岸防衛師団について書いてありましたので引用してみます。

 30個の師団のうち、21個の師団が「沿岸防衛」に指定され、すべて高年齢層の現地の新兵で編成されていた。狭いイタリアでは兵力自体が減少しており、若くて強い兵士が配置されている部隊は少なかった。例えば、シチリア島では、1918年に退役した将校が指揮する大隊が2つあった! 将校の選抜は社会的地位に基づいて行われ、その役職において何をすべきかを全く理解していない人物が権力者として配置されることが多かった。それが、徴集された兵士達への扱いをひどいものにし、彼らの戦意をさらに低下させる要因となった。
『S&T 146号』P15


 これはひどい……(T_T)

<追記ここまで>

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 ボードウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、第二次世界大戦やナポレオン時代関係情報を集積したりしてます。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイしたり、VASSALでOCSをオンラインプレイしたりですが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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