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『独ソ戦全史』から、騎兵について

 ちょっと前に、グランツ氏の(共著ですが)『独ソ戦全史』をAmazonで購入して、読み始めております。




 古本にプレミアが付いてて定価よりも1000円くらい高くなっているので、存在自体は知りつつも購入を躊躇していたのですが(誤訳の件は気にしてませんでした)、グランツ氏の『ドン川からドニエプル川へ』がいい感じだなと思ったので、まあいいんじゃないかとぽちっと。

 で、読み始めてみたのですけども、これはいいですねぇ。ソ連側からの視点で、非常に分かりやすく、分析的な記述が多くて好みです。まだモスクワ戦の辺りまでしか進んでないのですが、これは4000円くらいの価値はある本だと思いました。


 その中で、以前から興味を持っていた、騎兵に関する記述があったのでそこを。以前の騎兵に関するエントリは、第二次世界大戦中の騎兵部隊について (2016/07/12) です。


 この【1941年7月15日の】回状では、騎兵の大規模な拡張も指示しており、各3447騎から成る軽騎兵師団30個の新設を定めていた。これを受けて、年末までに騎兵師団の総数は82個に達するようになったが、高い損耗率のため、12月末にはこれらの師団は騎兵軍団へと吸収された。
 ブジョンヌイのような内戦時代の指揮官は、戦場での馬の脆弱性を無視して、この時期においてもまだ騎兵によって軍の機動性を取り戻そうとしていた。ドイツ側は騎兵隊をどうしようもない時代錯誤だとして軽蔑する傾向にあった。だが、すべての輸送手段が欠乏している状態では、他に方法がないことをソ連側の指揮官は知っていた。1941年から42年にかけての冬、すべての機械化部隊が寒気と雪のために動かなくなった時、騎兵師団(それに新設のスキー旅団と大隊)は、長距離のゲリラ的戦闘に有効であることを立証した。
『独ソ戦全史』P153


 だがその前日【1941年11月16日】、第44モンゴル騎兵師団が第106歩兵師団に対して、クリンの南西で開けた雪原を横切って反撃を仕掛けた時はソ連側が危なかった。2000騎が砲と機銃によってなぎ倒されたが、ドイツ側に損害はなかった。騎兵は特に冬の戦場で敵を捉えるには有効だが、正攻法での運用をするとあまりに傷つきやすいことが明らかになった。
『独ソ戦全史』P186



 これらの記述からすると、敵が(厳冬であってもまだ)砲や機銃が撃てるのならば、それに突っ込むと騎兵は脆い、と。厳冬がものすごくて、砲も銃も撃てないようなら、騎兵でサーベル突撃とかしたら強い……?(そこまで寒くなるということはないのでしょうか)

 しかし、砲や銃は撃てるとしても、戦車や機械化部隊が動けないほどであったならば、補給路を切りに行くとかの「ゲリラ的活動」には騎兵部隊はもってこいである……ただし敵部隊がやってきて銃とか撃たれたらすぐ死ぬから、その前に逃げる……というような感じでしょうか。


 あと、騎兵とは関係ないですが、OCS的に「おー」と思った部分。

 【1941年11月末?】今やほとんどの狙撃軍は後方に2から3個の師団を配し、場合によってはさらに騎兵の予備も加えていた。……この結果……奥行き50キロにも達する縦深防御線を構築できるようになった。これは10月当時の防衛戦の3倍の深さである。
『独ソ戦全史』P189


 50キロというと、OCSの通常スケールだと1ヘクス約8kmなので、6ヘクス分くらいの縦深ということになりましょうか。やはり縦深のない戦線は全然ダメだということなのですね……。

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 ボードウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、第二次世界大戦やナポレオン時代関係情報を集積したりしてます。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイしたり、VASSALでOCSをオンラインプレイしたりですが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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