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シチリア戦のイタリア軍歩兵師団

 シチリア戦の参加部隊について資料を読んでいると色々面白いので、ちょこちょこっと書いていこうと思います。

 まずイタリア軍についてで、イタリア軍にも戦車部隊など色々ありますが、最初に歩兵師団について。

 シチリア戦に参加したイタリア軍歩兵師団はアオスタ(Aosta)、アシエッタ(Assietta)、リヴォルノ(Livorno)、ナポリ(Napoli)の4つでした。

 『Sicily II』のユニットだと↓こんな感じです。

CIMG3862.jpg

 上段が戦闘モードでのもの。下段は同一ユニットの移動モードです。戦闘力と移動力の間にある小さい数値はアクションレーティングという、そのユニットの質を表す数値で、0~5で大きい数値の方が優秀。また兵科マークの左横にある③というのはステップ数です。リヴォルノ歩兵師団はある程度自動車化されていたので、移動モードだと快速ですが、しかし『Sicily II』における他の完全に自動車化されているユニットは皆14移動力なので、若干低速です。他の歩兵師団の移動モードの移動力が4というのも、優秀な歩兵部隊だと移動力が5だったりするので、ちょっと遅め。

 アシエッタ歩兵師団のアクションレーティング(AR)1は低いですが、他の3師団のAR3はまあ、普通です。


 これらの師団の各資料による評価は……。

 野戦師団はわずかに4個、第4(リヴォルノ)、第26(アシエッタ)、第28(アオスタ)、第54(ナポリ)師団である。このうち、アオスタ師団とナポリ師団は練度が低く装備も不足がちだったが、アシエッタ師団は装備不足は仕方ないとしても、練度も士気も高かった。シチリアのイタリア軍の中で最強だったのはリヴォルノ師団で、練度は高く、部隊の3分の2が自動車化されており、装備の充足率はほぼ要求通りだった。
コマンドマガジン別冊 第7号『シチリア撤退作戦』P4


 4つのイタリア軍機動師団は、シチリア島におけるイタリア軍戦闘部隊のうち最高のものであったが、あまり良いものではなかった。アオスタ師団とナポリ師団の大部分はシチリア島出身者であり、訓練は不充分だった。アシエッタ師団はいくらか良い状態だった。だがこの3師団はすべて、編制的にも削減されており、その砲兵や他の装備のほとんどは旧式のものだった。リヴォルノ師団のみが完全戦力であり、自身の段列を保有していた。これら4つの師団はすべて、砲兵の弾薬が非常に不足しているか底をついているかしており、連絡手段についても乏しいか、不適切なものであった。
『Sicily and the Surrender of Italy』位置No.2355の辺り


 OCS『Sicily II』だとアシエッタ師団が突出してARが低いのですが、この2つの資料ではむしろアオスタとナポリよりも良かったとしていますね……。

 『Sicily and the Surrender of Italy』で他に個人的に興味深かった話として、「リヴォルノ師団は北アフリカ戦線に送られる可能性があったのだが、ドイツ側からの離脱を考えていたアンブロージオ将軍によってそれがキャンセルされた」(位置No.1322の辺り)というのもありました。


 ……シチリア島には、4つの通常の歩兵師団がいた。そのうち、リヴォルノ師団は他の3師団よりもかなり編制規模が大きく、装備も充実していて、他の師団が約11,000名であったのに対して約14,000名、車両12両に対して600両、機関銃136丁に対して234丁を有していた。この師団はマルタ島侵攻作戦に使用するために編成されたものだった。同師団は戦闘経験もなく、充分な訓練も受けていなかったが、シチリア島における最良のイタリア軍部隊だと広く認められていた。同師団は反撃の第一波として使用されるべく、軍予備とされていた。
『Sicily 1943』P19




 『コマンドマガジン第68号』には付録ゲーム『シチリア侵攻作戦』のユニットガイドがあって、非常に詳しいです(P15)。

Aosta師団……シチリアにおける4個通常師団のうち、最悪の師団でした。戦闘力は弱体で装備は劣悪、シチリア人徴集兵を多数含み、実戦経験は皆無でした。……

Assietta師団……この師団も装備が劣悪で、実戦経験はありませんでした。

Livorno師団……同師団は実戦経験こそありませんでしたが、良く訓練され装備も良好であると考えられていました。しかし、実際の戦いぶりは、期待を完全に裏切るものでした。

Napoli師団……装備劣悪で戦闘経験のない、もう1つの師団。この師団は事実上、イギリス軍第8軍全体と対峙し、期待に違わず完全に崩壊しました。


 書きぶりがだいぶひどいです(^_^; 同誌のヒストリカルノート?には、こういう記述も。

 これに従った伊機動戦隊Eやリヴォルノ師団第33歩兵連隊は、10日朝から昼にかけて米軍ジェラ海岸に各個投入される形となり無為に壊滅した。(P20)

 独軍も【8月】8日から正式にカラブリアへの撤収命令を受けて、後方部隊から順次撤収を開始した。一旦撤収が始まったと知るや浮き足立つのが人の常であり(ましてやイタリア軍では……)、10日までに伊リヴォルノ師団が消滅し、その他の伊軍部隊も急速に瓦解を始め、枢軸軍の防御力は大幅に減退した。(P23)


 この資料では、アオスタ師団が最悪で、リヴォルノ師団とてもダメだった、という感じですね。

 色々と評価が食い違っているのは、それぞれの資料が何らかの(有名な)資料のコピーではなく、それぞれ独自に調べられたものであるということを示しているのでしょうか……?

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Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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