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オマー・ブラッドレー将軍について

 アメリカ軍のブラッドレー将軍について、またちょっと調べてみました。

 これまでにブラッドレー将軍についてネタにしていたのは↓こちら。

OCS『Sicily II』の臨時軍団司令部って? (2016/10/27)
モントゴメリーに進撃路を譲らされたブラッドレーは激怒したのか? (2016/10/28)



 とりあえずまずブラッドレー将軍って、とても将軍とは思えない、貧相な学者という感じな外見がなかなかユニークですよね。

 ↓左側がブラッドレーです(英語版Wikipediaから)

Cherbourg 1944 s191143




 今回参照したのは以下の4冊です。






 まず『世界戦車戦史』なんですが、古本屋で見つけて買ったままになってたんですが「そういえばシチリア戦のことって載っているのかな」と思って見てみたら、載ってました。

 第7軍の主力をなすアメリカ第2軍団はオマー・ブラッドレー中将が指揮した。彼は昔からパットンの親友だった。「ジョージ、ひとつ忠告したいんだが……」と、とかく暴走しがちになるパットン中将にブレーキをかけるのを忘れなかった。
『世界戦車戦史』P202

 この話、非常に面白いのですが、シチリア戦における今は否定的に見られているらしい?「戦車と駆逐艦が撃ち合った」という話を数ページにわたって記述しているとかも含め、信用できるのでしょうか……?



 『D‐DAY史上最大の作戦の記録』にはコラム的にブラッドレー将軍が紹介されている箇所があり、また肖像写真のキャプションにも説明がありました。その中からキャラクター的な記述を。

 ブラッドレーは思いやりのある将軍だったが、作戦計画や兵站には非常に厳しい人物でもあった。(P110)
 ブラッドレーは、慎重だが思いやりもある指揮官で、話し方は穏やかだが、熟慮を重ねたうえで決定を下すタイプだった。そのため「GIの将軍」の名で親しまれていた。(P111)




 『WHO WAS WHO in World War II』には以下のように書かれていました。

 1943年5月7日、彼は直ちに麾下の部隊でビゼルタを急襲して40,000名の捕虜を獲得し、その果断さを見せつけた。……ブラッドレーは堅実な作戦を行う静かで穏やかな人物であり、上官達からも部下達からも大きな信頼を寄せられていた。
『WHO WAS WHO in World War II』P45,6





 『US Commanders of World War II (1): Army and USAAF』にはブラッドレーに関する辛口で、色々と興味深い記述がありました。ブラッドレーは1915年にウェストポイントを卒業したものの第1次世界大戦には従軍しておらず、その後軍事科学の教官をやっていたりで、第二次世界大戦以前に部隊を率いた経験が全くなかったとのこと。この記事によれば、その経験のなさと生来の用心深さがブラッドレーのいくつかの果断とは言えない決断の原因となったのだろう、だそうです。

 Infantry schoolなるものに通ったり、教官をやったりしているうちに第2次世界大戦が勃発。1942年にはブラッドレーは少将に昇進して、アメリカ軍を急いで拡大させていく必要の中で、第82師団(空挺師団になる前)と第28師団の指揮官(といっても訓練中の?)となりました。この両方の師団がその後傑出した部隊となったことは、ブラッドレーの教師と組織者としての質の高さを示しているとか。

 チュニジア戦やシチリア戦で指揮をとり、アイゼンハワーはブラッドレーの指揮ぶりを評価してノルマンディーにおけるアメリカ全軍の指揮を任せました。彼は一時期130万人のアメリカ軍を指揮し、この多さはアメリカ史上最大だそうです。ブラッドレーは兵士達を大切にしたので、人気があったとか。

 記事の最後の総評的なところではまず、「ブラッドレーの軍事戦略家としての点数付けは難しい」と書かれます。指揮官としては彼は冷静、無口で慎重、正統的な戦い方をする一方、アメリカ軍の福利、能力、評価の為に非常に熱心に取り組んだ。しかしいくつかの論争を引き起こすような決断もしている。ファレーズポケットを閉じなかったこと。広正面作戦を支持したこと。アルデンヌの戦いに関してのモントゴメリーとの口論や連合軍反撃の処置など。そしてこの記事執筆者は、「アメリカ軍の歴史上、最も有能な指揮官達のうちの一人」というこれまでに標準となっているブラッドレーに対する見方には賛成できない、としています。


 これらを読んだ後、『Sicily II』の「メッシーナへの前進」シナリオで連合軍をプレイしていたんですが、私はなかなか果断にはなれず、慎重にやるブラッドレーの気持ちはよく分かるなぁと思いました。

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 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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