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OCS「長いキャンペーンを戦っている途中であるようにプレイせよ」


 先日ミドルアース大阪に来られていた岡山のTOROさんに「OCSやるって言ってましたよね? やりましょうよ~」とお声かけしていたのですが、その後TOROさんがブログ(とは違うのかな)でOCS関係の引用つぶやき?を連続でされてました。

 1つ目がこれ↓

何を基準として過激なのか、振れ幅がでかすぎるのかと問えば、それは恐らくこれまでにその人が遊んできたWWII作戦級ゲームであろうし、果たしてその比較に意味があるのかとも思う。



 ですが、引用元のリンク先が張ってあって、そのリンク先はここ↓

Wargaming Esoterica


 その中に、以下のような部分がありました。

本作とOCS第一作「Guderian's Blitzkrieg」は、コマンドマガジン33号の東部戦線ゲーム特集で酷評されている(「ルールが過激すぎ、ゲームを破綻させてしまっている」)が、恐らくレビュアーの方は、OCSのダイナミックさに戸惑い、違和感を覚えられたのではないかと思う。自宅会でもOCSを初めて遊んだ時は「面白いが振れ幅がでかすぎる」と評された。ただ、何を基準として過激なのか、振れ幅がでかすぎるのかと問えば、それは恐らくこれまでにその人が遊んできたWWII作戦級ゲームであろうし、果たしてその比較に意味があるのかとも思う。様々な先入観や固定概念を外して見ると、OCSの良さも味わえると思うのだが、それがなかなか難しいと仰る方の心情も理解はできる。



 GameJournal旧41号で酷評されているのは知っていたのですが、コマンドマガジン33号でも酷評されていたのですね(^_^; 私も出戻り組なもので、その辺の時期の本は基本的に持っておらず、全然知りませんでした……。

 「振れ幅がでかすぎる」と言われる要因には「奇襲チェックで最大6コラムシフト」という件が言われることが多いですが、それはまた別の機会においといて、取り上げたいのは「OCSがものすごく選択肢の幅が広いシステムである」ことです。

 私自身、色んなゲームを大量にする方ではないので、OCS程度に選択肢が多いゲームはもしかしたら他にいくらでもあるのかもしれないですが……とりあえずある程度以上はプレイしたと言える、『激マン』システムであるとか、『BARBAROSSA:Army Group Center』(East Front Series)であるとか、『JUNE-AUGUST'44』であるとかと私自身が比べた感じでは、OCSは「おっそろしく選択肢の幅が広い」と思いました。

 戦闘モードと移動モード、予備モード、イニシアティブ、補給ポイントなどのルールが重なってそうなっているのだと思いますが、そこでどんなことになるのかというと、ある単一の局面で、

「ものすごく無理をして、ギャンブルに成功すれば、こんなすごいこともできる!」(戦線を越えて30ヘクス先まで行けるとか)
「でもそこまでは無理だろうから、ある程度成功率が見込めるここらへんまでにしておこうか……」(10ヘクス先くらい)
「いやいや、でも自軍の補給線とか考えたら、もうちょっと下げてここらへんまでとか……」(3ヘクス先くらい)
「あ、でも敵に逆襲されることを考えたら、もっと抑制的にして守備隊とかも……」(1ヘクス先くらい)
「よく考えると敵がむっちゃ逆襲してきたら、恐ろしいことになるぞ? 守備隊とかももっと置くべきか……」(0ヘクス)
「逆襲の可能性を考えると、これって下がった方がよくね?」(2ヘクスくらい下がる)
「ガクガクブルブル。これは退却だ! 下がらないと自軍がやばい!」(5ヘクスくらい下がる)
「最大限敵が逆襲してきたケースを考えると、こんなにも下がらないとダメだぁ!」(20ヘクスくらい下がる)

 というくらいの幅で思考が存在し得るのです(マジで)

 ただ、「ものすごく無理をする」ような選択肢は非常に成功率も低く、投入した部隊はまず帰ってこないです。また、補給を大量に消費して、その後の防御さえできなくなります。


 で、ここまで論を引っ張ってきて、次のTOROさんの引用つぶやき?なんですが、

OCSのデザイン思想は、ゲーム的ツボ/秘孔のたぐいを嫌っている。


 TOROさんの引用元はここ↓

指輪世界のOCSのメモ


 このページは私は以前から知ってはいたんですが、今回見ていて、今まで見逃していた文に気づきました。ページの下の方に、『Case Blue』のテストプレイヤーへの指示として、以下の文言が挙げられています。

Case Blue
HomerCon2004の画像
 テストプレイヤーへの指示。

Case Blue "Rules"
1) Play for the Long haul - avoid "1-turn Solution" and
                    "Playing like There is no tommorow"



 「長いキャンペーンを戦っている途中であるようにプレイせよ。“1ターンしか通用しない解決法”や、“明日なんて存在しない、というようなプレイ”はしないように」という感じでしょうか。

 この文言こそ、今までの問題を解決するものであるような気がしました。

 ウォーゲーマーは「もう時間がなくてこのゲームもこのターンが最後だから、“後は野となれ山となれ”で、ど派手に攻撃するぜ!」ということがあり(ないですか?)、私が所属していた國學院大學のウォーゲーム研究会(KGMC)ではこれを「最後だアタック」と呼び習わしていました。

 これが、ZOCがきつくて、戦闘/移動/予備モードとかも存在しないようなフツーのウォーゲームでやった場合、それでもまあ大したことにはならないのですが、OCSの場合、様々なルール要因により、おっそろしいほど破滅的な効果を持ち得ます。ただしその後攻勢をかけた部隊は帰ってこられず、突っ込んでいっていたユニット群は死滅します。また、補給がすっからかんになり、その後の自軍戦線の維持すらできなくなります(だから最後だアタックではあるのですが)。

 ゲーム的にプレイした場合、そして特に(古い)シナリオでプレイした場合、第1ターンにいきなり敵戦線後方の司令部/補給集積所/エクステンダーを踏みに行くことが、確かに合理的に感じられるかもしれません(守備隊が置かれてなかったりするので)。またそこまではしないとしても、途中の局面で色々と恐ろしいこともできる可能性があって「ルールが過激すぎ、ゲームを破綻させてしまっている」と感じるかもしれません。

 でもキャンペーンゲームで、非常に長期的にゲームを捉えてそれが破綻しないように考えた場合には、お互いに後方に守備隊も置くし、予備部隊も置くでしょう。そうするとギャンブルの成功率も下がります(じゃあ守備隊を置きまくれば良いのかと言えば、その分前線戦力が減るので(以下略))。しかしそれでも人間のやることですから、史実であったように、マーケットガーデン作戦をやってみたり、ラインの守り作戦をやってみたりはするでしょう。朝鮮戦争の金日成のように、「仁川(インチョン)に国連軍が上陸するかもしれないという情報は来ていたが、もう一押しで釜山を取れるのだからそっちに集中させるのだ! …………あんぎゃー!」というようなことにもなるでしょう。

 普通の(OCS以外の)ウォーゲームは、割と破綻しない程度の枠内に作ってある、という気はします。しかし、OCSは容易に破綻します。というのはOCSは無理をすれば何でもできるわけですが、史実でも現実に無理をしまくれば、あるいは敵の逆襲に気を遣ってなければ、実際に自軍は破綻するからです。だからOCSのプレイの際には、他のウォーゲームではしないような、自軍戦線後方にせっせと守備隊を置いたり、確実に予備部隊を保持したり、補給に気を遣ったりということをします。

 この「自軍戦線後方にせっせと守備隊を置いたり、確実に予備部隊を保持したり、補給に気を遣ったり」ということは、普通のウォーゲームではしないことですが、戦記物を読めば、指揮官はまさにそういうことをしまくって、しかる後に前線に気を向けている。だとすると、OCSは普通のウォーゲームよりも大いに現実をシミュレートしている? そして現実の戦場で、破綻するに決まっているような行動を取る人は破綻するに決まっている(トートロジー:恒真命題)わけで、「ゲームが破綻しているわけではない。指揮官の行動が破綻しているからゲームが破綻するのだ」と言ってしまえばよい?

 だから結局、「破綻させるもさせないも人次第」? なのでしょうか? と最後に疑問に持っていく(^_^; (このエントリはあくまで一考察であって、断言しているわけではないということで)

 個人的には、そういうゲームで「破綻しないようにバランスを取る」あるいは「破綻しない程度にギャンブル的な攻勢を考える」のが面白いのかもしれません。

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プロフィール

DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! 見学だけ等も大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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