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OCS『Crimea』のシナリオ3「鉄十字勲章」について

 ミドルアース大阪で、古角さんとOCS『Crimea』のシナリオ3「鉄十字勲章」をプレイしてみることができました。

 クリミア戦の後半に入り、1943年9月から1944年1月にかけて(全36ターン)、ソ連軍の攻勢に対して枢軸軍はクバン橋頭堡から撤退するも、クリミア半島は保持しようとします。







 結論から書きますと、このシナリオもまた素晴らしく面白そうな出来になってました。

 しかも、OCS『The Third Winter』などの「オストフロントセット」*をプレイする上で重要になってくる、ソ連軍の正面軍司令部の「攻勢態勢」「再編態勢」を非常に分かりやすく、楽に習得できる「練習シナリオ」にもなっていると思いました。そういう意味で、『The Third Winter』などへのステップアップのためにも非常に有用でしょう。

*「オストフロントセット」:アントニー・バーケット氏デザインによる、OCSの中でも1943年9月~1944年4月にかけての東部戦線を再現するゲームセット。ウクライナ戦区を扱う『The Third Winter』(2021年)、クリミア戦区を扱う『Crimea』(2023年)、中央軍集団戦区を扱う『The Forgotten Battles』(2024年プレオーダー開始)、北方軍集団戦区を扱う『The Hero City』(デベロップ中)の4作で、一部、または全部を連結してプレイ可能となります(『Crimea』以外の3作はフルマップ4枚の作品です)。


unit9786.jpg









 このシナリオ3「鉄十字勲章」で最も重要なのは、ソ連軍の「上陸拠点(Beachhead)マーカー」の再使用サイクルだと思われます。

unit8411.jpg


 シナリオ開始時に「Ready」(使用可能)となっており、第1ターンにソ連軍プレイヤーは枢軸軍前線の後方に上陸作戦を行い、そのヘクスに置いてその機能「1SP分の港湾として使用できる(補給源になれる)」「10ヘクス以内の正面軍司令部の下(あるいは周囲)にあるSPを2倍のコストで上陸拠点から受給できる」を使用すべきなのでしょう。


 恐らく↓の画像の左端に上陸拠点マーカーを置いてあるあたりとか(史実ではそことかと、タマン半島の北側にも上陸作戦を行っていたようです)。

unit8409.jpg




 で、上陸拠点マーカーはソ連軍プレイヤーの任意で取り除けるので、数ターンで取り除き、再使用のための準備期間9ターンのサイクルに乗せます。このシナリオは全36ターンなので、例えば、

 第1ターンから2ターン使用、9ターン準備期間
 第12ターンから2ターン使用、9ターン準備期間
 第23ターンから2ターン使用、9ターン準備期間
 第34ターンから2ターン使用

 と、4回、枢軸軍前線の後方に上陸作戦を行える可能性が理論上ありますが、まあ毎回「2ターン使用」はさすがに短すぎるので、上陸作戦は3回が現実的でしょうか


 また、↑で2回目の上陸作戦が可能になる第11~14ターンあたりにダイス目チェックで、ウクライナに第4ウクライナ正面軍が「攻勢態勢」で到着します。その最初のターンの到着場所と戦力は↓で、2ターン目にも同じ程度が来ます(ただし2ターン目はSPはなし)。

unit8408.jpg



 そして第4ウクライナ正面軍は、到着の2ターン後(3ターン目)に戦車部隊が退出し、さらに「再編態勢」にさせられて攻勢するにはものすごく不向きな状態(攻撃時のアクションレーティング-2とか)になって、SPは基本的に来ません。

 ↑この第4ウクライナ正面軍が攻勢ができる2ターンとほとんど同時に、ケルチ半島方面で上陸作戦を行うことが重要だろうと思われます(古角さん説。私は最初、上陸作戦は4ターン目や5ターン目まで待った方がいいのではないかという説を出したのですが、最終的に古角さん説に敗北しました(^_^;)。



 第4ウクライナ正面軍ですが、ソ連軍プレイヤーが補充のダイス目で11か12を出すと活性化されて1ターンだけ「攻勢態勢」になり、SPとユニットが補充されるので、上記の2ターンが終わった後も枢軸軍プレイヤーは気を抜くわけにはいきません

 そしてソ連軍プレイヤーはその後も、1回程度は後方に上陸作戦を行えますから、ぜひとも最後の上陸作戦の機会まではプレイを継続したいでしょう(^^)


 また、ソ連軍の正面軍は「攻勢態勢」と「再編態勢」(攻勢には向かないが、防御時にはアクションレーティング+1とか、防御用の戦闘補給がノーコストとか、防御がむっちゃ楽)を数ターンおきに繰り返すことになるのですが、「再編態勢」の時にはできることが少ないのでプレイ感覚はかなり楽になるでしょう(再編態勢かどうかは枢軸軍プレイヤーにも明らかにされるので、枢軸軍プレイヤーもひと息つけます)。シナリオ開始時からいるのは「沿岸正面軍(Coast Front)」だけで、あとは前述の第4ウクライナ正面軍が途中から入ってくるだけです。



 枢軸軍プレイヤーは、セットアップ時点ではそのクバン橋頭堡の前線に陣地や川があり、その線を保持したくなりましたが、史実を見ると数ターンでクバン橋頭堡(タマン半島)を放棄してケルチ半島側へ引っ込んだようなので、できるだけ整然と、すぐに撤退すべきなのだと思われました。

 勝利条件的には、枢軸軍はフェオドシヤ(ケルチ半島の根元南岸)を保持できていればよく、ケルチ半島全部を取られても勝利できますから、ケルチ半島全域も無理に守る必要はありません。

 一方、ソ連軍はシナリオ終了時に「セヴァストポリから10ヘクス以内に、一般補給下のソ連軍攻撃可能ユニットが1ユニットでも存在」すれば勝利できます。ですから、クリミア半島内への入り口(ウクライナ方面と繋がる2箇所、ケルチ半島の根元)をなんとかこじ開けて、その状態を維持したいところです。枢軸軍はそれをなんとかして阻止せねばならないわけです。




 このシナリオは恐らく、OCS『Crimea』の中で使用、習熟しなければならないルールが最も多く、期間も最長なのですが、もしかしたら最も面白そうな出来なのではないかと思いました。『Crimea』はそれぞれのシナリオが非常によく出来ていて面白そうで、入門用シナリオも複数あるなど、単純に「OCSでクリミア戦域の全体を再現してみました」というものを遙かに超えた傑作ゲームになっているのではないかと思い始めています(^^)



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Author:DSSSM(松浦豊)
 ボードウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、第二次世界大戦やナポレオン時代関係情報を集積したりしてます。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイしたり、VASSALでOCSをオンラインプレイしたりですが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! VASSALでのオンラインインストも大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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