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OCS『Crimea』のミニシナリオ1「立ち退き通告」(トラッペンヤークト作戦)についてと、明確化

 OCS『Crimea』のミニシナリオ1「立ち退き通告」(トラッペンヤークト作戦)を、富山のKさんとプレイしました。古角さんとプレイしたのと合わせて2回目です(その間に一度ソロプレイもしました)。








 このミニシナリオは1942年6月に行われたマンシュタインのセヴァストポリ港攻略作戦(ミニシナリオ2:「シュトルファング(チョウザメ捕獲)作戦」)の直前の5月に、ケルチ半島にいたソ連軍を追い出したトラッペンヤークト(野雁狩り)作戦(を包含?)を扱っています。

 トラッペンヤークト(野雁狩り)作戦は、パルパチ地峡での攻撃のコードネームでした。これはマンシュタインらしい、大胆な作戦でした。彼は、自軍の2倍以上の19個師団と数個戦車旅団からなるソ連軍を攻撃するために、実戦経験のない第22装甲師団と5個歩兵師団、それに数個ルーマニア軍師団しか持っていなかったのです。マンシュタインは1942年5月8日の攻撃開始において、最も警戒の薄い場所を攻撃することによって作戦上の奇襲性を確保するという、1940年のフランス戦のアプローチを再び用い、敵の強力な戦線を突破したのです。

 結果は、第2次世界大戦で最も一方的な勝利の一つとなりました。ソ連軍はドイツ空軍に攻撃され、ドイツ軍の快速部隊が後方に侵入し、司令部が混乱に陥って崩壊してしまいました。ケルチ半島全域は2週間で掃討され、ソ連軍25万の部隊の70%が死亡または捕虜となりました。元々トラッペンヤークト作戦の見通しは確実ではなかったのですが、すべてのカードがドイツ軍に有利に働いたのでした。
OCS『Crimea』ヒストリカルコメンタリーPage23



 このミニシナリオはかなりプレイしやすいと思いました。OCS初心者の方にもオススメでしょう。

 シナリオ特別ルールで、第1ターン先攻ドイツ軍の移動フェイズ中(のみ)は燃料があらかじめ全部入れられている、というのが非常に重要です。あと、南岸で1回だけ戦闘のダイス目を+2できますが、これはあんまり効果が大きい気はしませんでした(^_^;

 古角さんと私は「このルートがドイツ軍の進撃路だろう」と思われるものを考えましたが、富山のKさんはそことは違うルートを通って大勝利されてました。ドイツ軍側も色々選択肢や、考えるべきところがあると思います。とりあえず重要なのは、ヒップシュートしてオーバーランする、という流れです。

 ソ連軍側はドイツ軍側よりも一層チャレンジングですが、色々とあがく案が思いつくので、個人的には非常に面白いと思っています。


 『Crimea』の特別ルールはまあまあ量がありますけど、このミニシナリオ1をプレイする上で必要な特別ルールの量はそれほど多くありません。プレイしやすくするために、以下に挙げておきます。

1.ドイツ軍の航空ユニットはすべて、ヒップシュート可能です。
2.ソ連軍の航空ユニットはすべて、ヒップシュートできません。
3.ミニシナリオではランダムイベント表は使用しません。
4.ドイツ軍がケルチ港(あるいはケルチに隣接する2つの港湾)を占領しても、そこはドイツ軍の補給源にはなりません(1.1d項により)。
5.乾燥湖(Dry Lake)は基本的には中障害(Very Close)ですが、砲爆撃の対象となる時はオープン扱いです。



 それから、細かく考えていくといくつか疑問点があったので念のためにfacebook上で質問してみました。その件と合わせて、さらにルール解釈について書いておきます(OCS初心者の方は、↓のあたりは考えずにプレイしてOKだとも思います)。

unit8463.jpg


5.ケルチ港に隣接する2つのヘクスにも、元々の港湾能力が2Tと1Tの小さい港湾があります。特別ルール1.1d項の書き方は「元々1SP以上の港湾」でなければ補給源にはならないかのような文とも受け取れるのですが、確認したところ、元々1SP未満の港湾でも1.1d項に従って、1T港湾は2RE、2T港湾は4REだけを一般補給できます(厳密には、打ち消された敵ZOCにある場合にはそれがさらに半分になる?)。
 ですから、「ドイツ軍がケルチを占領した」だけでは、ソ連軍は一発KOにはなりません。あと、ケルチとその右上の港湾ヘクスの間には進入禁止ヘクスサイドがありますが、OCSでは補給路における最後の+1ヘクス、それにZOCはどんな地形でも通すので、その進入禁止ヘクスサイドも通ります。
 それから、ソ連軍プレイヤーのSPは自由配置で、タマン半島側にも置けます。普通の人はケルチ半島側に置いた方がいいと思いますが、OCSの超玄人であればタマン半島側にSPを置いても、それを「1.4a ケルチ海峡を渡る常設フェリー」や、海上輸送力1SP分や、タマン半島の鉄道輸送力1SP分で運んだりして、何か良からぬことを考えるという選択肢はあると思います(むちゃくちゃ有効というわけではないと思いますが(^_^;)。

6.F35.09とF36.08の間のヘクスサイドは通行可能です(非常に重要だと思います)。(facebook上で確認しました)

7.シナリオ特別ルールを読んでいると、私はノヴォロシースクボックスは使用不可だと思っていたのですが、facebook上で確認したところ(ソ連軍プレイヤーにとって)使用可能なのだそうです(シナリオ特別ルールに「マップ外ボックスの航空基地は使用できません」とありますが、この文言をとりあえず無視して下さいと言われました)。ソ連軍のSPは極度に少ないので、ノヴォロシースクボックスでノーコストで航空ユニットを整備するという選択肢は重要だろうと思います(そうした方がいいかどうかはともかく)。

8.ソ連軍ユニットのかなりの数が第1ターンで包囲されてしまう可能性もあるので、脱出(Breakout:OCS 12.8e)のルールを活用するという選択肢はあるかもしれません。念のためfacebook上で質問してみましたが、ミニシナリオ1(と2)でも脱出はできるということでした。脱出を活用する場合、ソ連軍プレイヤーは司令部ユニットを港湾に退避させた方がいいでしょうね(3.1bにより、一般補給下の司令部にいきなり帰ってくるので)。

9.シナリオ特別ルールには「追加のSP……はありません」と書かれています。OCSで「追加のSP」と書かれている場合は普通、マップ外ボックスからSPを空輸するとか、無限のSPがある場所から海上輸送するとかってのを指すと私は思っていました。だとすると、「補給表」による毎ターンの補給は得られるのか……? と思ったのですが、補給表を見てみると、そもそもミニシナリオ1(と2)の時期は補給表の時期表示に入ってないので、やっぱり補給表による補給は得られないと思います。ミニシナリオ1はドイツ軍は7SP、ソ連軍は4SPをセットアップ時に持っていて、それ以上びた一文もSPを得られないので、かなり大変です。LOWやExhstd上等ということになるでしょう。



 ソ連軍側は、まずは自由配置の4SPをどこに置くかが非常に重要で、様々な選択肢があると思います。恐らく大事なのは、「ドイツ軍にSPを踏まれないこと」と「SPを何に使わないかを厳選すること」でしょう。防御戦闘に2Tをほいほい入れていくことすら、オススメしません(いわんや、砲兵砲爆撃においておや)。セットアップ時に予備モードにするユニットの選定も重要です。





<2024/01/15追記>

 それから、恐らく非常に重要なテクニックとして、第1ターンの先攻枢軸軍プレイヤーターンのリアクションフェイズ中に、ソ連軍側が司令部方式(OCS 12.5cのC)で1SPを消費して、支給範囲内のすべての独立ユニットに給油してしまうという方法があると思います。

OCSでのリアクションフェイズ中の給油(移動できない、させないユニットにも給油できるか?)について (2021/09/13)

 ↑に書いてましたように、予備マーカーを乗せているかどうかにまったく関係なく、司令部ユニットは給油できます(この時、その司令部ユニット上に給油済みマーカーを置きます)し、各独立ユニットは給油されます(もちろんこの時、予備マーカーが乗っていなかった独立ユニットは移動はできませんが、予備マーカーが乗せられていたユニットは給油されて移動できるわけです)。そして、この司令部の給油済みマーカーは後攻ソ連軍プレイヤーターンのクリーンアップフェイズまで有効となります。

 ただし、この司令部の給油済みマーカーによって続く後攻ソ連軍プレイヤーターンの移動フェイズ、および突破(拡張)フェイズに再び給油されるためには、それらの各独立ユニットがその司令部の支給範囲内にいなければなりません(12.5eに従い、その判定は各独立ユニットが移動を開始する時に判定されます。フェイズ開始時に一斉にチェックされるのではありません)。ですから、例えば一部のソ連軍ユニットが枢軸軍ユニットによって包囲されており、ソ連軍側の給油済みマーカーの乗った司令部から支給ができない場所にいた場合、包囲下のユニットは給油状態にはなれません、が、そのフェイズ中に包囲を解除できれば、支給できるようになる可能性はあります。

 この方法によって、うまく行けばソ連軍側は、戦車ユニット、オートバイユニット、砲兵ユニット(移動モードが自動車化)、司令部ユニットのほとんど(あるいはすべて)を、第1ターン後攻ソ連軍プレイヤーターン中に移動させられる可能性があります。

 枢軸軍プレイヤーはこれを防ぐためには、単にケルチ周辺の港湾を押さえるだけでなく、ある程度のソ連軍部隊に対して第1ターン先攻枢軸軍プレイヤーターン中に包囲環を作っておく必要がある、ということになるかもしれません。

<追記ここまで>

<2024/02/12追記>

 あと、枢軸軍は最初の移動フェイズ中に、がら空きのケルチを占領してしまうという作戦があり得ると思います。その場合、ケルチの航空基地にSPを空輸できるので、ケルチを占領したユニットがLow/Exhstdにならないよう、空輸した方がいいだろうと思います。Exhstdになると防御力が半分になりますから(ただし、すぐにやられてしまった場合SPが無駄になるとか、SPを取られてしまうというデメリットはあるでしょう)。

<追記ここまで>



 OCSには色々な小さいシナリオがありますが、このシナリオは両軍がかなりチャレンジングで面白い、ある意味で教育的な、能力を試される好シナリオなのではないかと思いました。

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Author:DSSSM(松浦豊)
 ボードウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、第二次世界大戦やナポレオン時代関係情報を集積したりしてます。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイしたり、VASSALでOCSをオンラインプレイしたりですが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! VASSALでのオンラインインストも大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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