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OCS『South Burma』(仮)製作のために:ラングーン陥落後の日本軍の作戦計画

 承前、ラングーン陥落後の日本軍の作戦計画についてですが、『ビルマ進攻作戦』(P96~103)上の記述が結構長いので、要点のみ記します。


 まずは基本的に、援蒋ルートのうちの「インドルート」というものが大きく関わっていたようです。


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 日本陸軍は「すぐに終わる」と考えて日中戦争(支那事変)を始めましたが、英米ソが蒋介石を援助し始めたこともあってズブズブの泥沼にはまっていきます(プーチンが「すぐ終わる」と考えてウクライナ戦争(特別軍事作戦)を始めたものの、欧米の援助で終わらなくなったのと同じです(>_<))。

 この軍事援助のルート(援蒋ルート)は複数ありましたが、次々に遮断、あるいは機能しなくなり、残っていたのは「ビルマ公路」だけになっていました。

 「ビルマ公路」は、ラングーン港に陸揚げした物資を鉄道でラシオ(Lashio)まで運び、あとは道路で中国国内に運ぶというものでした。が、これもラングーン陥落によって使えなくなります。そこで唯一残されたのが「インドルート」で、インド国内のインパールからビルマ中部のマンダレー、ラシオを経由し、中国国内に運ぶというものでした。が、ラングーン港と鉄道を使用するルートよりはかなり輸送量は少なくなっていただろうと思います。

(なお、その後このルートも使えなくなった連合国は、一時期ヒマラヤ山脈を空路越える「ハンプ越え」ルートを使用しましたが損耗が甚大で、1942年からビルマ北部を通るレド公路を作り始め、1944年後半に完成しました。……尤も個人的には、「他にもルートがあり得るのでは」と思ってOCS『Burma II』のマップを見てみたら、インドウ(Indaw)を経由するルートは一応あるのではないかと思いました。しかしそれ故、1942年の日本軍はインドウ辺りまでは一応行っておかねばならなかったのだろうと思います。まあ、すでにメインの戦いは終わった後の掃討戦でですけども)


 で、↑の事情を勘案すると、ラングーン陥落後の連合軍にとってはマンダレー(赤い□で囲みました)を保持することが「超重要」だということになります。地理的にも一番南ですし、ビルマ中部における最大の町でしたし。そのため、日本軍側は「連合軍はマンダレー周辺を保持しようとし、そこで大会戦が起こるだろう」と推測しました。

 そしてこの推測の未来の「マンダレー付近会戦」を「マン会戦」と呼んだそうです。『ビルマ進攻作戦』P99には「マン付近(マンダレーを中心とする中部ビルマ地方を広く包括する)」というような記述もありますが、「マン」という呼び方がそもそもあったというよりは、この頃に「そういう風に短縮して呼ぼう」としたということなんでしょうか……??




 まあそれはともかく、マン会戦までの作戦計画としては、おおまかに↓のようでした。

1.主攻撃は、英中両軍のうち中国軍の方に指向し、これに対しては戦機を構成捕捉して決戦を強要し、特に徹底的な打撃を与え、その再起企図を完封する。

2.マン会戦に先立ち、エナンジョン(Yenangyaung:油田があった)・マグエ(Magwe)付近【こちらは英印軍】の戦闘を一兵団で行わせ、務めてこれを殲滅して、爾後の会戦参加に支障がないようにする。

3.マン会戦の発起点は、エナンジョン、メイクテーラ(Meiktila)、タウンギー(Taunggyi)の線と見込む。

4.マン会戦に当たっては、重点を右翼に保持し、まず、すみやかに広くかつ深く連合軍の諸退路特に自動車道を遮断し、大包囲圏の完成を図るとともに,連合軍を分断し、その後随所にこれを撃滅掃討し、地形の利とあいまって完全に連合軍を殲滅する。
 遠大迅速な機動、要点の急襲占領確保、見敵必滅の意気の3つをもって、本作戦完成の要件とする。


5.半自動車化されている第56師団は、上陸後ラングーン~トングー道を経てタウンギーに向かい、務めて企図を秘匿して前進し、4月上旬までに同地付近に進出してタウンギー飛行場群を確保し、その北方または東北方に向かう爾後の作戦を準備する。




 ゲーム上でも、地形から見て第56師団が敵後方に回り込めるかどうかが重要な気がしますが、史実を知っているプレイヤーはそうはさせじとその道路上をより大きい兵力で守ろうとするかもしれません。

 あるいはまた、キャンペーンゲームや自由配置シナリオの場合には(現状アクションレーティングが最強にされている)第33師団をマンダレー方面に向けたりというようなこともあるかもですが、それはそれでバランスの問題として、英印軍をある程度以上撃滅できないとダメなようにすべきなのでしょうね……。


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 ボードウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、第二次世界大戦やナポレオン時代関係情報を集積したりしてます。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイしたり、VASSALでOCSをオンラインプレイしたりですが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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