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OCS『South Burma』(仮)製作のために:最初のシナリオの設定案と、モールメン攻略戦の分析

 OCS『South Burma』(仮)の最初のシナリオの設定案を考えました。



unit8573.jpg


 今まで『Burma II』の地形の色に合わせていたんですが、『Burma II』では平地/ジャングル/荒地の間の色が似ていて非常に分かりにくいので、最近のOCSゲームの色合いに近いように塗り直してみました。

 東端のエントリーヘクスAの辺りから日本軍は進軍を開始し、第55師団は第5ターンにモールメンを占領。第7ターンにはその対岸のマルタバンを占拠し、また並進していた第33師団がサルウィン川の上流パアンから対岸のクゼイクに渡りました。ビルマ独立義勇軍のモールメン兵団もこのターン中にサルウィン川をその北方で渡っているようです。


 私は元々は、最初のシナリオ的なものは「第5ターン終了時にモールメン占領」だけを目指すものかと漠然と考えていたんですが、↓に書いてましたように勝利条件が複数あった方が絶対に良いと確かに思われるので、第7ターン終了時に「マルタバン、クゼイク(等の複数のサルウィン川西岸)を占領していること」にした方が良さそうだと思いました(あるいは、それらの複数ヘクスに勝利得点を設定し、その中にモールメンも含め、またモールメンの得点を高くしておくべきかも)。

OCSのシナリオの勝利条件改造 or 設定のために:勝利条件が複数あるとよい? (2023/03/21)


 シナリオ名は「サルウィン川渡河」でしょうか。




 また、モールメン攻略やその後に関して、先日コピーを取ってきた資料等にやや詳しい分析的記述があるのを発見しました。

 一月三十日夜から三十一日までのモールメンに対する師団の攻撃は、速やかに占領したという点では成功であったが、聯合国軍、ビルマ第二旅団(約三千名)を補足殲滅し得なかった点では失敗といえる。敵は市街東方の丘陵に陣地を占領する一方、撤退のための船を準備していた。また制空権はどちらにもなく、必要に応じ双方ともに、地上攻撃が可能であった。敵を殲滅し得なかった原因は先ず第一に敵の逃げ足が早かったことであるが、わが方の攻撃が統一されていなかったというか、一部隊が独断で敵陣地に突入したためといえる。問題は山砲部隊が敵の後退前か、その直後にモールメン東方丘陵に進出し、逃げる敵船を撃沈し得なかったことである。つまり三十日夜、師団司令部に出頭した私は、明三十一日払晩攻撃、山砲聯隊は前記丘陵東方の飛行場周辺に展開し、歩兵の攻撃を支援せよとの命令を受けた。ところが三十日夜、徳島聯隊【第143連隊】の第三中隊(土井茂俊中尉)は敵戦線に潜入して寡兵をもってサルウイン河に進出し、拠点をつくり同時にガソリンを含む敵補給物資に火をつけた。同時に丸亀隊の一部が丘陵上のパコダを白兵突撃で占領してしまった。敵はかくして逃げ始めた。山砲の両大隊【山砲第55連隊の第2大隊と第3大隊か。山砲第55連隊の第1大隊は南海支隊に配属されていました】は展開し夜明けに飛行場東端の聯隊観測所をみると、飛行場を丘陵に向かう歩兵主力がよく見えたが、あっと思う間に援護射撃の必要もなく丘陵に到達した。「しまった」と思い、同時に隊長は私に「単騎右丘陵に先行せよ」と命じられた。伝騎のみを連れて最大速度丘陵に達し崖を駆け上ると、山上に松田中隊が展開し、逃げる敵船とマルタバンを砲撃して一隻は漂流し出したが、その他の敵船は最大射程外にまもなく去り、マルタバン北方に列車のあげる煙りが見えた。松田中隊長の判断はさすがであった。戦闘後の聯隊長の反省は深刻だったが、私は結局敵の逃げ足の早さを予想せず、師団の行動を統一出来なかった師団司令部の責任だと思う。その後、隊長がいつも歩兵の大隊、時としては中隊の線まで聯隊本部を進出したのはこの時の教訓の結果と思う。
『火砲と共に:山砲第五十五聯隊戦史』P99



 あるいはこのような記述もありました。

 しかし、モールメンは南部ビルマの要衝であり、かつ、サルウィン河は南部ビルマ防衛のため、戦略上重要な価値を持っている点からみて、英軍はモールメンを固守するとともに、サルウィン河を利用して頑強に抵抗するであろうと考えられた。
『ビルマ攻略作戦』P90

 騎兵隊【第55捜索連隊】は行軍縦隊で前進中、1月30日夜【モールメン近郊の】標高183高地北方地区で、尖兵中隊が不意に衝突し、直ちに攻撃に移ったが当面の敵は案外軽く退却した。
 そこで川島大佐は、全般の状況は全く不明であったが、今が戦機と判断し、騎兵隊の全力を率いて一気に本道上をモールメン市街に突入し、払暁までに市街の一角を占領した。
『ビルマ攻略作戦』P93,4




 一方で、英連邦軍側からの見方では、このような記述が。

 【1月30日】午後になると、スミス【第17インド歩兵師団長】はモールメンの状況が深刻になってきたという結論に達し、ラングーンのハッ トン【ビルマ軍司令官】にその状況を報告した。彼は、マルタバンにいる第16旅団から2個大隊を引き抜いて守備隊を増援するか、【モールメンを守備していた】第2ビルマ旅団を撤退させるかのどちらかの選択肢しかないと考えます、と伝えた。11時に、増援を行うのは得策ではなく、成功する見込みもないと考えた彼は、必要と思われる時点で守備隊を町【モールメン】から撤退させることを提唱した。ハットンもこれに同意し、時期についてはスミスに判断を委ねたが、撤退後はマルタバンを含むサルウィン川沿いの線を維持しなければならないと述べた。
『The War Against Japan Vol.2』P32



 OCSゲーム的に考えると、↓こういう感じにできるかも?

1.早めのターン(例えば第5ターン)で、モールメンに急いで撤退してきた移動モード面の英連邦軍部隊がいる場合
 日本軍は補充能力が高め(『Burma II』のルールでも)ですし、日本軍側は損害上等で寡兵で攻撃をかけるとします。すると現状私はインド兵部隊ユニットの移動モードは自動車化タイプにしてあり、サルウィン川は大河川で自動車化では撤退できないので、もし退却の結果が出たらユニットごと失われることになります(ビルマ兵部隊ユニットは移動モードでも徒歩にしてます)。

2.遅めのターン(例えば第6ターン)で、モールメンのインド兵部隊ユニットが戦闘モード(徒歩タイプ)になっている場合
 日本軍は全力でもってモールメン攻撃をかけられるかもしれませんが、英連邦軍側もモールメンをより大きい兵力で守れますし、撤退においても大河川を渡れます。ただし、日本軍がモールメンの南北の2ヘクスに戦闘モードのユニット(つまりZOCあり)を置いてある場合、すべての退却ヘクスにZOCが及んでいるので、守備隊がもしDGでなければDGになり、もし戦闘前にDGであったならば1ステップロスします。


unit8582.jpg



 これはジレンマがあっていいかもです。




 あと、一つの悩みとして、史実で第55師団はモールメン攻略後、約1週間(OCSの2ターン)ほどモールメンで休養していたということがありました。BCSの場合は疲労が重視されるシステムなので休養の必要性も再現しやすいかと思うのですが、OCSは疲労は関係ないのでどうしたものかな~、と。OCSは補給が重要なシステムなので、補給状況を悪目に調整するという案は一応持っていましたが……。

 そこらへん、まさにそうすれば良いかのような記述を見つけました。

 東南アジアにおける他の戦場での物資の使いすぎと、海上ルートがまだ十分には確実でなかったので、迅速な補給ができなかったために生じた小休止の後、これらの師団はラングーンに向かい猛進を続けた。
『ビルマの夜明け』P163


 そうすると例えば、ゲーム上で第55師団のモールメン攻撃は内部備蓄を1~2段階消費して行われざるを得ず、モールメン攻略で得られる敵の補給物資(チャーチル給与)でも再備蓄に十分でなく、追送されてくるSPを待って1~2ターン程度は止まっていた方が安全……という風に調整すれば良いのかもです。まあ、LowとかExhaust状態でそのまま進撃してもいいのですが、そうすると敵に攻撃された場合に戦闘補給が入れられずに半分の戦闘力で防御せざるを得なくなるでしょう。


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Author:DSSSM(松浦豊)
 ボードウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、第二次世界大戦やナポレオン時代関係情報を集積したりしてます。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイしたり、VASSALでOCSをオンラインプレイしたりですが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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