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核廃絶がほぼ不可能だと私が考える理由

 試しに「核廃絶」という言葉で検索をかけようとしたら、一番上に「核廃絶 不可能」という検索ワードの組み合わせが出てきました。それで、悩んでいたんですがブログ記事として書いてみる意味はありそうだと考えました。


 私は、核廃絶はほぼ不可能だと考えています。その理由は、

1.核廃絶した後で、実は核を隠し持っていた国がいたら、核の脅しに対抗できない。
2.核廃絶した後で、核兵器を作った国がいたら、核の脅しに対抗できない。

 ということです。

 核廃絶したいなら、この問題を何とかしないといけない。しかし、これが解決できるシステムを作り、維持するのは極度に困難でしょう。一応可能性としては、例えば日本がガンダムのような?超兵器を開発し、その力によって世界の核保有国に核廃絶や非戦を強要し、そしてその力関係を維持し続ける……というようなものが、ないわけではないですけども。

 やむを得ずの次善の策が、相互確証破壊戦略なわけです。

 一応、「核廃絶 不可能」で出てきたページをほんの少しチェックしてみたんですが、この件に触れられているものは見つけられず、しかしこの件の方が遙かに重要だと私には感じられます(もちろん、私の考えが間違っているのかもしれません)。



 以前、平和主義の教え子に説明してみたら「なるほど……」と納得してもらえた説明方法として、↓のようなものがありました。これは、軍備廃絶ができない理由ですけども。

「10の村があって、ひたすらそれらの間で戦争しまくっていました。あまりにも戦争の惨禍が酷すぎて、その10の村は相談して武器を全部捨てることにしました。それでしばらく平和な時期が来ましたが、ある時、1つの村が、この平和な状態がチャンスじゃないかと、再び武器を作り始め、そしてその武器ですべての村を征服してしまいました……」


 進化生物学およびゲーム理論の重要な概念である、「進化的安定戦略(evolutionarily stable strategy:ESS)」によれば、平和主義者が増えると、好戦主義者の利益が大きくなり、逆に好戦主義者が増えすぎると今度は平和主義者の利益が大きくなり……ということが常に繰り返され、ある一定の均衡に落ち着いたり、バランスが崩れたりします。昔読んだ『利己的な遺伝子』に挙げられていた数字では、確か好戦主義者の方が少し多めで均衡するとあったと思います(式にどんな値を入れるかによって変わるようです。ちなみにこれは、個体単位の話に限るものではなく、ある一個体の中に好戦的な面と平和主義的な面があって……の総体的なバランスでもあります)。


 重要なのは、「まわりに平和主義者が多ければ多くなるほど、好戦主義者が戦争に訴えることの利益は、言わば幾何級数的に増大し、そしてそうすることへの誘惑はとてつもなく大きくなる」ということです。軍備廃絶や核廃絶が100%に近づけば近づくほど、隠れて、あるいは協定を無視して、軍備を持つことや核兵器を持つことの実利と誘惑がどんどんどんどん大きくなっていきます。「善意の人しかいない世界」は無法者にとっても楽園であり、無法者の数はナッシュ均衡に至るまで増大することをやめません。

 また、「被爆の悲惨さを全世界の人が知れば、核廃絶が当然になるはず」という考え方もありますが、サイコパスという、他人に対して共感する気持ちを全く持つことがない人が全人口の数パーセントもおり、しかもサイコパスは魅力的で有能で権力を握りやすいという、言わば「不都合な真実」を無視していると思います。サイコパスの実例としてはスティーブ・ジョブズが有名ですが、ヒトラーやスターリンもサイコパスであったと見られています。サイコパスは競争社会のアメリカでは全人口の4%ほどを占めると見られていますが、日本社会はサイコパスにとってそれほど有利な環境ではなく、1%を切ると見られています。無法や裏切りが当たり前のロシアや中国では、アメリカよりもサイコパスが占める割合は高いのではないでしょうか。



 核兵器をなくすことはできるの?わたしたちにできることというページを見ていると、

核兵器廃絶に有効なのは『人道アプローチ』です。『核兵器を持つことは恥』『核兵器では人の安全は守れない』というイメージを人々の中に作っていくこと。

とありました。

 これは無意味ではないと思いますけども、十分条件には全然なり得ないと思います。無法者、裏切り者、サイコパスにとっては、評判や人道などは何の意味も持ちません。彼らに対して効果を持つのは、彼らを制することができる実力と、そしてその際の自分への被害も厭わない覚悟でしょう。

 今、ロシアが「核の脅し」をしていますけども、核を使用させないためにアメリカはかなり上のレベルでロシアに「核を使用したらひどい目にあうぞ」と何度も伝えているそうです。内容は、私の想像では例えば、「アメリカは報復の核を使用しないが、あらゆる通常兵器でNATO各国と共に全力でロシアを攻撃して全土を支配し、プーチンとその仲間達もどこまでも追い詰めて裁判にかけ処刑する。そして旧ソ連の領域をNATO各国によって支配し続ける体制を確立する。それまでにどれだけ、アメリカやNATO各国が核攻撃されて何千万人の死者が出ようともだ」というようなものではないかと思っています。

 つまり、「自分にどれだけ被害が出ても、お前を決して許さない」ということです。最終的にはこういう、「俺も死ぬがお前も絶対殺す」というような覚悟と、そして実力がなくては、無法者には響かない。


 核廃絶は、無法者、あるいは裏切り者をどうするか、という問題に向き合わなくては、どうしようもない、と私は思います。

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 ボードウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、第二次世界大戦やナポレオン時代関係情報を集積したりしてます。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイしたり、VASSALでOCSをオンラインプレイしたりですが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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