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『The Italian War on the Eastern Front, 1941-1943』から、東部戦線のイタリア軍師団の評価

 以前半分くらいまで読んでいた『The Italian War on the Eastern Front, 1941-1943: Operations, Myths and Memories』ですけども、体調が微妙くらいの時にDeepL翻訳で読み進めていこうと考えました。





 読んでいると、P209からP218までの「GERMAN RATINGS OF ITALIAN DIVISIONS」という項でイタリア軍師団に関するドイツ軍側からの評価がいくらか載っていまして、そこらへん個人的に興味あるのでブログ記事としてまとめておこうと。



 ↓OCS『Case Blue』のイタリア軍師団ユニット。上段は「アオスタ候アメデオ皇太子快速師団(略して快速師団と呼ばれます)」、下段は歩兵師団で、山岳歩兵のマーク(▲)があるのはアルピーニ軍団所属です。

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 12月以前であってもCSIR【イタリア・ロシア戦線派遣軍団】は賞賛と批判の両方を受けており、無用の長物とは判断されていなかった。1942年夏から第35軍団(旧CSIR)との連絡将校であったフェルマー少佐の報告書は、 ドイツ軍の評価におけるこの両義性を示している。彼は、イタリア軍の対戦車戦闘への未熟さ、武器の整備不良、コミュニケーションの悪さ、軍団将校が150人以上もいて多すぎることなどを批判した。しかし同じ報告書の中で、快速師団は「非常によく統率されている」と賞賛され、1942年7月14日のIvanovkaでの戦場での活躍を近隣のドイツ軍師団が称賛していることが記されている。スフォルツェスカ【Sforzesca】歩兵師団は行軍時の規律が非常に優れていることと戦いへの熱意を賞賛されたが、パスビオ【Pasubio】歩兵師団はどちらにも欠けていたようである。全体としてこの軍団はその価値を示し、攻撃的任務に適しているとみなされていたし、スターリングラードへの大攻勢に参加できなかったイタリア軍側の失望をドイツ軍側が書き留めてもいた。
『The Italian War on the Eastern Front, 1941-1943: Operations, Myths and Memories』P209

 ラヴェンナ【Ravenna】歩兵師団はマモン橋頭堡の近くで(手痛い損害を受けたにもかかわらず)不動であったと褒め称えられた。混乱した退却の間、幕僚達は包囲された部隊に連絡を取ろうとし、ドイツ軍はフランチェスコ・デュポン将軍とその将校達がタリーで精力的に防御を確立しようとしたことを称えた。こうして、報告書はこう結論づけた。「ラヴェンナ師団は、特に(ドイツ軍の)第298歩兵師団がよく主張するように初日に「逃げ出した」のではなく、1942年12月11日から17日まで昼夜を問わず戦ったことが明らかである。ドイツ軍の師団ならば、より良い資材と装備によって数日長く持ちこたえたかもしれないが、結局同様に撤退せざるを得なかっただろう」。ドイツ軍側の報告書が、ラヴェンナ歩兵師団があまりにも簡単に【ソ連軍に】道を譲ったことを非難するのではなく、直面していた資材の不足と赤軍からの絶大な圧力を認識していたことは興味深いことである。
『The Italian War on the Eastern Front, 1941-1943: Operations, Myths and Memories』P213

 【……】戦時中のイギリス軍による評価書も、同様の結論に達している。パスビオは「他のイタリア軍師団よりも活躍し、終始良好な成績を維持した」とされ、トリノ【Torino】は「良好な戦歴」、スフォルツェスカとラヴェンナは「平均的な水準」とされた。
 イタリア軍のすべての部隊の中で、コッセリア【Cosseria】歩兵師団はおそらく最も否定的な評価を受けている。報告書は、非常に強力な敵軍だけでなく、(塹壕と適切に連結されていない) 強固な防御地点の不足、自軍の兵器のカバーの少なさ、防寒の不十分さ、対戦車訓練の不足、砲兵用砲弾の少なさ、砲兵と歩兵の協力の悪さによって彼らの戦線が崩壊したと論じた。 従って、この師団の撤退自体が組織的でないと描かれ、兵士は指揮官の個人的勇気や努力にもかかわらず新しい防衛位置を設定できなかったとされる。対照的に、同じドイツ軍連絡将校は、コッセリアよりはるかに優秀な兵士で構成されていると思われるジュリア【Julia】山岳歩兵師団の戦闘力を強調している。
『The Italian War on the Eastern Front, 1941-1943: Operations, Myths and Memories』P215,6

 その後、ドイツ軍は2つの覚書を作成し、何が起こったかをまとめた。シュルベック少佐の報告は、主に第2軍団と第35軍団に焦点を当てたものであった。シュルベックは、ラヴェンナの対戦車兵の少なさ、歩兵と指揮官の連携の不十分さを批判したが、パスビオとトリノの12月19日の撤退命令までの激しい抵抗については心から評価している。
『The Italian War on the Eastern Front, 1941-1943: Operations, Myths and Memories』P216

 ザラツァー一等補佐官は、戦術的成功の大部分をDVKとドイツ軍の指導力のおかげとした。しかし、快速師団とトリノ、パスビオは撤退命令が出るまで戦線を維持したことを認めた。ひいては、批判的なザラツァーでさえ、「作戦中に生じたあらゆる欠点や欠陥にもかかわらず、イタリア軍がただ逃げただけだという主張を支持するのは、誇張されているだけでなく、明らかに間違っている」と付け加えているのだ。彼は特にトリノ、トリデンティーナ【Tridentina】、ジュリアを認めていた。彼は、イタリア軍師団はルーマニア軍やハンガリー軍のものと同様に、ドイツ軍師団よりも弱いと考えていたが、ドイツ国防軍と合同で(あるいは隣で)配置することでその価値を高めることが可能であると考えていた。イタリア軍が弱い理由として、彼は下士官達の質の悪さ、そして何よりも対戦車砲と対戦車訓練の不足を挙げた(これは、イタリア人の身体的、道徳的特性が劣っているという彼の人種的発言とは別にである)。それでも、ザラツァーは、イタリア軍による戦闘の多くの良い面、将校の英雄主義や兵士の粘り強さを認めるべきだと結論づけた。
『The Italian War on the Eastern Front, 1941-1943: Operations, Myths and Memories』P217,8



 これらの評価を、言及された時毎に記してみると、こんな感じでしょうか。

快速師団 ○○
スフォルツェスカ ○△
パスビオ △◎○○
ラヴェンナ ○△
トリノ ○○○○
コッセリア ×
ジュリア ○○
トリデンティーナ ○

 否定的な意見と肯定的な意見の両方がある師団も結構あります。


 ↑の中で最後の2つ、ジュリアとトリデンティーナ(それからクネーンゼ)は山岳歩兵師団(アルピーニ軍団所属)であり、『Case Blue』でも、その前のバージョンである『Enemy at the Gates』でもアクションレーティングは4でした。(ただし、彼らは山岳戦に特化した編成になっており、山岳地形以外ではアクションレーティングがかなりマイナスされるべきであろうと私は思うということを、イタリア軍のアルピーニ師団の内実:強兵か、山岳戦以外には役に立たないのか?(付:OCS『Case Blue』) (2019/12/22)で書いてました)


 それ以外の歩兵師団は、『Enemy at the Gates』ではすべてアクションレーティング3だったのですが、『Case Blue』ではパスビオとトリノのアクションレーティングが4に上げられています。

 ↓OCS『Enemy at the Gates』のその他の歩兵師団ユニット。

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 『Case Blue 2』という話がないわけではないらしいので、その際にどうなるか……。


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