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第55師団長であった竹内寛(ゆたか)中将と、第55師団について

 最近出版されたオスプレイの『Japanese Conquest of Burma 1942』に、日本軍のビルマ侵攻作戦の時に第55師団長であった竹内寛(ゆたか)中将についてある程度書かれた文章があったので、ブログに書いておき、今後も情報を見つけたら集積していこうと思います(これまで竹内将軍の能力等についての記述はほとんどまったく見たことがありませんでした)。






 第55師団は、1936年から37年にかけて歩兵第49連隊長を務めた竹内寛中将が率い、その後参謀職を経て1941年4月に師団長に任命された。師団基幹は1941年10月に予備役と徴兵でフルに増強された。師団としての戦闘経験はなかったが、台湾のジャングルでいくらか訓練を受けた。しかし、ビルマ侵攻の際、その進撃が遅くて状況を難しくし、結果として指揮官の評判は悪化した。竹内が1943年に退役したのは、その意欲と決意の欠如(彼が指揮した部隊はそのような動きを見せた)が原因であろう。これとは対照的に、高く評価されていた第33師団長の桜井省三中将(52歳)は、連隊長や参謀として中国で極めて優秀な成績を収め、すでに意欲と決断力、積極性で知られていた。1940年12月、桜井は中将に昇進し、翌年、中国第11軍に所属していた第33師団の指揮を執ることになった。
『Japanese Conquest of Burma 1942』P26



 『Japanese Conquest of Burma 1942』の著者が参照した資料の中にこんな風に書かれていたのかもしれず、参考文献一覧はまだ見てなかったのですが、チェックしてみようと思います。


<2023/02/03追記>

 『隠れた名将飯田祥二郎』という本を見つけて読んでいたら、この時期の第33師団が所属していた第15軍の司令官であった飯田祥二郎の日記(日録)にそれらしきことが書かれていたっぽいことが分かりました。



 55師団は鉄道と街道に沿ってトングーを経て最大の目標地マンダレーに向かい、33師団はプロームを経て最大の油田地帯エナンジョンに向かって進軍した。
 ここで55師団の向かった要衝トングーにおいて、正面に立ちはだかったのは中国から派遣された軍勢であった。杜聿明【トイツメイ】(1905-1981)に率いられた中国第5軍下の200師団は、蒋介石直系の精鋭部隊であり、当時重慶軍と呼ばれていた中国国府軍の中で、もっとも装備が良好で志気も高かった。
 飯田の日録にも中国軍の抵抗により55師団が難戦を続けたことについての記録とともに、師団の指揮ぶりにも問題ありとしている。同様な不満は、ラングーン攻略以前から 同師団が消極的で進攻速度が鈍いことなどについての記述が散見されているが、やがて参謀長・連隊長などが交代し、最後には師団長も代ることになった。
 これに対して33師団に対する感想が日録に記されている回数は少ないが、 これはその戦闘ぶりに満足していたためと考えられる。しかし桜井もラングーン陥落の直後、戦車にはほとほと閉口したと飯田に報告したことが日録に見える。 桜井はその後に戦史に残る対戦車戦を経験することになるが、それまでの戦車相手の痛切な経験が役立ったものであろう。
 トングーにおいては3月26日から4日間にわたって激戦が続けられた。中国軍の戦意は非常に高く、中国大陸戦線ではほとんど経験したことのないものであったことが当時の参謀の残した記録-前述の竹下のほか55師団参謀河内稔(42期)などの手記-からも読み取れる。味方の攻撃は先方の頑強な守備と反撃によって停頓していた。飯田も相手方の抵抗は敵ながら天晴れとその健闘ぶりを讃えている。
『隠れた名将飯田祥二郎』P165



 中国軍の第200師団はOCS『Burma II』にも出てくるのですが、アクションレーティングは1で精鋭とは思えない感じですが、1942年時点ではより質が高い精鋭部隊だったのかも……?


 ↓OCS『Burma II』の中国軍第200師団ユニット。

unit8666.jpg


<追記ここまで>



 あと、確か第55師団の中の連隊長だか大隊長だかの一人が、「戦果の誇大報告」か何かで解任されたという話を読んだ覚えがあるのですが今見つけられず、また見つけたら追記します。




 ↓現状のOCS『South Burma』(仮)用ユニット(上が戦闘モード、下が移動モード)。

unit8676.jpg

unit8675.jpg



 第55師団の通称号の「楯」というのは、後に「防御的で良くない」ということで「壮」に変更されましたが、この頃は「楯」でした。


 アクションレーティングを2にしてある第112連隊(丸亀)はビルマ侵攻作戦の時までまったく戦闘経験がなかったそうです。AR2というのはしかし、より低めにレーティングした場合であって、AR3でも全然許されるという気はしてます。悩んでます。

 AR3の第143連隊(徳島)は南部タイの上陸作戦に参加しており、少し遅れて合流しました。

 もう一つの連隊である第144連隊(高知)はポートモレスビーに派遣されており、壊滅的打撃を受けることになります。


 騎兵第55連隊は、乗馬中隊2、機関銃中隊1、戦車中隊(軽戦車2、装甲車6)1、速射砲中隊1から成っていたそうです。戦車を持っているといってもユニットに反映させるほどとは思われず、また日本戦車はおそらく緒戦では戦っておらず、いくらかラングーンに近づいた頃に(少数?)投入されるもあっという間に撃破されてしまったという話があったので、そもそも序盤ではユニット化もどうかというぐらいかも……。


 山砲第55連隊は3大隊から成り、94式山砲27門を持っているというのですが、「山砲隊は携行段数を多くするため、中隊は1門編成にし、バンコクに残した火砲は、モールメン攻略後陸路あるいは海路により追送させることにした。」という話があります。

 ↓のようだったとすれば、つまり1/3の大砲を持ってビルマに入ったということになります。

1個中隊:3門
1個大隊:3個中隊(9門)
1個連隊:3個大隊(27門)


 OCS『Burma II』では日本軍の師団は3-3-1-1の砲兵大隊ユニットを3つずつ持っているのですが、この時の第55師団はその1/3を持っていたということになり、砲兵大隊ユニット1個を持っておけば良い、ということになるのだと思われます。


 あと、牛とか馬とかを連れてビルマに入ったという話もあるのですが、すぐにほとんど失ってしまったらしいです。でもラバ(馬)の輸送ユニットは、少し持っていても良いのかも……?


 ↓は、抜き書きしていた戦史叢書『ビルマ攻略作戦』からの記述です(ページ数はいちいち書かずに抜き書きしているので、パスで……)。

12月25日
 第55師団のうちの宇野支隊は歩兵第143連隊第3大隊をビクトリアポイントに残し、他の支隊主力を道々集めながらバンコクに向かい、12月25日から逐次同地に到着、師団長の指揮に復帰した。
 第55師団師団長は、諸隊を国境地帯に推進するに先立ち、車両部隊をすべて駄馬または駄牛編成に改め、特に山砲隊は携行段数を多くするため、中隊は1門編成にし、バンコクに残した火砲は、モールメン攻略後陸路あるいは海路により追送させることにした。
 しかし牛は暴れて手に負えず、逃亡した牛も少なくなかった。結局、ビルマ側に出た時、部隊はほとんど牛を持っていなかった。
 馬も谷底に落ちるなどして、部隊がメソートに着いた頃には、約3分の1に減っていた。



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No title

 中国軍の第200師は元々装甲師団でしたが、ビルマ戦の頃には機械化歩兵師に改編されていました。
 師が属している第5軍全体が機械化軍とされていて、機械化歩兵師3、装甲兵第1団(内ビルマ戦に投入されたのは2個営)、騎兵団からなっていました。
 もっとも歩兵師の輸送車両は第5軍全体で1個師分で、3個師で使いまわしになるようです。
 第5軍はビルマ作戦以前には南寧作戦で日本の第五師団などへの反撃にも投入されましたので、ARはそちらの戦いも参考になるかも知れません。

No title

 おお~。情報ありがとうございます!

 まだ中国軍のレーティングにかかるのは後のことになりますが、その時に参考にさせてもらいますね!(^^)
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DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ボードウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、第二次世界大戦やナポレオン時代関係情報を集積したりしてます。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイしたり、VASSALでOCSをオンラインプレイしたりですが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! VASSALでのオンラインインストも大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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