『戦略の世界史(上)』で個人的に価値のあった部分(付:OCS『The Third Winter』ネタ)
少し前に出ていた『戦略の世界史(上)』をつまみ読み(興味のある所だけを読む)し終わりました(下は興味ないことばかりっぽかったので買っていません)。
全般的に、総花的で難解な内容だったんですが、個人的に興味のあるテーマについて、いくらか非常に価値のある部分がありました。
ナポレオン関係ではある程度既知なものもありましたが、いくらか「なるほど~」と思うことがありました。
個人的な白眉は、南北戦争のあり方に関して1ページ弱でまとめられた文がものすごく「なるほど」だったことです(P236)。
それから、電撃戦(ショック戦)の創始者的な扱いをされるJ・F・C・フラーやリデル・ハートがそれぞれに、思い込みや盗用や循環論法など、様々なウィークポイントを持っていたことがかなり多い分量で書かれていて、それが個人的に非常に興味深かったです。こういう、毀誉褒貶の両面を詳しく解説するものが個人的に大好きです(逆に、褒めるばかりとか貶すばかりとかの文は、個人的に好みでないです……)。
あと、洋書でよくある、章の頭に何か本とかからの引用文を置いておくもので、↓というのがあったのですが……。
ここを読んで、「ああっ! これがOCS『The Third Winter』のコルスン包囲戦シナリオのシナリオ名の元ネタか!」と思いました。
というのは、OCS『The Third Winter』のコルスン包囲戦シナリオのシナリオ名は、「Scorpions in a Bottle」というのですが……。
・OCS『The Third Winter』のコルスン包囲戦シナリオのソロプレイを始めました (2021/07/23)
・ミドルアース大阪にてVASSALでプレイ&OCS『The Third Winter』コルスン包囲戦シナリオ研究 (2021/11/09)
シナリオ集を和訳する時に私は、「何か元ネタがありそうな言葉だなぁ……」とは思ったものの、元ネタが分からないので推測で訳すしかありませんでした。
包囲戦なわけですから、ドイツ軍を「瓶の中のサソリ」に見立てている……というのが最初に思いついた解釈でしたが、問題は、「Scorpions」と、サソリが複数形になっていることでした。だとすると、そのサソリは2匹以上であることに疑いはないことになります。とすると、独ソ両軍を2匹のサソリとして見ているのだろうかとして、一時期は「瓶の中の2匹のサソリ」だとか「瓶の中のサソリ達」というような訳語案を色々こねくり回していました。
しかしそれらの和訳だと、私も意味するところが良く分からないので、最終的に日和って「瓶の中のサソリ」という訳にしたのでした……。
尤も、このオッペンハイマーの言葉が元ネタであるという確証もないですが……(良く考えてみると、OCS副班長のサルツマン氏に質問してみれば良かったのか……! その発想はなかった(^_^;)。
全般的に、総花的で難解な内容だったんですが、個人的に興味のあるテーマについて、いくらか非常に価値のある部分がありました。
ナポレオン関係ではある程度既知なものもありましたが、いくらか「なるほど~」と思うことがありました。
個人的な白眉は、南北戦争のあり方に関して1ページ弱でまとめられた文がものすごく「なるほど」だったことです(P236)。
それから、電撃戦(ショック戦)の創始者的な扱いをされるJ・F・C・フラーやリデル・ハートがそれぞれに、思い込みや盗用や循環論法など、様々なウィークポイントを持っていたことがかなり多い分量で書かれていて、それが個人的に非常に興味深かったです。こういう、毀誉褒貶の両面を詳しく解説するものが個人的に大好きです(逆に、褒めるばかりとか貶すばかりとかの文は、個人的に好みでないです……)。
あと、洋書でよくある、章の頭に何か本とかからの引用文を置いておくもので、↓というのがあったのですが……。
第12章
核のゲーム
たとえて言えば、瓶の中の二匹のサソリだ。それぞれ相手を殺す力を持つが、そのためには自らも生命の危険を冒さなければならない。
- J・ロバート・オッペンハイマー
『戦略の世界史(上)』P296
ここを読んで、「ああっ! これがOCS『The Third Winter』のコルスン包囲戦シナリオのシナリオ名の元ネタか!」と思いました。
というのは、OCS『The Third Winter』のコルスン包囲戦シナリオのシナリオ名は、「Scorpions in a Bottle」というのですが……。
・OCS『The Third Winter』のコルスン包囲戦シナリオのソロプレイを始めました (2021/07/23)
・ミドルアース大阪にてVASSALでプレイ&OCS『The Third Winter』コルスン包囲戦シナリオ研究 (2021/11/09)
シナリオ集を和訳する時に私は、「何か元ネタがありそうな言葉だなぁ……」とは思ったものの、元ネタが分からないので推測で訳すしかありませんでした。
包囲戦なわけですから、ドイツ軍を「瓶の中のサソリ」に見立てている……というのが最初に思いついた解釈でしたが、問題は、「Scorpions」と、サソリが複数形になっていることでした。だとすると、そのサソリは2匹以上であることに疑いはないことになります。とすると、独ソ両軍を2匹のサソリとして見ているのだろうかとして、一時期は「瓶の中の2匹のサソリ」だとか「瓶の中のサソリ達」というような訳語案を色々こねくり回していました。
しかしそれらの和訳だと、私も意味するところが良く分からないので、最終的に日和って「瓶の中のサソリ」という訳にしたのでした……。
尤も、このオッペンハイマーの言葉が元ネタであるという確証もないですが……(良く考えてみると、OCS副班長のサルツマン氏に質問してみれば良かったのか……! その発想はなかった(^_^;)。
- 関連記事
-
- コンパス作戦の実行と、トブルク陥落まで(付:OCS『DAK-II』) (2022/02/04)
- 洋書をDeepL翻訳で読む&情報蓄積することのススメと、その最低限のテクニック (2022/02/03)
- コンパス作戦の準備(付:OCS『DAK-II』) (2022/02/01)
- グラツィアーニ攻勢時のオコーナーと、「チンク」ドーマン=スミス将軍について (2022/01/31)
- チャーチルとウェーヴェルの最初の会談 (2022/01/19)
- オコーナーが西方砂漠部隊司令官となる&イタリア参戦(付:OCS『DAK-II』) (2022/01/15)
- 第二次世界大戦において「名将」と呼べる人物は……? (2022/01/06)
- 『戦略の世界史(上)』で個人的に価値のあった部分(付:OCS『The Third Winter』ネタ) (2022/01/05)
- イタリア軍部隊に作らせたダミーの88mm砲にロンメル自身が騙された話&イタリア軍88mm砲部隊の画像や動画 (2022/01/02)
- OCSの空挺降下(空中投下)の「クリア」の定義をずっと間違って理解してました(>_<) (2021/12/27)
- 「ザ・チーフ」アーチボルド・ウェ-ヴェル将軍について(イタリア軍参戦の頃まで) (2021/12/18)
- 『コマンド・カルチャー 米独将校教育の比較文化史』読了しました&独米日の陸軍人事 (2021/12/05)
- ドイツ軍陸軍総司令官であったフォン・ブラウヒッチュ将軍について (2021/11/25)
- 北アフリカ戦における英連邦軍の名脇役、「ジャンボ」ウィルソン将軍について (2021/11/23)
- 北アフリカ戦で英連邦軍は諸兵科連合できない(しない)……でもじゃあ、イタリア軍は諸兵科連合できるのか?(付:OCS『DAK-II』改造ハウスルール案) (2021/11/02)
スポンサーサイト