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OCS:専用トラック上のSPでその複フォメ以外にも防御用のSPを入れられるか? & 厳密と融通

 以前、こういうツイートをしてました。





 ルール項目的にはここらへんです。

OCS 12.4 戦闘補給
・防御側:戦闘毎に2T
(例外:1RE以下なら1T)

OCS13.2g 専用トラック
B)同じ複数ユニットフォーメーションに所属しているユニットだけが、その積載している補給ポイントを受給できます。



 その後たえさんが念のためMMPに直接質問のメールを送られたところ、OCS副班長のChip Saltsman氏から返信が来まして、基本的には(ルールを厳密に適用するのであれば)「できない」ということだったのですが、このようなことも書かれていました。
(たえさんの出した例は、専用トラック上に1T、補給集積所に1Tがあって、複数ユニットフォーメーションの4REと複数ステップユニットの4REがあった場合、その計2Tで全8REに防御用の戦闘補給を入れてもいいか、というもの)

 もしあなたの対戦相手が非常に物分かりの良い人であった場合、あなたの例で利用可能な補給集積所上の1Tを消費するならば、あなたはその対戦相手を納得させることができるかもしれません。これは「accommodation(融通、便宜)」のカテゴリーに入るでしょう。これは、新しく増援フェイズに到着したSPを航空ユニットに整備する前にマップ上に配置したり、航空ユニットを航空基地の隣に配置したり、SPを航空基地の隣に配置したり、あるいは、プレイヤーの利便のためにSPをそのヘクスの隣に配置したりするのと同じようなものです。


 最初の文の原文は「Should you have a very reasonable opponent, you might convince them」で、より詳細に訳せば「もし万が一、あなたの対戦相手が非常に物わかりのよい人だったならば、(厳密に言えばもちろんダメなのだけども)相手はそのような使用法を見逃してくれるかもしれませんね。」という風に解釈すべきなんだろうと思いました。
(Shouldで始まる文は「もし万が一~であった場合には」という、ifで始まる文よりも可能性が低い文になります)

 「これは"accommodation"(融通、便宜、和解)のカテゴリーに入るでしょう。」という一文もそれを裏付けていると思います。

 その後の文ですが、1つ目は完全に、明らかにルール違反です(^_^; 航空整備用のSPは、増援フェイズの前にそこに置かれていなければならない。

 ただ、2つ目以降は、我々は「別にそれでいーじゃん」と思うような例ではあります(^_^; が、まあ良く考えてみればルールに完全に則っているとは確かに言えません。

 まあそこらへんも含めて、Chip Saltsman氏が言っているのは、「書かれているルール的には絶対ダメ。でも、対戦相手が、あーそれくらいいいよいいよ、って言ってくれる人なら、認めてくれることもあるかもですね。」という意味だと思われました。



 たえさんはさらに念のため、「結論的には、この問題はプレイヤー間で調整するのが妥当ということでしょうか?」と質問されました。そこで返ってきた返信が以下のものです。個人的に色々興味深かったです!

 私のおすすめは、プレイヤー間の融通を利かせることだと思います。OCS(もしくは他の)ゲームをプレイする上での哲学に迫るような質問をする方は多くはないので、私はこのやりとりを楽しく感じています。

 OCSは非常に多様なプレイが可能であると共に、非常に安定したルールへと進化してきています。しかし、そのルールもすべての状況を想定できているわけではありませんから、あなたのように厳格なルール解釈が一つの道である一方、「調和のとれたゲームプレイのためには厳格なルール解釈は必要ない」というのが別の道である場合もあるでしょう。

 私たちのゲームクラブでは、例えば、相手の戦線に穴が開いていたり、側面包囲になりやすい状況などがあれば、相手プレイヤーにその問題を引き起こす一手を指摘して、相手に状況を修正する機会を与えることを実践しています。プレイヤーの未熟さやミスにつけ込むのではなく、戦術や作戦に基づいてゲームに勝利したいものです。また、相手が常に補給コストを払い、移動コストを正確にカウントし、常に誠実にプレーすることを信頼していることも条件となります。

 このような哲学を持って、対戦相手に「今これこれの状況で、防御用の戦闘補給を入れたいんですが、専用トラックから1T、補給集積所から1Tを払ってそれを満たしちゃダメでしょうか?」と尋ねてみた場合、答としては「ああ~、それくらいいいよ」、あるいは「いや、それはルール違反だから認められない」かのどちらかではありましょう。でも我々はゲームをしているわけですから、ゲームを楽しむべきなのだと思います。そういう文脈の中で、私はプレイヤーの方々に融通を利かせることを推奨します。

 これは私自身矛盾しているように見えるかもしれませんが、私は「このオーバーランに必要な移動力が足りないんだけど、でもオーバーランしていい?」というような状況を推奨しているわけではありません。法的に正しい答えが社会的に正しい答えではない状況があるのではなかろうかと思っているわけです。(これが日本の「和」の概念に該当するかどうかはわかりませんが、私は和の争いを好むのです)。



 私は個人的にはこういう感覚にすごく共感を覚えます。私はカードゲーム(遊戯王とか)をやる時でも、「いくらでもやり直してもらってもいいよ!」という姿勢でやってましたし。

 尤も、特にカードゲームの世界には(ウォーゲームの世界にも)、こういうカジュアル勢(楽しむのが一番)と、ガチ勢(勝負が一番)の両方がいて、その傾向は割と相容れない……というのも確かなことだろうとも思っています。ガチ勢はガチ勢同士が対戦するのが一番で、カジュアル勢と対戦するとイライラしたりするようです。カジュアル勢も、ガチ勢と対戦すると心が折れたりします(>_<)

 ゲームによってもそういう差異があり、ガチ勢同士の対戦に非常に向いているウォーゲームも色々あるようです(よく知りませんけど(^_^;)。

 OCSはと言えば、私は明確に、カジュアル勢向けであろうと思っています。奇襲によるコラムシフトやダブルターンの存在、それに戦線突破しやすく(されやすく)、かなり「壊れやすい」ゲームである(それゆえに「ショック戦(電撃戦)」が再現できる)ことがその理由です。もちろん一方で、ガチ的にプレイできればそれだけ非常に面白みが増す(陽動、欺瞞、奇襲や、OODAループで相手に後手を取らせ続けることなどが非常に効果的に再現される)のも確かで、その意味でその領域に近づきたいものだと常々精進している感じです(そしてOCSのプレイには割と多人数が必要なので、プレイヤーが増えて欲しいです(^_^;)。



 この2つ目のメールについて、私のブログに書いても良いかChip Saltsman氏に尋ねたところ、このような返信が返ってきました。これもまた興味深い話でした。どこが境目になるかは人それぞれというところもあると思うので、それこそ調整が必要だろうとも思いますが……。

 たえさんに返信していた私の考えをブログに書いていただけるのは光栄なことです。たえさんの質問によって、私の中に非常に興味深い、ゲームプレイについての哲学的な疑問が沸き起こりました。 アメリカ人が言うところの「一字一句厳密に」書かれたルールを適用する、ということを無視して、プレイヤーが状況に応じた対応をしなければならないケースとはどのようなものでしょうか? 私たちはどういう時に「調和のとれた対立」のために努力すべきなのでしょうか? 私が彼に返信を書いた後、この質問はゲームプレイにおける礼節と倫理についての興味深い記事になるだろうと思いました。 どのような状況が、融通を利かせて対応する必要のあるものでしょうか?

* たえさんが言っていた状況。 大きなスタック(半分は複数ユニットフォーメーション、半分は4ステップ師団)には2Tの防御用の戦闘補給が必要です。専用トラックに1T、補給集積所に1Tあります。両方の1Tを消費することで防御用の戦闘補給を満たしていると言っていいのでしょうか? (私の見解はYESです。これは融通を利かせてよいと思われます)

* 相手は自分の戦線に大きな穴を開けてしまったり、他にもミスをしてしまったりしているが、それは相手が簡単に直すことができるものである一方、あなたはそれらのミスをついて簡単に大勝できる。 それらのミスを指摘して相手に調整させるのが正しいのでしょうか? (私の考え方としては、相手のミスで勝ちたくないというのが本音です)

* 対戦相手はある防御陣地にわずかなユニットだけを配置しています。 あなたは「戦の霧」を活用して、そこに大軍を集中させています。 あなたは相手に警告して、その地域を強化できるようにすべきでしょうか? (私の見解では、欺瞞行動を公表する必要はありません)

* 対戦相手はひどい状況をなんとか切り開くために必死の攻撃をしたのですが、防御側奇襲が起こって恐ろしいほどの大敗を喫してしまいました。 私は彼に同情して、彼に再ロールさせるべきでしょうか? (私の考えでは、ダイスの目は最終的なものですが、プレイヤーとしての価値は一回のダイスの目では測れないと考えています。しかし、もしプレイヤーが賢明でない攻撃をたくさんして戦いに負け続けるのであれば、そこから学ぶ必要があります。 ダイスロール、移動量、地形コスト、戦闘力は変更することはできません)

* 対戦相手が初めてOCSゲームをプレイしていて、数ターン後に自分が何をすべきだったかに気がつきました。 あなたは一度リセットしてもう一度やってみるべきでしょうか? (私の見解では、私たちは楽しみ、学び、システムの謎を解くためにこれらのゲームをプレイしているのです。ゲームをリセットして、どのようなムーヴがより好ましかったかを披瀝し合い、もう一度ゲームをプレイするのが良いでしょう)

* 対戦相手は見事な作戦を実行し、マップ上のあるエリアで私の軍を粉砕しました。 (私の考えでは、あなたは相手と握手をして、相手の作戦がどんなに素晴らしかったかを伝え、そこから何が学べるかを見るのが良いと思います!)

* 対戦相手は秘密裏に補給ダイスロールを行っていました。観戦していた人が、彼らが不正をしていると私に言いました。「彼らは常に高いダイス目が出ているふりをしているぞ!」と。 (私の考えでは、本当に信頼できない相手とはプレイできません。私は彼らが不正行為をしていると非難はしないかもしれませんが、私は彼らと再び喜んでプレイすることはないでしょう)

*対戦相手が、私の戦線に偵察大隊を忍び込ませ、それを重要な鉄道線の上に置いて、私の全軍を一般補給が引けない状態にし、小さな部隊でもって大きな問題を引き起こしました。 (私の考えでは、この種の問題のために予備部隊や守備隊を持っておくべきですが、このような小さなユニットから起こる結果に対しては、包囲された軍が自動的に糧食(OCS 21.10b 補給キャッシュマーカー)のターンを持つか、無視されるべきでしょう。 巻き込まれた戦力の過多でゲームを左右する結果になることは理にかなっていないと思います)

*対戦相手は心神喪失状態となり、ゲームに負けるのは時間の問題だとぶつぶつ言いながら、今すぐやめた方がいいかもしれない、プレイを終わりたいと言っています。 (私の見解としては、あなたは陣営の入れ替えを申し出るといいでしょう。これは特に、長い後退の後で形勢が逆転し、相手が攻撃的になるのを好んでいたにもかかわらず、主導権が交代しており、相手が続行することにあまり興味を示さないような場合に有効です)

これはヨーロッパやアメリカの文化的な性質なのか、それとも日本でも見られるものなのかはわかりません。

長々とした回答で申し訳ありませんでした。


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プロフィール

DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! 見学だけ等も大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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