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小土星作戦:12月11~15日にかけての小競り合いを「過小評価してはならない」らしいです(付:『Enemy at the Gates』)

 いよいよOCS『Case Blue』の小土星作戦シナリオの作成作業に着手してしまったかもしれないのだろうかのようなんですが、問題なのが、小土星作戦は一般的に言われる開始日時(1942年12月16日)よりも前の12月11日から小規模に始まっていたのだけど……という件です(12月12日からだという記述も見ますが、独ソ戦の泰斗であるグランツ氏の『From the Don to the Dnepr: Soviet Offensive Operations, December 1942 - August 1943』のP41には11日からだと書いてあるのでそちらを優先してみます)。

 OCS『Enemy at the Gates』の小土星作戦シナリオ&キャンペーンは16日から始まるていではありますが、確認してみると第9ターン(12月17~19日ターン)に開始することになっています。

 ここで、よくOCSをプレイしている方ならば、「17日ターンなんてあったっけ?」と違和感を感じたかもしれません。現在のOCSの日時の区切りは、15日ターン(15~18日)だとか19日ターン(19~21日)とかになっているからです。



 ↓OCS『Case Blue』のターンテーブル

unit9593.jpg


 対してOCS『Enemy at the Gates』のターンテーブルは、キャンペーン開始時期である天王星作戦(11月19日)を起点として、月毎に日にちが一致しないようになってました。

 ↓OCS『Enemy at the Gates』のターンテーブル

unit9592.jpg




 まあ、そんなに厳密に考えねばならないことでもないでしょうから(おい)、16日開始とするなら15日ターン開始、11日開始とするなら12日ターン開始でしょうか。しかし、11日からの小規模なやりとりを特別ルールで縛って再現させるのはそれほど良いとも思われませんから、16日開始の15日ターン開始を選択することになるだろうと思います。

 ただ枢軸軍戦線は、10日までは割と静的であっただろうと思われますが、11日から15日にかけて、ソ連軍の小規模攻撃に対応して部隊が動かされたり損害が出たりしていました。そこらへんどう織り込んでいくかが、やや問題になっていくのだろうかなと思います。

 その期間について「過小評価してはならない」と『The Italian War on the Eastern Front, 1941–1943: Operations, Myths and Memories』で述べられていましたので、そこらへん引用してみます。

 ↓OCS『Enemy at the Gates』の小土星作戦シナリオセットアップ(コッセリア師団、ラヴェンナ師団、パスビオ師団の上には1レベル陣地があるのですが、見にくいので取り除いてあります。また、第27装甲師団が画像左下の下側にいます)。

unit9591.jpg



 この【ソ連軍側の】大規模な再編作業と激しい実戦的な訓練の後の12月16日に、主攻勢は延期されなければならなくなった。そのため、ソ連軍は小競り合いと威力偵察(大隊規模まで)の期間を設けることにした。この期間は12月11~15日で、その後に突破口を穿つための第2フェイズが12月16~18日に、そして突破後の長躯進撃が12月19日からという予定となった。
 この小競り合いの期間中、ソ連軍部隊は戦車軍団や機械化軍団による迅速な進撃のために、(たいてい数個大隊で)ドン川の向こうの橋頭堡を拡大しようとしたり、新たな跳躍台を獲得しようと戦術的侵入を図ったりした。これにより大きな損害を被ったため41、ドイツ軍はコッセリア師団とラヴェンナ師団の位置に第385歩兵師団から2個連隊を前進させ、また第387歩兵師団をイタリア軍の前線へと急がせると共に、第298歩兵師団から1個大隊をパスビオ師団への支援にまわし、第27装甲師団はラヴェンナ師団の支援に向かう準備を完了させた42。これらの行動が示しているのは、来たるべき攻勢の主要な地域は、イタリア第2軍団(コッセリア師団、ドイツ軍第318歩兵連隊、ラヴェンナ師団)の戦区になるだろうということであった。この小競り合いの時期を過小評価してはならない。なぜなら、この小競り合いでソ連軍はドン川の向こう側の橋頭堡を拡大し、また第318歩兵連隊とラヴェンナ師団との間などで、連続した防御戦線を切断することに成功していたからである43。コッセリア師団は非常に弱体化してしまっていたため、その24kmにもおよぶ長大な戦区を第385歩兵師団が代わりに守備するようにと命じられ、いったん状況が落ち着いたならばコッセリア師団は前線から離れるということになっていたのであった(図7.2)44

41 DS CS,VIII;I, 11 Dec. 1942. 第2軍団は戦死者82名、負傷者212名、行方不明者(恐らく死亡したと思われる)139名を12月12日だけで出した。【イタリア】第35軍団は戦死者230名、負傷者596名を12月10~12日に出している。DS CS, VIII:I, 12 Dec. 1942. 敵の損害もイタリア軍の損害に比して大きかったと報告されているが、逆にその数字がこの「小競り合い」におけるソ連軍の軍事行動の大きさを物語っている。
42 12月16日の朝、Schuldt戦闘団(2個SS警察大隊)とフェーゲライン戦闘団(2個SS大隊、1個突撃砲砲兵隊、および第15警察連隊)がカンテミロフカ(Kantemirovka)の周辺に到着し、そこに第387歩兵師団が12月18日に合流した。Glantz, From the Don, 42.
43 第318歩兵連隊とコッセリア師団から抽出された部隊による反撃は当初成功したが、最終的に12月15日の夜遅くにその守備位置はソ連軍に奪取されてしまい、ラヴェンナ師団から切り離されてしまった。【……】
44 USSME, Le perazioni, 356. コッセリア師団は5日間の昼夜におよぶ攻撃と反撃で、戦闘神経症の最初の兆候を見せ始めていたと記述されている。【……】


『The Italian War on the Eastern Front, 1941–1943: Operations, Myths and Memories』P160,161



 一方、『Enemy at the Gates』の小土星作戦シナリオセットアップでは、各師団のステップ数は以下の通りとなっています。

第385歩兵師団……3/4
第387歩兵師団……4/4
コッセリア師団……3/3
ラヴェンナ師団……2/3
第298歩兵師団……3/4
パスビオ師団……1/3

 コッセリア師団のステップ数はもっと少なくして、またDGマーカーを載せても良いのかもしれません。一方でドイツ軍の歩兵師団からはいくらか分遣連隊を抜いて、イタリア軍戦線やカンテミロフカ(画像の左下の下側)に向かわせるようにして置いた方が良いのかも。

 以前のエントリ冬の嵐作戦&小土星作戦前の第17装甲師団とその他ドイツ軍部隊の動きについて (2018/12/27)で、『From the Don to the Dnepr: Soviet Offensive Operations, December 1942 - August 1943』上のこの時期についての記述を訳出してあったので、そちらも掲載してみます。

 ソ連軍の偵察は、敵の部隊配置の変更を引き起こした。12月13日から15日にかけて、ドイツ軍の第385歩兵師団と第27装甲師団がイタリア軍の防御ラインへの増援として前方に移動し、またドイツ軍第387歩兵師団が北方からイタリア軍区域に向かっている途中であった移動が早められた。12月14日には第537歩兵連隊(第385歩兵師団)がSamodurovka周辺に入ると同時に、第318歩兵連隊がソ連軍のDerezovka橋頭堡を繰り返し攻撃した。基本的に、第385歩兵師団の2個連隊と第318歩兵連隊がコッセリア師団とラヴェンナ師団の一部の前線防御を引き継ぐことになった。それらのイタリア軍師団は予備として後方の新たな位置へと下がり、ドイツ軍を支援して敵への反撃の役割を担うこととなった。
 12月16日の朝までにさらに他のドイツ軍部隊が到着して、イタリア軍の防御ラインを補強した。Schuldt戦闘団(2個SS警察大隊)がKantemirovkaに、フェーゲライン戦闘団(2個SS大隊、1個突撃砲砲兵隊、および第15警察連隊)がKantemirovkaの西側に、第27装甲師団がラヴェンナ師団を支援し、第298歩兵師団の1個大隊がパスビオ師団を支援した。さらに、12月18日までに第387歩兵師団がKantemirovkaのすぐ北の区域へと移動することになっていた。
『From the Don to the Dnepr: Soviet Offensive Operations, December 1942 - August 1943』P42




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 ボードウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、第二次世界大戦やナポレオン時代関係情報を集積したりしてます。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイしたり、VASSALでOCSをオンラインプレイしたりですが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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