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OCS『Luzon:Withdraw to Bataan』(仮)のユニットレーティングについて

 この1週間ほどは、手持ちの資料を精読して、OCS『Luzon:Withdraw to Bataan』(仮)のユニットの追加・修正を行ってました。


 中でも、当時のフィリピン軍をメインに記述した『The Times When Men Must Die』が非常に良かったです。フィリピン軍メインと言いつつも過不足ない感じで全体のことが書かれていますし、かつ細かいエピソード(面白いものや、勇敢なものや、悲しいもの)も織り込まれていて、そして非常に読みやすい。Kindle版が800円程度で買えますし、この当時のことに興味を持った方には一番オススメの本ではないかと思いました。





 また、第48師団長であった土橋勇逸(つちはしゆういつ)氏の回想録も購入して、それも参考にさせてもらいました。フィリピン戦に関係する記述は650ページ中70ページ程度ですが、土橋氏の人物的な魅力や当時の一般的な陸軍の在り方とかが非常に興味深いです。






 で、ユニットのデータを作っていたんですが、どういう理由でそういうレーティングにしてみたのかってことを、今なら覚えていることを絶対後で忘れてしまいそうなので、今のうちに備忘録的にある程度書いておこうと思いました。もちろん、暫定的なものに過ぎないでこれからいくらでも変更の可能性があります。

unit9735.jpg



 司令部の支給範囲は当初もっと短かったのですが、二級道路がない場所はがくっと届かなくなることや、前線近くの司令部を踏もうとする行為が頻発しそうな気もして、とりあえずこんな数値で。日本の第14軍の司令部は最初入れてなかったのですが、司令部が足りなくなるような気がしたので入れてみました。

 日本軍の第16師団の戦力値ですが、第9歩兵連隊が史実でフル戦力でマップ内に出てきていて、これが基本になるかと思います。『歴史群像アーカイブVol.23 帝国陸軍南方作戦』P108によれば基本的に1個連隊は2881名だったらしく、1000名≒1戦力としてそれを2倍した数値になっている感じです。つまり『Luzon:Withdraw to Bataan』(仮)はOCS基準の2倍換算、という感じでしょうか。

 第16師団の第20歩兵連隊が1戦力減っているのはマップ外地域に小部隊を派遣していたためで、他のフィリピン軍のユニットでもそれぞれの歩兵連隊の基本値より減っているのはその類です。尤も、OCSでは普通はそういうのは無視して基本値のままでレーティングされるようにも思う(また、長期間を扱うキャンペーンゲームならそれが当然とも思う)のですが、まあ5ターンで終わる地域限定のミニゲームですし、レーティングに細かさがあった方がより燃える(萌える)じゃん、ということを優先させています(^_^;

 捜索連隊(実質的には大隊)は前掲資料によると439名だったらしく、軽装甲車両などを装備していたらしいとはいえ2戦力というのは盛りすぎなのかも……。また、ずっと兵科が赤で機械化ユニット扱い(平地ならば歩兵とかに戦力2倍で攻撃できる)という風にしていたのですが、ヨーロッパ戦線では捜索部隊はそれが普通だったとしても、どうも日本軍はそこまでいかない気がしてきまして、歩兵(その他)扱いに変更してみました(そうでもない?)。捜索大隊の類はOCSでは(というかOCSのドイツ軍では?)アクションレーティングが高めなことが多いので、それに倣いましたが、どんなもんか……。

 第16師団は中国で実戦経験はあったものの、戦闘結果はそれほど良くなく微妙な評価だったらしいので、アクションレーティングは3が適当かな、と。

 「Eng」とあるのは工兵で、OCSでは一般的に工兵大隊とかはユニット化されていないことが多い(工兵能力は司令部が代表することになっている&工兵部隊が単なる歩兵として扱われることへのアンチテーゼ)のですが、OCS『Burma II』では日本軍の工兵大隊が一般歩兵としてユニット化されまくっていたことや、資料を読んでいるとフィリピン軍なんかでも土木労働任務の工兵がやむなく戦場に投入されたりということが頻発していたらしいので(また2倍換算ということもあり)、ユニット化もありかな、と(テストプレイの結果全削除とかもあり得ますけど)。ただし、初心者向けを目指していることもあって工兵能力は持たない扱いでやろうかと(この戦いでは橋梁破壊&修理が起こりまくっているのですが……)。第16工兵大隊ユニットが(半)自動車化になっているのは、戦史叢書『比島攻略作戦』P96に、2個中隊のうち1個中隊は自動車化であった、とあるからです。

 第48師団も自動車化された師団だという話だったのですが、1個歩兵連隊の内の第1大隊が自動車、第2大隊が自転車、第3大隊が徒歩とかだったそうで、移動モードの移動力が9というのは、OCSでの普通の(完全)自動車化ユニットが14とかだったりするのに比べて数値を抑えめにしている感じです(イタリア軍の半自動車化歩兵師団なんかではOCSでもそういう風にレーティングされていたりします)。兵科マークはずっと完全自動車化にしてましたが、タイヤを1個にして半自動車化であることを明らかにする方向にしました。一方で第48工兵大隊ユニットは、『比島攻略作戦』P100に3個中隊全部が自動車化であったとあるのですが、任務上14ほどはなかったかなと思って12にしました(捜索連隊は完全自動車化かつ、先を行くのが任務なので、ヨーロッパ戦線よりは抑えめではあるものの14に)。

 第48師団は上陸作戦などに向けて特別に訓練された師団であった……というような記述を最初見て、基本のアクションレーティングを4にしていたんですが、しかし台湾(Formosa)連隊は戦闘経験がなかったとか、上陸作戦訓練とかもほんの短い期間の泥縄的なものであったらしく(また自動車化も泥縄的で様々な問題があったとか)、ドイツ軍でも2回目の大規模キャンペーンであるフランス戦でアクションレーティング5はまだ稀なことを考えると、第48師団に対して基本4で高くて5というのは高評価すぎるかと思って下げました。第47連隊が4であるのは、この連隊は歴戦のベテランであったらしいので。

 また、第48師団は1個大隊が4個中隊編成であったそうで、多分普通の師団であった第16師団が1個大隊3個中隊編成なので、第48師団の歩兵連隊の戦力値を最初高めに設定していたのですが、土橋勇逸氏の回想録を読んでいると、(泥縄的な)自動車化でもって運転手や保守などに人員が割かれて実質的戦力は2/3になってしまった……というような記述があり(T_T)、「それじゃあ戦力値を高くするわけにはいかないよね」ということで、結局基本値が6と、第16師団と同じ水準になりました(第48師団は事前補充により、定員12,963名が15,663名になっていたらしいのですが、第16師団は人数も、事前補充があったのもかも不明です。しかも『歴史群像アーカイブVol.23 帝国陸軍南方作戦』P108によれば、三単位師団の定員は約14,640名だそうですが……)。

 日本軍の戦車連隊(実質大隊)は、第4が九五式軽戦車、第7が八九式中戦車がメインであったそうで、移動力はそれぞれの戦車の速度を基準に、OCSの(鈍足の)マチルダ2戦車部隊やティーガー部隊を参考にレーティングしました。アメリカ軍の戦車部隊はM3スチュアート装備で、こちらは非常に快速であったらしいので移動力を高くしてあります。両者比較で戦力値やアクションレーティングや兵科(機甲か機械化か)をどうするかは悩みどころだったんですが、まあこんなものかなぁ……と。ただ、両者比較としてはもしかしたら良いのかもですが、結果としてM3スチュアートのユニットが機甲扱いというのは、他のOCSゲームと比較すると問題があるような気も……(「Lt(軽戦車)」というマークにすべきではないのかという話もありますが)。

 砲兵のレーティングは、ワニミさんが昔とある場所で発見された「OCS_Unit_Calc_Sheet.xls」というエクセルファイルに、例えば「150mm砲のレーティングは0.7656」「105mm砲のレーティングは0.32」とかってのがあったものの、資料から各部隊の砲数が分かったのがごく一部しかなく。日本軍の以下のもの。

第9独立野戦砲大隊(150mm砲8門)
 8×0.7656=6.1248

第1野戦砲連隊(150mm榴弾砲24門)
 24×0.7656=18.3744

第8野戦砲連隊(105mm砲16門)
 16×0.32=5.12

 ただしこれらの砲は連隊中の一部のものである可能性もあるのかも。あと、米比軍の第86野砲兵連隊は、どうやら155mm砲×6が1個中隊で、少なくとも3個中隊以上は存在したっぽく、もしかしたら75mm自走砲(たぶん、かなり古い型の)16台の1個大隊が付属していたのかも……とか、情報があやしげだらけで。フィリピン軍の野砲兵大隊は、古い75mm砲があるやないやのかなり貧弱な状態であることまでは分かったのですが。

 ただとりあえず、日本軍の第1野戦砲連隊(1H)と米比軍の第86野砲兵連隊は、18なり20なりの火力にレーティングしても良さそうだな、と。しかし日本軍の第8野戦砲連隊(8H)と米比軍の第88野砲兵連隊は、5とか6のレーティングになりそうで、ゲーム上でも燃料入れて動かすだけ無駄なユニットになりそうな気もするので、よく分かんないままにちょっと上の火力にレーティングしました(おい)。日本軍の第16師団と第48師団の師団砲兵の火力も、よく分からないので適当です(T_T)


 米比軍には、アメリカ人だけの部隊(黄緑色)と、フィリピン人兵士で将校はアメリカ人(アメリカ軍の管轄で兵士達の給料もアメリカが出す)の「フィリピン・スカウツ」(緑色)という部隊、それにフィリピン軍(青色:ただしこれも師団長とかはアメリカ人っぽいです)がありました。フィリピン軍には常備師団である第1常備師団(警察師団という書かれ方もしている?)と、5ヵ月半の訓練をしてあった予備役兵を戦雲が垂れ込めてきたので急いで召集して師団にしていっていた第11から第101までの10個師団があったのですが、フィリピン群島に分散して配置されていたので、史実でマップ内で戦った部隊だけをユニット化しています(マップ内にいたけどバターン半島へと早々に退却して本ゲーム期間内には戦っていない部隊のほとんどもユニット化していません:第42歩兵連隊は除く)。

 師団名に「Philipp(省略形はPhとかでなく長めにしたいのですが、ここで切っても大丈夫?)」とあるのは「フィリピン師団」と呼ばれた師団で、アメリカ人部隊とフィリピン・スカウト部隊によって成り立っていました。「3-43」とあるのは第43歩兵連隊第3大隊で、部隊名はこれが多分一番信頼できそうな気がする(45という数字も見る)のですが、北部ルソン部隊(NLF)に配属されていたらしいものの実際戦ったシーンが全然出てこないような……。フィリピン軍第1常備師団は逆に、戦闘序列では無視されていることも多いのですが、詳しい英文資料を読んでいるとむっちゃ戦ってます(これをアクションレーティング3にするかどうか悩ましい……)。

 フィリピン軍の予備役師団は、定員7,500名とあり、歩兵3個連隊構成で、1個連隊2,000名強で1,000名≒1戦力の2倍換算で4戦力……という感じに思ってます。5戦力もなしではないかもなのですが、装備が非常に悪かったらしいので。アクションレーティングは、各師団の最初の連隊(第x1連隊)が1941年9月1日に召集され、11月に2つ目の連隊が……で、3つ目の連隊の召集が終わったのは12月15日(ゲーム期間が始まる1週間前!)だったということで、最初の連隊だけは若干余裕があったものと考えて1にし、他は基本0で。ただし、どういう理由か頼りになる部隊だったという記述があった第22と第52歩兵連隊だけはサービスで(?)1に。2にもしたかったのですが、それはさすがに全体的に見てオカシイかな、と。あるいはまた、OCSにおいてはそういうレーティングの付け方はあまりしてない印象もあります。

 そこらへん的に言うと、フィリピン・スカウツの第26騎兵連隊は純粋な騎兵部隊であったのですが、このゲームの期間中非常に粘り強く戦い、米比軍の中でも最も賞賛された部隊であった印象を受けます(それで唯一のアクションレーティング4)。一方で、純粋アメリカ人部隊の2つの戦車大隊は、褒められもするけどやられもしている、毀誉褒貶半ばす、という印象でした。ちなみに日本軍戦車部隊は、フィリピン軍予備役師団兵士は見ただけで逃げたり、いくらか活躍をしたりはしているものの、すごく大活躍という感じでもない……(M3スチュアートには勝てないし……)。


 航空ユニットですが、レーティングする上での私の知識不足が明らかで、ぐちーずさんにご協力いただくことができました(ありがとうございます!(^^))。

 OCSの航空ユニットは約45機を表しているのですが、2ステップあるので、ステップロス面であれば20数機程度ということになります。日本陸軍の99式双発軽爆撃機(Lily)や97式軽爆撃機(Ann)はちょうどそのステップロス面で出せばいいくらいの数いたようです。97式戦闘機(Nate)は2ステップ分くらいいるのですが、ステップロス面で1枚出すのもありかも……。ぐちーずさんにご提案いただいたんですが、他に98式直接協同偵察機(Ida)と99式軍偵察機(Sonia)、P-40とP-36も足せば1ステップ分くらいあるようなのでこれも出そうと。

 実はラモン湾の上陸作戦時には水上機母艦瑞穂の艦載機が上陸支援任務を行っており(しかも敵機も飛んできた)、これもユニット化できないかと思ったのですが、飛んでいた艦載機は1ステップ分にかなり満たない……?(>_<)


 また、「その件はこうではないか」「こうした方がいいのでは」などのご意見ございましたら、聞かせていただければ大変嬉しいです(^^)



 ともあれ一応一区切りついたので、また印刷しまして、今度こそテストプレイに入れればいいなと思っております。初期配置も大体考えましたし、マップの方も色々付け加えていってあります。


unit9734.jpg


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プロフィール

DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! 見学だけ等も大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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