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OCS『The Blitzkrieg Legend』等で見るフランス軍戦闘機、M.S.406やD-520など

 先日、Amazonで「チェックした商品の関連商品」を見ていましたら、『第二次大戦世界の戦闘機―1939―1945』という本が出てきまして、「なか見!検索」を見てみたら面白そうだし、レビューの評価も高いし、中古で400円くらいと安かったので購入してみました。




 届いて早速、今プレイ中の『The Blitzkrieg Legend』にあわせてフランス軍戦闘機の項を読んでみてました。で、良い機会なので、手持ちの資料からフランス軍戦闘機について調べてみました。

 その中でも『第2次大戦事典②兵器・人名』の記述は、様々な種類のフランス軍戦闘機全体の見取り図として最も分かりやすく、流れるように理解できるものだったので、まずはそれから挙げてみます。


 ↓OCS『The Blitzkrieg Legend』のフランス軍戦闘機。『第2次大戦事典②兵器・人名』で名前が上がる順に並べました。
  「×」印が付いているのはサージ(増派)分です。フランス軍は第一次世界大戦型の長期消耗戦を予想していたので予備兵力の保持こそが重要であると考え、多くの航空部隊を後方に控置していたそう(コマンドマガジン127号P9から)で、それを表しているのではないかと思います。
 ちなみに同ゲームにおけるドイツ空軍のBf.109eは4-1で総計20ユニット、Bf.110は3-3で総計5ユニットが登場します。

unit9841.jpg


 ↓OCS『Reluctant Enemies』のヴィシーフランス軍の戦闘機。

unit9840.jpg



 2つの世界大戦の間のフランス空軍の歴史は不幸な出来事に満ちていた。航空兵力の役割りについての軍中央部の政策のぐらつきが、航空技術家の才能のひらめきをだいなしにしてしまい、矛盾した設計がやたらに生まれ、それに対して政府は1936年まで無関心であった。【……】事態はまったく絶望的で、1938年の「ミュンヘンの危機」に直面したフランス政府は、急拠アメリカにカーチス・ホーク戦闘機とダグラス DB-7軽爆撃機を大量に発注して、再軍備計画を推進しなければならなかった。

 【……】最も性能が悪かったのは最も古い設計の機体であり、【……】モラン・ソルニェMS406と呼ばれていた。MS406は単発単座の戦闘機で、いささか寸づまりの外形をしていた。この戦闘機の唯一の救いは、1939~40年にまとまった機数がそろえられるということだった。【……】Bf109に追いつくことができず、格闘性能にも劣り、貧弱な武装では敵にたいして損害を与えることができなかった。

 MS406よりも近代的なフランス戦闘機でさえ欠点があった。1940年当時、MS406の次に配備機数が多かったブロッシュMB152の初期の歴史と戦闘記録がそれを如実に示している。【……】開戦【1939年9月3日の対独宣戦布告】とともにMB152には無制限生産命令がでて量産は急ピッチで進められ、1940年5月までに593機が納入されたが、問題は依然として残り、実戦にはあまり活躍できなかった。フランス降伏後はMB152はルフトバッヘに押収されて練習機として使われた。

 フランス空軍に配備されていた3番目の戦闘機、ドボアチンD520の場合は、もっと悲惨であった。D520がフランス最高の戦闘機であることに疑問の余地はないが、本機も量産面の問題に悩まされ、1940年の戦闘にあやうく間に合わないところだった。本機が多数あれば、ルフトバッヘとの対決の帰趨はちがったものになっていたかもしれない。これほどの効果的な単発単座単葉戦闘機の配備がおくれたことは、フランスにとって不幸であった。【……】1940年の短期間の戦闘で、D520は損失85機に対して撃墜ドイツ機147機というスコアをあげ、実力のほどを示した。フランス降伏後、ドイツ空軍もビシー政府空軍もD520を引き続き使用したのも不思議ではない。

 航空兵力の役割りについてのフランスの優柔不断な態度や何が必要であるかについての混乱ぶりは、1939年当時フランス空軍に配備されていた双発戦闘機がポテーズ63シリーズのものだけだったということから十分にうかがえる。【……】エンジンをノームローン14M700馬力に代えた630の原型2号機はきわめて使いやすい機体となり、【ポテーズ】631と改称された。航続距離は1500キロ、武装はプロペラ軸内に20ミリ機関砲2門、プラス最大7丁の7.5ミリ機銃という強力なもので、フランス空軍の要求を十分にみたすものだった。本機の不幸は、その使いやすさが裏目にでて、戦闘機以外のさまざまな任務に改造されたことである。このため、1940年に631で装備された戦闘機隊もあったが、その威力はフルに発揮されずに終わった【……】。
『第2次大戦事典②兵器・人名』P190~2





 まずアメリカ製の「カーチス・ホーク戦闘機」についてなのですが、アメリカ軍としての正式名称?は「P-36A」、カーチス社としての商品名はモデル75と鷹を表す「ホーク」を掛け合わせた「カーチス ホーク75」であったそうで、フランス空軍では「H-75」と呼称されたとのこと。

Curtiss P-36 060908-F-1234P-009

また、ホーク75は各国に輸出され、実戦に使われた。フランス空軍ではH-75と称され、P-36Aと比較して武装が7.5mm機関銃×4と強化されている。第二次世界大戦開戦時、4つの戦闘機大隊が数十機を装備しており、操縦性能はともかくとして、耐久性はMS406よりもあったため、開戦により追加輸入を希望したが、降伏するまでの期間が短かったためそれほど数は多くなかった。にもかかわらず本機はBf109よりも低空での上昇力や旋回性能に優れ、これを装備した部隊はドイツ空軍機を相手に200機ほどを撃墜したとされる。フランス他、同盟国が降伏の際には輸送途中、あるいは連合軍勢力内にあったH-75の多くはイギリスに引き渡され、規格を英国仕様に改めた後に、カーチス モホーク(Mohawk)と命名されてイギリス空軍で使用された。
日本語版Wikipedia「P-36 (航空機)」






 続いてM.S.406について。『The Blitzkrieg Legend』では開戦時セットアップ時にフランス軍で最も数の多い戦闘機ですが、それでもドイツ空軍のBf.109eに較べるとわずかな数で、しかも空戦能力が1劣っているので、がっかりしながら配置せざるを得ないユニットです(^_^;

MS 406 C1

 開戦時、MS406は573機が仏空軍第一線部隊に配備されていて、すでに主力戦闘機の座についていたが、Bf109Eにはよほどのことがない限り歯がたたず、He111、Do17などの爆撃機を追跡するにもスピードが足りないという状況だった。実用化が遅れた上、試作型からほとんど進歩しないまま量産されたため、この頃にはすっかり旧式化していたのだ。
 MS406の数少ない強みは、運動性、特に旋回性能がBf109Eを大きく上回っていたことと、軸内発射のイスパノ・スイザHS404 20mm砲の威力が大きかったことだが、ドラム給弾方式のため60発しか搭載できないのが辛いところであった。
 【……】
 連合軍側で最も数の多かったMS406は、防空戦闘に加えて進撃して来るドイツ軍地上部隊攻撃に多用されたが、低性能な上に被弾に弱い液冷エンジンだったことが響いてフランス空軍単座戦闘機中最大の損失率を記録した。
『第二次大戦世界の戦闘機―1939―1945』P207,8


 「M.S.」は「Morane-Saulnier」で、同書では「モラーヌ・ソルニエ」と書かれています(『第2次大戦事典②兵器・人名』では「モラン・ソルニェ」でした)。『第二次世界大戦「戦闘機」列伝』では「モラン・ソルニエ」。

 あと、アニメ『終末のイゼッタ』で、主人公の国の主力戦闘機として出てきたそうです。





 Bloch 152に関しては、日本語版Wikipedia「MB.150」の中の説明が詳しくて面白い感じでした。

Bloch MB 152

1939年3月から空軍への引渡しが始まったが初期の生産型は尾部に構造上の欠陥があり、部隊配備はその改修後となった。生産時の混乱によりプロペラや照準器の装備が不十分なまま納入される機体があるなど、戦力化には程遠い状態が続いた。また部隊配備された機体も前述のエンジンの冷却不足による出力制限により低速度でしか運用できず、高空での操縦性が悪かったため乗員の評判はよくなかった。MB.152では20mm機関砲を装備して武装強化したものの、機関砲の故障が多く有効な働きができなかった。ただし、他のフランス戦闘機は20mm機関砲が0もしくは1門だったのに対し本機は2門あったため、これが故障せず正常に稼働していれば爆撃機の迎撃で強味を発揮していた[1]。

当時のフランスでは先進的な設計や優れたスペックを持ちながらも欠点の多い機体ではあったが、量産は続けられ、MB.151、MB.152あわせて650機程が生産された。このうち、1940年からのドイツ軍との戦闘では270機が失われ、フランス戦闘機の中で最も大きな損失となった。ただし、ドイツ機の撃墜数も152機(これとは別に約30機の未確認機がある)を数えており、当時は世界最強の一角であったドイツ空軍と渡り合えたことがうかがえる。停戦後は親ドイツのヴィシー政府において戦闘機として使用されたほか、ドイツ軍において練習機として用いられた機体もあった。



 あるいはこんな記述も。

 MB151やMB152は、運動性に優れたモランソルニエMS406に較べるとハイパワーのエンジンを搭載した、高速で重武装の重戦闘機だった。それでもエンジンのパワーは十分とはいえず、ドイツ空軍の主力戦闘機だったメッサーシュミットBf109Eに比べると速度が遅かった。また、航続距離が短いのも大きな欠点だった。
『フランス軍入門』P160


 「Bloch」は書籍だと「ブロッシュ」や「ブロッシェ」、「ブロック」、日本語版Wikipediaでは「ブロック(あるいはブロシュとも)」とありました。




 次に、フランス軍最優秀戦闘機D-520について。D-520は『The Blitzkrieg Legend』のセットアップには存在せず、ゆえにフランス空軍は空戦力3のみでドイツ空軍の大量の空戦力4に対抗しなければならないのですが、D-520がぽつりぽつりと増援でやってくるので、頼もしく見えます。尤も、衆寡敵せずですが:p

Dewoitine D.520

 エンジン出力は910馬力とそれほど強力ではないが、全体的にバランスがとれたフランス軍最良の戦闘機と言われている。MS406の後継機として期待されたが、本機もまた政治的混乱の影響を受け、開戦時に配備されたのは100機足らずにすぎなかった。
 外観はかなり洗練され、速度も530キロと当時の他の戦闘機と比較して遜色はない。実際、Bfl09との戦闘でも互角に戦い、戦果を挙げている。
 わずかひと月の戦いで、撃墜したドイツ機は100機を超えており、敗北の続くフランス空軍の中で、唯一輝きを放っている。本機が計画どおりに500機程度揃っていれば、フランスのあれほど悲惨な敗北はなかったと思われる。
 D520は頑丈で、急降下による応力に耐え、上空からドイツ軍爆撃機を奇襲する戦術が効果的であった。

 また他のフランス戦闘機と同様に
○ビシー政権下で生産され、イギリス軍と戦い
○ドイツ、ルーマニア、ブルガリア空軍で使用され
○フランスが解放されたあとは、連合軍の一翼を担いドイツと戦う
 という数奇な運命を辿っている。
『第二次世界大戦「戦闘機」列伝』P200,201


 1944年にフランスが解放された後にも戦ったという件ですが、OCS『Beyond the Rhine』にもフランス空軍ユニットは出てきてP-51などはユニットになっているものの、D-520はユニットにはなっていませんでした。多分、機数が少なかったからだと思われます。

 また、↓ここらへんも興味深いですね。

 またD520の多くのパイロットは、慣熟訓練もそこそこに実戦に放り込まれている。この点から本機は操縦がしやすく、戦いの道具としても使いやすい機体であったことが分かる。
『第二次世界大戦の「軍用機」がよくわかる本』P181


 「ドボアチン」の発音ですが、書籍ではみな「ドボアチン」でしたが、日本語版Wikipedia「D.520 (航空機)」では「デヴォアティーヌ」あるいは「ドボワチーヌ」と書かれていました。




 最後にポテーズ631について。

Potez 630 C3-GC 1 5

 ポテ630も631も、同じ双発多座戦闘機であるドイツ空軍のメッサーシュミットBf110(C-lで540km/h。高度6000m)に比べると速度が遅く、戦闘機として使うには性能不足だったため、重武装を生かして地上攻撃に使われることが多かった。
 【……】
 偵察、観測、軽爆撃、地上攻撃に使用可能な多用途機で、第二次大戦では大きな活躍を見せたが、損害もまた大きかった。
『フランス軍入門』P176


 OCS上での「2-1」という性能ではちょっとどうにもなりません(^_^; 爆撃力をちょい高めにしてもらうか、数が多ければまた別なのですが……。



 上から見たユニットイラストだと分かりづらいのですが、M.S.406やソ連のI-16なんかに似た寸詰まり体型で、それがBloch 152ではややましになり(それでも旧式っぽく感じるシルエットですが)、D-520だとかなり洗練された感じに見えますから、そこらへんでも移り変わりが感じられて面白いですね。


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DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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