OCSユニットで見るB-24リベレーターとB-17フライング・フォートレス

↑現在の私の編成。ヨーロッパ戦線だけで組みたいのですが、戦闘機が足りず、F4Fワイルドキャットで穴埋めしてます(^_^;
軍艦系のアプリゲーム等は以前から大人気で、火器系のゲームもすでにあり人気ですが、第二次世界大戦の空軍と陸軍を扱ったこういうゲームで、ある程度以上の水準のイラスト(ここ大事)を実装した作品は初めてだと思われ、第二次欧州陸戦ファンとしては、ぜひ人気が出て将来はフィギュアなどもどんどん出るようになってくれれば……と期待しております(^-^)
ゲームを始めるにあたっては10連ガチャが何回でも引き直しできるのですが、何回か引き直しした後、私はとりあえずセモヴェンテ推しメインのつもりで始めてみました。が、その時一番レア度が高かった(=強い)のはB-24リベレーターで、イラスト的にも結構いいなぁと思って、気になりました。

しかしこのブログでは、過去にB-26マローダーとB-25ミッチェルはある程度調べていた(→OCSユニットで見るマーチンB-26マローダーとB-25ミッチェル (2019/06/10) )ものの、B-24リベレーターについてはよく知らなかったので、調べてみました。
すると、OCSで同じ戦略爆撃機(Sタイプ。対施設砲爆撃しかできない)として出てくるB-17フライング・フォートレスとの比較で考えると分かりやすいようだったので、そちらも同時にやってみようと。
↓このような記述もありました。
中型爆撃機をB-25とB-26の2つに標準化したアメリカ陸軍航空隊は、重爆撃機あるいは戦略機についても同様の方針をとり、B-17とB-24の2機種にしぼった。【ただその後、B-29が開発されることにはなりました。】
『第2次大戦事典②兵器・人名』P214
まずはOCSのユニットで見るB-17とB-24。両機はOCSでは『Tunisia II』と『Sicily II』にしか登場しません。『Beyond the Rhine』の時期にも史実で両機は戦略爆撃をおこなっているわけですが、同作では戦略爆撃はオミット(除外)されているのです。
↓『Tunisia II』のアメリカ軍爆撃機

↓『Sicily II』のアメリカ軍爆撃機

B-17は運用開始が1938年、B-24は1941年で、特にB-17で不足気味であった航続距離を伸ばし、爆弾積載量でも勝っていたそうです(OCS上では砲爆撃力で負けてますが)が、B-17が非常に堅牢であったのに較べると脆弱であったようです。
OCSのユニットイラストから受ける印象だと、B-24の方がでかいように見えますが、全長・全幅はそれほど差はないようです。

↑B-24リベレーター(Wikipediaから)

↑B-17フライング・フォートレス(Wikipediaから)
まずはB-24リベレーターについて、Wikipediaの記述が結構興味深いものでした。
形状の特徴としては、飛行艇を主に開発していたコンソリデーティド社らしく、高翼と上下に高い胴体(幅は比較的薄い)を持っている。当時、アメリカ陸軍の主力重爆撃機となりつつあったB-17重爆撃機は、並外れた堅牢性で高い評価を受けてはいたが、航続距離の短さが難点であった。これはイギリスを拠点とするドイツへの爆撃でも余裕は少なく、太平洋上での作戦や、以後想定される日本本土への爆撃には大きな制約となるものであった。
コンソリデーテッド社は航続距離を伸ばすため、主翼の翼型にはデービス翼と呼ばれる、グライダーのような細長い直線翼をモデル31から流用した。これは前後のスパンが短いため、前縁直後から急激に厚みを増す翼断面であるが、主翼内に大容量の燃料タンクを配置する点でも好都合であった。垂直尾翼は、空気抵抗を大きく増やさずに面積を稼ぐことができるとされていた双尾翼で、当時の流行でもあった。爆弾槽扉も、開放時に前面投影面積が変わらない、巻き上げ式シャッターとした。B-17と比べて設計年度が新しい事により、最大速度、航続距離、太い胴体断面を生かした爆弾搭載量など、全ての数値で上回っていた。この大きな機内容積と長い航続距離の組み合わせでB-24は高い汎用性を持ち、対潜哨戒機や輸送機としても使用され、生産数でもB-17を上回っている。なお、本機より米実用爆撃機は首輪式が主流となった
……
B-24の生産数はアメリカ陸軍航空隊向けとしては最多の18,431機(諸説あり)が終戦直前まで生産され、これに海軍向けの1,000機近くが加わる。B-29の生産機数は約4,000機、B-17は約13,000機であり、B-24は第二次世界大戦中に生産された米軍機の中で最多となる。
B-24はイギリス空軍に受けが良かった。これは初期型のB-17の低性能に失望した経験からB-17に対して良い印象を持っていなかったため、B-17よりもB-24を欲しがったと言われており、イギリス空軍が重爆撃機に要求した「ともかく大量の爆弾を、少しでも遠くに」という、爆弾運搬能力重視の姿勢も関係がある。B-24はB-17に比べると爆弾倉が大きく、性格的に英空軍の主力となったアブロ ランカスターにも似ていた。ただし、前述のとおり、アメリカ陸軍が対ナチス・ドイツ戦に大量投入したB-17は、エンジンを変更したF型とG型で、持ち前の信頼性と堅牢性に加え、初期型からは性能が大きく向上しており、武装も強化されていた。
B-24の欠点としては、銃弾を機体に受けると安定性に難が有る、飛行高度がB-17より低いなどの弱点があった。また、アスペクト比の高すぎる主翼が被弾時に折れやすい上、開放時の速度低下を最小にするために採用された巻き上げシャッター式の爆弾槽扉が構造的に弱く、「クルーが誤って踏み破ってしまった」という評さえあった。特に不時着水時に爆弾倉扉が破損して機体が一気に水没する危険があり「B-17に比べて脆弱」と運用側の評価は芳しくなかった。B-17であれば生還できた損傷でも機体を喪失した例も多く、これもあって、特に航続距離が重視される太平洋戦線の場合と異なり、欧州においては総合力生還率で勝るB-17を置き換えるには至らなかった。悪評も多く、「乗員一掃機」、「空飛ぶ棺桶(Flying Coffin)」、「未亡人製造機(Widow Maker)」などの悪意ある仇名がつけられた。
B-17フライング・フォートレスについても、Wikipediaから。
アメリカの欧州参戦後はアメリカ陸軍の主力爆撃機として活躍し、主にイギリスを基地とした対ドイツへの昼間爆撃に従事した。だが、イギリスで兵力を蓄積しはじめた1942年はトーチ作戦(およびその後の北アフリカの作戦)が開始され、そのために戦力を抽出されてしまったため、ヨーロッパでの本格的な爆撃作戦は実施できなかった。そして戦局が連合軍側優位に傾き、さらに兵力の蓄積が進んだ1943年から昼間爆撃が本格化、フランスへの近距離爆撃で経験を積んでからドイツ本土への爆撃にも出撃するようになった。護衛戦闘機の航続距離が充分でなかった1943年頃まではドイツの迎撃戦闘機により多数の(時には10%を越える)損害が出ていたが、B-17の編隊はコンバット・ボックスで濃密な防御砲火の弾幕を張り、ドイツ戦闘機隊の攻撃を妨害するどころか逆に撃墜することもしばしばだった。ドイツ軍では最も火力が少ない正面からの一撃離脱戦法やFw190による「突撃飛行隊」の編成などで一定の戦果を上げたが、機銃と防御性能の強化により効果が減じられ、1944年以降はB/C型からD型に改良されたP-51マスタングをはじめとする高性能な戦闘機が護衛として随伴すると接近すら難しくなり、B-17の損害は一気に減少した。
また4発機のB-17は頑丈で優れた安定性を持つ機体でもあるため、エンジンの一つや二つが止まっても機体や翼が穴だらけになってもイギリスまで帰ってきたものが多数あった。ドイツ本土への侵攻では、撃墜されてしまうとそれだけ多くの搭乗員を失ってしまうため(脱出しても捕虜になってしまうため)、機体そのものはボロボロになっても貴重な人材を連れ帰ることができるという点は非常に重要だった。そのような特徴は多くの搭乗員に愛され、「空の女王」という異名も授かっている。
B-17は、2020年にアニメ化されるストライクウィッチーズでも出てくるようです。

戦争の悲惨な面も、もちろん考えておくべきですが……(→B-17 フライングフォートレスが登場するアニメと、戦略爆撃は是か非か論争(付:OCS『Sicily II』) (2019/03/13))。
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