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第二次世界大戦中の騎兵の有用な部分について

 以前、第二次世界大戦で騎兵はなぜ廃れたのか?(付:OCS『Case Blue』) (2019/04/18) をアップしてましたが、その後、「騎兵のダメな部分だけじゃなくて、その有用であった部分についてもまとめておかないとダメだよな」と考え、資料を集積していました。


 以下の引用は、以前にも挙げていたものですが、有用な部分についての記述があるのでここでも挙げておきます。

 この【1941年7月15日の】回状では、騎兵の大規模な拡張も指示しており、各3447騎から成る軽騎兵師団30個の新設を定めていた。これを受けて、年末までに騎兵師団の総数は82個に達するようになったが、高い損耗率のため、12月末にはこれらの師団は騎兵軍団へと吸収された。
 ブジョンヌイのような内戦時代の指揮官は、戦場での馬の脆弱性を無視して、この時期においてもまだ騎兵によって軍の機動性を取り戻そうとしていた。ドイツ側は騎兵隊をどうしようもない時代錯誤だとして軽蔑する傾向にあった。だが、すべての輸送手段が欠乏している状態では、他に方法がないことをソ連側の指揮官は知っていた。1941年から42年にかけての冬、すべての機械化部隊が寒気と雪のために動かなくなった時、騎兵師団(それに新設のスキー旅団と大隊)は、長距離のゲリラ的戦闘に有効であることを立証した。
『独ソ戦全史』P153

 だがその前日【1941年11月16日】、第44モンゴル騎兵師団が第106歩兵師団に対して、クリンの南西で開けた雪原を横切って反撃を仕掛けた時はソ連側が危なかった。2000騎が砲と機銃によってなぎ倒されたが、ドイツ側に損害はなかった。騎兵は特に冬の戦場で敵を捉えるには有効だが、正攻法での運用をするとあまりに傷つきやすいことが明らかになった。
『独ソ戦全史』P186

 Mueller-Hillebrandの『Horses in the German Army 1941-1945』にはこう述べられている。「騎兵の最も有利な点は、道路のないような地域で機動的な作戦が行えることだった。長距離を迅速に移動できる能力では自動車化部隊に及ばないのは確かである。しかし、木がうっそうと生い茂る場所やぬかるんだ地形においては騎兵は自動車化部隊よりも動きやすかったし、同時にそれらが機甲部隊からの攻撃に対する防御を容易にもしてくれた。だが勿論、あっという間に決定的な勝利を摑むことのできる可能性を持った大砲や重火器などを騎兵が常に帯同できないことは、深刻な弱点であった。」
『Axis Cavalry in World War II』P11




 次に、今回新たに『Axis Cavalry in World War II』から集積してきた分です。

 ポーランドは騎兵による作戦行動に向いていた。その深い森と未舗装の道路は【ポーランド軍の】Hubal戦闘団によるヒット・エンド・ラン戦法に最適であった。逆に、ドイツ軍の騎兵部隊はポーランド軍部隊を探し出して壊滅させるために必要であった。彼らの馬は自動車化部隊では通過不可能な障害地形を越えることができ、交戦後にもポーランド軍部隊を追撃することが可能だったからである。歩兵も森や沼を越えていくことはできたが、その移動力は遅く、自分よりも早く移動する敵を見つけ出し、攻撃し、壊滅させることは不可能であった。
 概して、重火器支援の欠如にもかかわらず、ドイツ国防軍の騎兵部隊はポーランド戦役中には良好な働きをしたのであった。

『Axis Cavalry in World War II』P9

 【1940年のオランダ戦で】騎兵は装甲車を上回る有利さを持っていた。なぜなら渡河点を迅速に、より目立たずに偵察し、より静かに対岸へ渡ることができたし、自動車化部隊よりも的として小さかったからである。
『Axis Cavalry in World War II』P10


 ↑このオランダ戦における騎兵の有用さの部分は、ゲームには反映しにくいと思いますね……。

 あと、同書には「偵察部隊としての有用さ」について書かれていて、これは歩兵師団の中に配属されている偵察部隊の中の騎兵部隊とかの話なんですが、これもゲームには反映しにくい話で、引用はパスで(^_^;

 さらに、「41年冬期反攻の際、ドイツ軍の騎兵部隊は火消し役として用いられた。また、延びきった補給線を守るためにも重要となった。ドイツ軍がコサック騎兵部隊などを編成したのは、後方地域の保全や対パルチザン対策にという面が大きかった。」というようなことも書かれてました。「火消し役」というのは、機械化部隊が全然動けない極寒の中でまだしも動けた、機動力のある兵力だから……ということだと思います(OCS『Guderian's Blitzkrieg II』では、極寒でドイツ軍機械化部隊はステップロスしますが、動けないということはないので、もしこれを反映させるならハウスルールが必要でしょう)、。補給線を守る上では、(ゲーム上でも)機動力がある程度あった方がいいということもあるでしょう。ここらへんはゲームに反映させやすい部分ですが、引用はパスで(なんでやねん)。

 パルチザン対策に有用というのは、騎兵は正規軍同士で戦う戦力としては色々問題があったのだが、対パルチザン(対非正規兵)ということであれば、高めの移動力とあいまって結構有用であった、ということかと思います。


 今後もどこかで騎兵の有用性についての記述を見つけたら、追記していこうと思います。

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DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

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