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ジョン・キーガン編『Churchill's Generals』を購入しました

 以前、チャーチルが軍事作戦に口出しすることなどを北アフリカ戦線:イギリスのチャーチル首相について、まとめ (2018/11/02) で書いていたのですが……。


 メルカリで購入した、『史上最大の決断 「ノルマンディー上陸作戦」を成功に導いた賢慮のリーダーシップ』という本を読んでいましたら、その逆であるかのように見える記述に出会いました。


 かといって、チャーチルがその独裁にも堕しうる権力を思う存分に振るったというわけでもない。彼はあらゆる軍事問題に対して自らの見解を持っていたが、それを幕僚長会議に押しつけたことは皆無だった。
 【……】チャーチルは、政治的・経済的な理由で自らの意見に唱えられた異議には耳を傾けたが、軍事的な問題については幕僚長会議で決定した意見に頑としてこだわった。
『史上最大の決断 「ノルマンディー上陸作戦」を成功に導いた賢慮のリーダーシップ』P45


 尤も、チャーチルは現地指揮官をクビにしたり現地指揮官に攻勢を強要したりはしたけども、「幕僚長会議に自分の意見を押しつけたことはなかった」し、「幕僚長会議で決定されたことに対する異議は受け付けなかった」のかもしれません。そこらへんよくわかりませんが……。


 一方、だいぶ以前に読んだ『昭和陸海軍の失敗 彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか』という本を読み返していましたら、このような記述に出会いました。

 たしかにそうした【将官クラスではなく佐官クラスが実権を握る】傾向は日本特有のものかもしれません。英国の戦争指導について書かれた『チャーチルの将軍たち』という本を読むと、そこに登場するのは元帥とか、大将、中将ばかりです。たまに少将や准将が出てくる程度。そうした人たちがいかにチャーチルと丁々発止とやりあいながら戦争を遂行したというものです。書名から言って、当然かもしれませんが、佐官クラスなど登場しません。
 ところが日本で作戦とか戦争指導といえば、先ほどの服部卓四郎大佐とか、辻政信大佐の名前が挙がる。時にはもっと若い瀬島龍三中佐(44期)の名前があがることもある。これは異常ですよ。
『昭和陸海軍の失敗 彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか』P104,5

 先ほどチャーチルの話が出ましたが、彼はじつに多くの軍人を罷免しています。もちろんその中には判断ミスもあったわけですが、とにかく評価を下さないと組織を統帥することはできません。手柄を立てれば評価するし、失敗すれば降格させる。降格させれば当然、恨まれるでしょうが、それを引き受ける勇気がリーダーには必要です。その勇気が日本人には残念ながらなかった。
『昭和陸海軍の失敗 彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか』P109


 ここに出てきた『チャーチルの将軍たち』という本を探してみたところ、和書・邦訳ではないようでしたが、洋書でこれだろうと思われるものを見つけました。『British Commanders of World War II』の「further reading」にも、「イギリスの将軍達をグループとして扱った著作はほとんどないが、その名誉ある例外がジョン・キーガンの『Churchill's Generals』(London, 1991)である」と書いてありました。




 ジョン・キーガンと言えば、私が持っている本としては他に、『戦場の素顔』と『第二次世界大戦人名事典』があります。他にも様々な邦訳本が出ています→ジョン・キーガンの邦訳本




 試し読みで中身を見てみると、『Churchill's Generals』はジョン・キーガン一人で書いた本ではなく、様々な人が書いた列伝を集めた本のようです(列伝形式すばらしい!→一人の将軍に関して10~30ページ程度で記述する列伝形式の本がいいと思います (2020/04/13) )。取り上げられている人物は、

Ironside, Gort, Dill, Wavell, Alanbrooke, Alexander, Auchinleck, Montgomery, Wilson, O'Connor, Cunningham, Ritchie, Leese, Horrocks, Hobart, Percival, Wingate, Slim, Carton de Wiart, Spears

ということで、個人的には北アフリカ戦のカニンガムとリッチーが入っているのは望外なラッキーさで、他にもウィンゲートやスリムはぜひ読みたいところですし、すでにある程度まとめていたとはいえ、ウェーヴェル、アレクサンダー、ウィルソン、オコーナーなどは加筆に使えそうです。

 また、先日たまたま『第二次世界大戦人名事典』で本間雅晴と本多政材(ビルマ撤退戦の将軍)を読んでみた時に目に入ったホロックス将軍の項が興味深かったので、そこも楽しみな。

 モントゴメリー元帥はホロックスが第二次大戦の最良級の軍団指揮官だと考え、「西部砂漠」のアラム・ハルファ、エルアラメインの第13軍団長にした。ホロックスはモントゴメリーに従ってヨーロッパへ行き、ノルマンディ戦、ブリュッセルへの進撃、アルンヘム奪取のためのマーケットガーデン作戦、それにドイツ国内進撃の第30軍団司令官だった。彼は自分の軍団や軍を思いのままに駆使した。
『第二次世界大戦人名事典』P313




 『Churchill's Generals』はKindle版が479円、古本のペーパーバック版が2000円代で、今までの経験から言うと本のやつを買った方がいいのですが、最近急速に老眼が進んでしまったようで、Kindle版ならばパソコンでものすごく字を大きくして読めるのが魅力なので、今回Kindle版を購入してみました。画面をキャプチャーして印刷して、本の体裁にすることも不可能ではないですし……。


 同様の本として今回、他に『Churchill and the Generals』(2004)という本も見つけてました。これはBBCで放送されたドキュメンタリー(役者による再現の?)を書籍化したもののようでした。




 さらに本来は、以前これまた同様の本として『Churchill's Lions』(2007)という本を注文していたのですが、一向に届かないので諦めてます。新刊が当時確か6,000円代で注文できたのですが、今見ると古本が13,000円代になってますねぇ……(>_<)



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OCSで日本本土侵攻作戦ゲームを作るなら1ヘクス2.5マイルでフルマップ2枚?

 1945年の米軍による日本本土侵攻作戦(ダウンフォール作戦)をOCSで作るならどうなりそうか、試しにマップをヘクスに重ねてみました。

 ダウンフォール作戦には大きく、航空基地を確保するための南九州に侵攻するオリンピック作戦と、関東に上陸するコロネット作戦があったようです(他にも色々あったみたいですけども)。


 まずオリンピック作戦を1ヘクス5マイル、1ヘクス3.5マイル……で作ってみたのですが、マップが小さすぎる気がするので、現状OCSでの最大スケールとなる1ヘクス2.5マイル(『Sicily』と『Reluctant Enemies』でのみ採用)で作ってみました。


unit9706b.jpg

 黄色い枠がフルマップ1枚分です。うまく収めるために15度傾けてみました。




 コロネット作戦の方も、2.5マイルスケールでちょうどフルマップ1枚に?

unit9705b.jpg



 尤も私はこれらの作戦に全然詳しくないので、キャンペーン期間とかの上で、特にオリンピック作戦はどれくらいの長さの見通しなのか……。

 しかしまあさすがに、これらのタイトルは日本人にとってはつらいものがありますが……(T_T)


 評価的には、本当にこれでゲーム化されたならば、ぜひプレイしてみたいという意味では評価5。しかし日本人としてプレイするのはつらいというのと、自分で作るとしたら仮想戦ですし色々と悩ましそうという意味では、なかなかに……(>_<)

OCS-Errata-Counters-MMP.pdfからのユニットデータの作り方

 「OCS-Errata-Counters-MMP.pdf」からのユニットデータの作り方について書こうと思います(もしかしたらこれは良くない行為なのかもしれないのですが良く分からないので、ご存じの方教えて下さい!(>_<))。
I'm going to write about how to create unit data from "OCS-Errata-Counters-MMP.pdf". (maybe this is not a good actions, but I don't know, so please let me know if you know! (>_<)).


 まずはこのpdfに使用されているフォントをある程度は入れておく必要があるので、下記のエントリを参考にして下さい。
 First of all, you need to install some of the fonts used in this pdf, so refer to the following entry.

OCSのマップやユニットで使用されている欧文フォントについて (2020/04/28)




 「OCS-Errata-Counters-MMP.pdf」を『Illustrator』にドラッグ&ドロップすると、データを触れる状態になります。
When you drag and drop the "OCS-Errata-Counters-MMP. pdf" to "Illustrator" to touch the data.

 とりあえずまずは、 「編集」→「環境設定」→「単位」で、「一般」を「ミリメートル」から「インチ」に変更しておいて下さい。ユニットのサイズが1/2インチで、インチ単位で操作した方が楽なので。
 At first, go to Edit > Preferences > Units, and change the "General" from "Millimeter" to "Inches". Because the units is 1/2 inch in size and it's easier to operate in inches.


unit9714.jpg


 すべてのデータが1つのレイヤーに置かれているので、まずは準備をするのが良いと思います。
 Since all the data is placed in one layer, I think it's better to be prepared first.

 一番下の列の左から3つ目のユニットが、ユニット1つ分の大きさになっているので、これを使用するのが良いでしょう。
 The third unit from the left in the bottom row is the size of one unit. This is the one you should use.

 背景色をクリックして選択し、「Ctrl+C」でコピーします。新しいレイヤーを作って、そこに「Ctrl+F」(元の位置にペースト)でペーストします(必要なら、元のレイヤーには鍵をかけて「表示を切り換え」して見えなくしておきます)。「塗り」と「線」を入れ替えて(Shift+X)、「線」を黒色にし、「線幅」を0.1 ptにします。
 Click on the background color to select it, then "Ctrl+C" to copy it. Create a new layer and paste it there with "Ctrl+F" (paste to the original position) ( (If necessary, the original layer can be locked and "toggled" out of sight). Swap the "fill" and "line" (Shift+X), make the "line" black, and change the "line width" to 0.1 pt.


unit9713.jpg

 この矩形を選択状態で、「Ctrl+Shift+M」(移動)で、「水平方向」に「-0.5」と入力します。「プレビュー」にチェックを入れておいた方がいいでしょう。その状態で、「コピー」ボタンをクリックします(「Alt+C」する方がお奨めです)。
 With this rectangle selected, use "Ctrl+Shift+M" (move) and type "-0.5" in the "Horizontal direction". You might want to check the box "Preview". Now click on the "Copy" button ("Alt+C" is recommended).

 そのまま(コピーされた矩形を選択状態で)「Ctrl+D」(同じ作業を繰り返し)します。すると、もう一つ左側に矩形がコピーされます。
 Press Ctrl+D (with the copied rectangle selected) to repeat the process. This will copy another rectangle to the left.

 元のレイヤーを表示してみると、最後にコピーされた矩形の左下が、左下のトンボと同じ位置にあるはずです。
 If you view the original layer, the bottom left corner of the last copied rectangle should be in the same position as the bottom left Printer Mark.

unit9712.jpg


 最初の矩形を選択状態にして、「Ctrl+Shift+M」(移動)で「水平方向」に「0.5」と入力します。「Alt+C」でコピーして、「Ctrl+D」を6回すると、矩形が10個になります。
 With the first rectangle selected, use "Ctrl+Shift+M" (move) and type "0. 5" in the "horizontal direction". Copy with "Alt+C" and press "Ctrl+D" six times, and you will have 10 rectangles.

unit9711.jpg


 そしたら、その10個の矩形全部を選択状態にして、「Ctrl+Shift+M」(移動)で「水平方向」に「0」、「垂直方向」に「-0.5」と入力します。「Alt+C」でコピーすると、その10個の矩形がすぐ上に10個コピーされます。
 Then, select all 10 of the rectangles and press "Ctrl+Shift+M" (move) to move them. Type "0" for "Horizontal" and "-0.5" for "Vertical". If you press 'Alt+C', those 10 rectangles are copied right above the 10 rectangles.

unit9710.jpg


 その上の隙間は1/8インチ=0.125インチのようです。なので、次はこれまでの20個の矩形を全部選択状態にして、「Ctrl+Shift+M」(移動)で「水平方向」に「0」、「垂直方向」に「-1.125」(0.5+0.5+0.125)と入力します。「Alt+C」でコピーすると、その20個の矩形が0.125インチの隙間をあけた上にコピーされます。
 The gap above that seems to be 1/8 in = 0.125 in. Next, put all of the previous 20 rectangles in the selected state and "Ctrl+Shift+M" (move) with "0" for "horizontal" and "-1.125" (0.5+0.5+0.125) for "vertical". When you copy with "Alt+C", Its 20 rectangles will be copied over a 0.125-inch gap.

unit9709.jpg


 元のレイヤーを表示してみると、元のユニットのデータとちゃんと重なっているはずです。ユニットの色がちょっとずれているところがあるのは、元のユニットのデータがずれているものです。
 If you view the original layer, the data of the original unit should overlap properly. Some of the unit colors are slightly off, the data of the original unit is not correct.


 この作業を繰り返していくと、すべてのユニットの場所に矩形を置いていくことができます。中央の隙間は0.5インチです。
 Repeat this process to place a rectangle in place for every unit. The center gap is 0.5 inches.

unit9708.jpg




 すべての矩形を選択状態にして、「Ctrl+C」します。新しいレイヤーを作って、そこに「Ctrl+F」します。すべての矩形を選択状態で、「塗り」と「線」を入れ替えて(Shift+X)、「塗り」をクリックして有効にして、好きな色を選択すると、すべてのユニットの色が1個ずつ編集できる状態になります(元のデータは1個ずつになっていないので)。
 Select all the rectangles and press "Ctrl+C". Create a new layer and "Ctrl+F" on it. With all rectangles selected, replace the "Fill" and "Line" (Shift+X) . Click to enable "Fill" and select the color you want, and you can edit all the unit's colors one by one (since the original data is not in one piece).


 以上のように、「Ctrl+Shift+M」「Alt+C」「Ctrl+D」を使うのがコツです。もちろん、コピーでなくて移動したい時には、「Alt+C」ではなく「Enter」でOKです。
 As mentioned above, the trick is to use "Ctrl+Shift+M", "Alt+C" and "Ctrl+D". Of course, if you want to move instead of copy, you can use "Enter".




 ユニットの兵科マークや戦力値ですが、元のデータは結構ずれているものがあります。なので自分で位置を調整して、「自分のデータではこれを元にする」というものを作った方がいいと思います。「整列」をうまく使用して。
 Regarding the unit's military markings and strength values, some of the original data is quite off. So it's better to adjust your own position and create something that says "I'm going to use this as the basis for my data". Make good use of "alignment".



 私は「境界線」「ユニットの色」「ストライプ」は別のレイヤーにしてありますが、ユニットの兵科マークや戦力値は同じレイヤーで処理しています。それでも問題ないですし、その方がやりやすいような気がします。
 I have the "Boundaries", "Unit Colors" and "Stripes" on each separate layers, but the units' military markings and strength values are handled on the same layer. It's still not a problem, and I feel like it's easier to do that.

 戦力値と(徒歩の)移動力は、白い数値は編集しやすいですが、後ろの黒い数値が編集しにくいです。なので、白い数値を選択状態にして「Ctrl+X」(切り取り)で、一度取り除いてしまいます。黒い数値を編集したら、「Ctrl+F」(元の位置にペースト)で戻せばOKです。
 Strength values and (foot) mobility, the white numbers are easy to edit, but the black numbers behind them are harder to edit. So, you can remove the white number by selecting it and clicking "Ctrl+X" (cut it out). Once you have edited the black number, just press Ctrl+F (paste them back to their original position).

 パーツで足りないものがあったら、OCSのルールブックなどのpdfファイルをドラッグ&ドロップすると、ページ数を聞かれるので入力すると、その1ページだけなら編集できるようになります。そこからコピーして使用できます。「グループ化」されていたり、「クリッピングマスク」になっていることも多いので、それは必要に応じて解除します。ただしそれらは、数値や文字を編集できません。
 If a part is missing, you can drag and drop a pdf file, such as the OCS rulebook, you'll be asked for the number of pages, so you can edit just that one page. You can copy it from there and use it. It's often "grouped" or "clipping masked" so it's Release as necessary. However, they cannot be edited for numbers or characters.

 あと、ほんの少しだけデータを移動させたい時は、マウスを使って移動させるのでなくて、カーソルキーで一度動かしてみるのもお奨めです。それでうまく調整できるなら、その方が楽です。
 Also, if you want to move just a little bit of data around, I recommend moving it around once with the cursor keys. If it works, it's easier.


 航空ユニットのイラストデータを作る時は、ユニットの左(あるいは右)半分だけをまず描くといいと思います。それをコピー&ペーストして、左右反転させて、くっつけるのです。一番外側の線は0.2、内側の線は0.1 ptで大きく描いておいて、縮小する時には「変形」の「線幅と効果も拡大・縮小」のチェックを外しておきます。
 When making the illustration data for an aviation unit, if you draw only the left (or right) half of the unit first It's good, I think. Copy and paste it, flip it left to right, and stick it together. Draw the outermost line at 0.2 and the inner line at 0.1 pt, and when you shrink it down, uncheck the checkbox for "Line Width and Effect also Scale Up and Down" .

 航空ユニットの迷彩塗装は、クリッピングマスク機能を使えばいいと思うのですが、まだ試していません(^_^;
 I think the camouflage painting of the aviation units could be done with the clipping mask feature, but I haven't tried it yet (^_^;


 うーん、とりあえずこれぐらいでしょうか? また何か分からないことがあれば、気軽に聞いて下さい!
 Hmmm, that's about it for now, right? And if you have any questions about anything, feel free to ask!



『憎悪の世紀』読後感想(人種差別について+本間中将の逸話)

 『憎悪の世紀』を読み終わりました。





 読んでいて「うええ……」と思ったのは、第二次世界大戦以前とかでも特に東欧からロシアにかけては人種差別による迫害や殺人なんかが起こりまくっていたという話で、そこらへんから考えるとナチス・ドイツが特別というわけではなかったんだなぁ……と(むちゃくちゃ組織的にやったという意味ではやはり特別なのか……)。

 「人種差別はあるのが当たり前」で「それで迫害するのも殺すのも当たり前」というのは、いやしかし今のアメリカとか、あるいは日本でも全然別世界の話とは言えないか……。


 それから、第二次世界大戦の頃に日本軍とかが現地の人達に色々とひどいことをした……という話が延々と続くページがありまして、中には南京大虐殺の話もあって「それはちょっとどうかな」とは思うのですが(よく知らないですが)、しかしフィリピンにおける軍政の話なんかをWikipediaだとか先日の『歴史群像』の記事とかで読みますと、フィリピンでの日本の軍政は全然ダメダメだったようで、日本人として読んでいてつらいものがあります。しかし一方、今村均(大将?)によるジャワ島の軍政はむちゃくちゃ善政であったらしく、今村均の親友で「軍人には合わないほど性格が優しい」と言われた本間雅晴中将がバターン戦に至る不手際を理由に予備役に回されずにフィリピンの軍政を担当していたならば、フィリピンでも善政がひかれたりしたのじゃないかなぁ……と良く知らないながらも思ったり(でも今村均は陸軍中央からその善政が生ぬるいとして左遷されたらしいので、そもそも体質がブラックな組織が上だからダメか)。

 しかしその後『憎悪の世紀』で、日本軍兵士とかに対する連合軍兵士の残虐な扱い(降伏してきてもそのまま殺すとか)が数多くあったとかっていう記述がまた数ページ続くようなところもありまして、「ええっ、そうだったのか!?」と。まあでもそりゃそうか、とも思ったり。

 フィリピン戦に関する資料を読んでましたら、マッカーサーが「日本軍が来たってフィリピンは絶対守れる」と思い込んでいた理由の一つとして「日本人なんていうやつらに何ができる」という人種差別意識があったことは否定できないそうで、フィリピンを空襲した日本軍機を見たマッカーサーが、その動きが上手かったのを見て「あの日本軍機には白人が乗っているに違いない」と言ったとかなんとか。

 あるいは、今日たまたま書店で立ち読みした『アメリカと中国は偉そうに嘘をつく』という本にフィリピン戦の項があったので見てみたら、フィリピン戦の時にテニー・レスターという米軍戦車兵が逃げて入った村に黄色人種がいた(当たり前ですが)のだけども、「我々白人にはその黄色人種達が日本人なのかフィリピン人なのかなんて分かるわけないから、全部銃で撃ち殺したよ」とかって悪びれる感じもなく自著の『バターン死の行進』の中で書いてて、それでいて「バターン死の行進」をさせられたことを非難している……ってなことが書いてありました。




 で、そのテニー氏の本を探してみたのですが、↓これ?

My hitch in hell [electronic resource] : the Bataan death march by Tenney, Lester I


 あるいは↓これ?



 後者の表紙には、「レスター・I・テニーは、日本人を憎んだり残酷だと決めつけたりはしない。」とかって書いてあるんですけども。


 あるいは、以前読んだ『アーロン収容所』に「イギリス軍女性兵士が日本人を人間だとまったく認識してないこと」が書いてあったわけですが、今Amazonの書評を読んでみたら、このようなことが書いてありました。



しかし、イギリス人が敵だった日本人捕虜を家畜扱いしたことを問題視する人が多いが、著者もまた味方のビルマ兵を上等な家畜同然と思っていたとも書いている(P167)ことは見過ごされがちである。味方ですらそうなのだから、敵国人に対する態度がそれより悪くなるのも当然であろう。しかもその扱いに対し、深い反省は見えず、ああ悪い悪い程度の感慨しか感じられなかった。




 進化生物学や脳に関する研究から言えば、自分の属する集団を正義と捉え、それ以外(特に敵対関係)の集団を悪だとか無価値だとか決めつける方が、「進化的に有利」ではあるわけですけども。


 今回フィリピン戦のゲームを自作して、ヒストリカルノートも必要だろうから調べて書いていて、そういう人種差別的な(あるいはマッカーサーが多分私怨で本間中将を死刑にしたり、部下のウェーンライト中将が勲章をもらうのを邪魔したりしたらしい)こととかを書くことも可能なわけですが、まあやめておいた方がいいだろうなあと思って、基本的に純軍事的なことだけに絞って書いてあります。でも、興味をもってこの戦域に関する本を読んだ人が、色々新たに知るとかってのはすごい良いことだと思いますし、私自身そうだったので、そこらへんは期待したいところかなぁと。


 せっかくなので、ヒストリカルノートには書きたくても書けなかった、本間中将に関するエピソードをここに引用しておこうと思います。

 「本間閣下は【中国での】進軍中に味方の戦死者が目にはいると、馬からおりてそばへ行き、帽子をとって最敬礼された」【……】
 【本間は部下に言った】
「味方の死体を見ると、気の毒で気の毒で、心が痛む。思い切った作戦を敢行しようという時も、またたくさんの犠牲者が出るかと思うと決断がにぶってくる。だが戦闘中は作戦第一主義で行かねばならん。決心がにぶらないように、なるべく味方の戦死者を私に見せないようにしてくれ」
『いっさい夢にござ候 本間雅晴中将伝』P124

 【……】商業学校の講堂に児童生徒1500名程度が集まり、【本間】将軍から武漢戦のお話を伺う催しがございました。
 【……】やがて江南山岳戦のことに及び『累々の山岳がすべて敵の堅陣であり、一山また一山と攻略してゆく将兵の労苦は言葉に尽せない。山頂の敵陣に肉迫する歩兵の第一線は、味方砲兵にその位置を知らせるため日章旗を掲げて進んでゆくが、これが敵からも好個の目標とされる。双眼鏡で見ていると、敵の砲火が集中して、日の丸がハタと倒れる。アッやられたかと見るうち、日章旗は再び高く掲げられる。傷ついた兵にかわり、次の者が捧げて進むのである。その日の丸がまた倒れる……』そのような話をしておられた将軍のお声が急に途絶え、見ると静かに目を閉じておられる。戦場を回想し、次の言葉を考えておられるのかと思いましたが、いつまでたっても口を開かれず、そのうち光るものが頬を伝うのが見えました。説明用の長い竹を杖にして、広い壇上に立っておられる将軍のうつむいた頬に涙が次々に流れ落ち、やがて嗚咽の声まで洩れてきました。
 どのくらいの時間だったか、ずいぶん長い間、私どもは電撃を受けたように、身動きは元より呼吸すら憚る思いで将軍を見守り続けておりました。やがて将軍は無言のまま頭を下げて、講壇を去られました。
 講演はそのあと若く快活な中尉に引継がれ、粤漢線の遮断、通城占領に至る兵団勇戦の模様など、大へん面白く分かりやすく聞かせていただきましたが、私どもはこの日以来、子供心にも将軍が赫々たる武勲にも拘らず、深く部下を思う慈愛に満ちたお方と、いっそう尊敬の念を深めたものでした【……】
『いっさい夢にござ候 本間雅晴中将伝』P137


 引用していて私も泣いてしまいましたが、本当に本間中将は軍人よりも教師だとか他の職業に就いた方が良かった人かもと。ある意味なぜそれで軍司令官に任命されるのかといぶかしくも感じますが、陸大の成績も非常に優秀で(隔絶的に優秀だった今村均に負けただけ)作戦立案能力も高いという評価だったということです。







OCS『The Blitzkrieg Legend』3度目のキャンペーン、第6ターン先攻(連合軍)終了

 尼崎会(拙宅)で、OCS『The Blitzkrieg Legend』3度目のキャンペーン、第6ターン(5月20日ターン)先攻(連合軍)をプレイできました。


unit9717.jpg

 前のターン、ドイツ軍はダブルターンを前提でかなり無茶をして突き進んでいたので(というのは、史実とのタイムテーブルでだいぶ遅れているので、無茶しなければというのがあり)、前線のすぐ背後で大量に戦略移動モードになっていたものがあり、イギリス軍を指揮していたワニミさんは「それらに突っ込みたい(戦略移動モードは戦力ゼロのアクションレーティングゼロなので)」ということで、3ユニットをほどを突っ込ませ、ドイツ軍の歩兵師団を8ステップ(つまり2個師団相当)を壊滅させたとのこと。やはり、前線のすぐ後ろにまで戦略移動モードのスタックを置くのは避けた方がよさそうです(もっと後ろに置くとか、普通のユニットとスタックさせるとか)。

 また、前のターンにドイツ軍が突っ込んだカンブレーですが、フランス軍の砲兵砲爆撃でステップロスが起こったこともあり、カンブレーは取り返され(ドイツ軍2ユニットが壊滅)、しかもそこにあった補給物資9Tほども奪われる結果に。フランス軍との間には距離もあったし川もあったのですが、さすがに舐めたマネだったか……? あるいは広がらずにカンブレー市内に全部スタックしておいた方が良かったかもですね。


 一方フランス軍側としては、これまで良く分からないながらも試しに重点を形成してみたりしていたのですが、どうもよくなかったなと思いました。まんべんなく、そして後方までかなり戦力をばらまいた方が良いのではないかと……。


今までの訪問者数(2011/9/17以降)
プロフィール

DSSSM(松浦豊)

Author:DSSSM(松浦豊)
 ウォーゲームの中でも、OCS(Operational Combat Series)だけをひたすらプレイしたり、関係情報を集積したりしてます。また、ナポレオン時代のプロイセンと、あと若干イギリス軍関係を調べたり。自宅(尼崎会)でOCSを置きっぱなしプレイがメインになってますが、時々はゲームクラブのミドルアース大阪などに行ったりも。

 尼崎会では、OCSに興味のある方を常時募集しております。OCS初心者の方にも分かりやすい、やりやすいところからお教えいたします! 見学だけ等も大歓迎です。ブログのコメント等で、気軽にご連絡下さい(*^_^*)

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